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2012年11月8日DragonFly BSD 3.2正式リリース、PostgreSQL Pgbenchで高いスケーラビリティ

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DragonFly Release 3.2

DragonFly BSD 3.2がリリースされました。i386版とx86_64版が提供されています。推奨されているのはx86_64 (64ビット)版ですが、64ビット版はLinuxバイナリ互換機能が動作していないので、Linuxバイナリ互換機能を使用したい場合にはi386版を使用することが推奨されています。

DragonFly BSD 3.2の最大の特徴はスケジューラ周りを改善しパフォーマンスが向上している点にあります。DragonFly BSDからはPostgreSQLを使ったベンチマーク結果が公開PDF資料されており、DragonFly BSDが高いスケーラビリティを発揮していることが主張されています。

公開されているベンチマークはIntel Xeon X5650 2基 / 24GBのマシンにおいてPostgreSQL 9.3 Pgbenchのトランザクション結果です。DragonFly 3.0、DragonFly 3.2、Scientific Linux 6.2、FreeBSD 9.1-RC1、NetBSD 6.0-RC2を比較しています。結果からはDragonFly BSD 3.2が高いスケーラビリティを発揮していることがわかります。

このベンチマーク結果に関しては、メーリングリストに投函されたDragonFly vs FreeBSD schedulerのやり取りが参考になると思います。特定のアプリケーションを特定のベンチマーク結果だけを取り上げて全体の評価とすることはできないという意見がでている一方、FreeBSDのマルチコア向けスケジューラであるULEの開発者Jeff Roberson氏が「It's not the scheduler. It's lock contention in the vm and buffer cache. The scheduler can only schedule what is runnable. We are working to address this problem. 」と発言しているところが注目ポイントです。

改善が実施された場合、FreeBSDも同様のベンチマークでDragonFly BSDと同程度まで処理がスケールするようになるものと見られます。今後、このあたりの開発が注目されるところです。

その他の取り組みとしては、USB4BSDがマージされ、より多くのUSBデバイスに対応したことなどが紹介されています。

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