FreeBSD Daily Topics

2008年9月22日suser(8)インターフェース削除、NVIDIAドライバビルド方法、Entranceのport登場、Bordeaux移植進展報告(PC-BSD PBIあり)

heads-up

suser(8) removed. Get priv(9) instread

current8-CURRENTからsuser(9)インターフェースが削除されました。suser(9)は、すでに長い間、priv_check(9)インターフェースへのラッパ関数として動作していました。削除は以前から予定されていましたが、2008年9月17日(協定世界時)のコミットで8-CURRENTから削除という運びになりました。

この影響でsuser(9)を使っているライブラリやアプリケーション、モジュールなどでは変更が必要になりました。たとえばNVIDIAドライバ(nvidia-driver-173.14.12の場合)はsuser(9)を使っているため、2008年9月17日(協定世界時)よりも後のバージョンではビルドできません。nvidia-driver-173.14.12であれば、src/nvidia_os.cがそれに該当します。src/nvidia_os.cの該当部分を次のように編集します(ちなみにcurrent mlにはPRIV_ROOTではなくPRIV_DRIVERを使ったパッチが流れました⁠⁠。

リスト NVIDIAドライバに対する変更の例
--- src/nvidia_os.c     2008-09-19 15:09:37.000000000 +0900
+++ src/nvidia_os.c.new 2008-09-19 15:09:50.000000000 +0900
@@ -165,7 +165,7 @@
 
 BOOL NV_API_CALL os_is_administrator(PHWINFO pDev)
 {
-    return suser(CURTHREAD) ? FALSE : TRUE;
+    return priv_check(CURTHREAD, PRIV_ROOT) ? FALSE : TRUE;
 }
 
 U008 NV_API_CALL os_io_read_byte(

アップデートの方法はいつくかありますが、例えば次のようにしてパッチ展開後に手動でファイルを編集してビルドをおこない、上書きインストールを実行します。

プロンプト 手動でsuser(9)削除に対応した処理を実施する場合
# cd /usr/ports/x11/nvidia-driver/
# make clean
# make patch
# cd work/NVIDIA-FreeBSD-x86-173.14.12/src/
# vi nvidia_os.c
# cd ../../../
# make build
# env FORCE_PKG_REGISTER=yes make install

この例以外にも、suser(9)を使っているモジュールやアプリケーションは、2008年9月17日(協定世界時)以降の8-CURRENTでは動作しなくなるとみられます。モジュールやアプリケーションが動作しなくなった場合には、同インターフェースの削除による影響を調べてみてください。

ports

Ports CollectionはFreeBSD 7.1/6.4リリースへ向けたフリーズ期間に入ったためセキュリティフィックスを中心とした細かいアップグレードが実施されています。新しいアプリケーションの追加や大幅なアップグレードは実施されていません。

Entrance

Enlightenment project E17コアライブラリを使って開発されているログインマネージャEntranceのportがEntrance portにおいて公開されました。Entranceはe17ルック&フィールを実現したクールなログインマネージャですが、まだ開発段階にあり安定性や安全性はそれほど優れていません。しかしカッコいいログインマネージャであることに間違いはなく、興味がある場合には試してみてください。

graphics/tiff

TIFF(Tag Image File Format)に関するライブラリやツールを提供しているgraphics/tiffがセキュリティフィックスを目的としてアップデートされました。CVE-2006-2193、CVE-2006-2327、CVE-2006-2656、CVE-2006-3459、CVE-2006-3460、CVE-2006-3461、CVE-2006-3462、CVE-2006-3463、CVE-2006-3464、CVE-2006-3465、CVE-2008-2327の脆弱性が修正されています。

links

Bordeaux 1.6 for FreeBSD and PC-BSD

Bordeaux 1.6 beta 1 for FreeBSD and PC-BSDにおいてBordeauxのFreeBSDへの移植作業に進展があったことが報告されています。BordeauxはおもにWine技術を活用して開発されたWindowsアプリケーションを動作させるためのアプリケーションです。

Bordeaux 1.6 beta 1 for BSDではGUIインストーラが動作するようになったほか、PC-BSD 7のPBIが用意されるようになりました。それ以外ではIE6におけるActive XやFlash、Javaといったプラグインのサポートが実現されています。

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