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2017年5月1日Linux 4.11が正式リリース、プラガブルI/Oスケジューラ、Gemini Lakeのサポートなど

Linus Torvaldsは4月30日(米国時間⁠⁠、Linuxカーネルの最新版となる「Linux 4.11」を正式公開した。当初の予定より1週間遅れ、8本のリリース候補(rc)版を経ての公開となったが、いくつかの小さなバグのほかには大きな問題もなく、ほぼ通常のリリースサイクルにのっとったアップデートといえる。

Linux 4.11 - Linus Torvalds

Linux 4.11の主な機能強化は以下の通り。

  • Linux 3.13でブロックレイヤに実装されたマルチキューアーキテクチャにプラガブルなI/Oスケジューリング機能を追加
  • クラウドなどのスケールアウトに柔軟に対応するために、スワッピングの実装をSSDなどモダンなストレージデバイス向けに改良
  • MD RAID5でのジャーナリングにおける書き込みホール(write hole)問題の解消
  • stat()に代わる新システムコール「statx()」
  • 新しいperfツールキット「perf ftrace」⁠今回サポートするトレーサはfunction_graphまたはfunctionのみ)
  • ストレージの暗号化向けに策定された規格「Opal」に準拠したドライブのサポート
  • CPUの省電力を実現する「SMC-R(Shared Memory Communications-RDMA⁠⁠」プロトコルのサポート
  • VGAコンソール間でのスクロールバックが都度バッファに書き込まなくても可能に(デフォルトでは無効)

また、Linux 4.11では新たに多くのハードウェアサポートが追加されているが、注目されるアップデートとしては、Intelの14nmテクノロジ「Intel Gemini Lake」のSoCサポート、オープンソースのAMDGPUドライバ使用時におけるAMD Radeon GPUの電力管理の改善などが挙げられる。

Linusはすでに次のリリースである「Linux 4.12」のマージウィンドウをオープンしており、プルリクエストの受付を開始している。

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