Windows Azure通信2014

2014年1月第5週2014年1月のアップデート

Windows Azureがクレジット産業向けデータセキュリティ基準であるPCI DSS準拠に(1/16)

新年明けてから、Windows Azureがクレジット産業向けデータセキュリティ基準であるPCI DSS準拠となったことが発表されました。PCI DSS(Payment Card Industory Data Security Standard)は、米国PCIデータセキュリティ標準審議会(PCI SCC:Payment Card Industory Security Standards Council)が定めている基準で、カード会社/加盟店/サービスプロバイダーを含め、支払やカード所有者の情報など、クレジットカード情報を取り扱うすべての会社が順守すべき、国際的なセキュリティ基準となっています。

もちろん、Windows AzureおよびWindows Azure上に構築されるアプリケーションの両方で、クレジットカード情報を安全に取り扱うための取り組みが必要であり、Windows Azure および(アプリケーション構築を担う)利用者の双方の担当範囲・内容が、ガイドWindows Azure Customer PCI Guideとしてまとめられています。

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Windows Azure Webサイトの機能強化:ステージング環境、Always On(常時接続)、Web Job(1/16)

Windows Azure Webサイトの機能強化がいくつか行われ、プレビュー機能として利用可能になっています。

ステージング環境(Staging)は、1つのサービスの中に外部公開用の本番環境(Production)の他に、テスト用の環境として利用できるもので、Windows Azureクラウドサービス には実装済みです。アプリケーションやサイトのアップデート時、またはテストなどの目的でステージング環境を利用して検証を行うことができ、確認できたステージング環境を本番環境と即時入れ替えて運用できる VIPスワップ機能も備わっています。

Windows Azure Webサイトのステージング環境
Windows Azure Webサイトのステージング環境

Always On(常時接続)は、言葉通り常時サーバに接続できる状態を保つ(Always On Being Available)機能です。

Web Jobは、①オンデマンドで、②スケジュールを設定して、③継続的に、の3種類の方法を選んでジョブを実行できる機能で、Windowsコマンド(*.exe/*.cmd/*.bat)やbash(*.sh)ファイルの他、PHP(*.php)/Python(*.py)/Node.JS(*.js)を実行できますWeb Jobの利用方法詳細⁠。

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Windows Azure Hyper-V Recovery Manager のサービス正式提供開始(1/16)

これまでプレビュー機能として提供されていた、Windows Azure Hyper-V Recovery Managerのサービス正式提供が開始となりました。

Windows Azure Hyper-V Recovery Manager(HRM)は、プライベートクラウドを管理するSystem Center Virtual Machine Management(VMM)サーバと通信を行い、プライベートクラウドでホストしている仮想マシンに対して、バックアップや復元などの管理を含む自動化(オーケストレーション)を行う機能を提供します。HRMはWindows Azure で稼働していますが、Windows Azure 上にはポリシーや自動化の設定とそのステータスのみが保持され、仮想マシンのレプリカ自体はWindows Azure上ではなく、プライベートクラウド内に保存されます。

社内で新たにサーバを用意する必要もなく、社内リソースを自動でレプリケーション/復旧する仕組みを整備することができ、バックアップから速やかに原状復帰できるDR(災害復旧)対策の仕組みとしても活用できます。

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  • Server & Tools Blogs > Server & Management Blogs > In the Cloud > Announcing the GA of Windows Azure Hyper-V Recovery Manager

Windows Azureのサービス概要

「これからWindows Azure を試してみたい」という方や、⁠最近触っていないので、良くわからない」という方向けに、Windows Azureで提供されているサービスについて、毎回少しずつご紹介していきます。

Windows Azure全体のサービス構成

Windows Azure全体のサービス構成
Windows Azure全体のサービス構成

Windows Azureは大きく分けて、①サーバの基本機能を提供する⁠コンピューティング⁠⁠、②データベースやストレージの機能を提供する⁠データ⁠⁠、③アプリケーション構築のためのユーティリティ機能を提供する⁠アプリケーション⁠⁠、④ネットワーク構築機能を提供する⁠ネットワーク⁠⁠、の4種類のサービスを提供しています。これらのサービスから選んで単体で、またはいくつかを組み合わせて、Microsoftが管理するデータセンターで運営されるパブリッククラウド上にアプリケーションを構築できます。

Windows Azure Webサイト

Windows Azure Webサイトは、名前のとおり、Webサーバの機能をクラウド(PaaS)でご提供するサービスで、Windows Azureで稼働しているWebサーバ環境を数ステップで利用できます。

このサーバ環境は仮想化されており、Windows Server互換OSで WebサーバとしてIISが稼働しています。.NET Framework 3.5/4.5およびPHP 5.3/5.4/5.5 はインストール済み、ASP.NETだけでなく、Classic ASP、Node.jsも即時利用できます。データベースは、Windows Azureのサービスとして提供しているWindows Azure SQL データベース、ストレージのほか、MySQL がビルドインされています。

PaaSとして利用できる
PaaSとして利用できる

自身で開発したWebアプリケーションのアップロードにはFTPやGitを利用でき、Visual StudioやMicrosoft WebMatrix をご利用の場合は、Webデプロイと呼ばれる高速なアップロードも利用できます。オンラインIDEであるVisual Studio Onlineとも統合されており、オンラインでブラウザからコード編集が可能です。

シンプルなWebサーバ(+データベース)の環境以外にも、OSSアプリケーションがインストール済みの環境(仮想マシンイメージ)が用意されており、新規でWebサイトを構築する場合などに開発工数・時間を短縮できます。

Windows Azure Webサイトには、無料/共有/標準の3種類の⁠モード⁠があり、名前のとおり、無料モードは利用料金が無料です(Windows Azure SQLデータベースおよびMySQLにも無料版が用意されています⁠⁠。

無料と共有モードでは(物理的な)サーバを他の利用者と共有、標準モードではサーバは占有となります。無料モードではドメイン名は固定(example.azurewebsites.net, ⁠example⁠の部分は好きな文字列を指定できます)となりますが、共有/標準モードではカスタムドメイン名も利用できます。

クラウドで提供されているWebサイトを利用するメリットとして、利用状況に応じてサーバ台数の増減(スケールアウト/イン⁠⁠、サーバスペックの拡縮(スケールアップ / ダウン)が容易であることが挙げられます。Windows Azure WebサイトはPaaSとして提供されており、複数のサーバによる負荷分散機能(ロードバランサー)も実装されています。サーバ構成は、ブラウザからWebの管理ポータルにアクセスしていつでも変更できるだけでなく、サーバへの負荷またはスケジュールに応じて自動でサーバ台数を増減する 自動スケール機能 が利用でき、メンテナンスを含めて運用管理コストを削減できます。

Windows Azure 管理ポータルでの自動スケール設定
Windows Azure 管理ポータルでの自動スケール設定

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