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2017年8月9日 ライブイメージのことはそれほど ―どうなるDebian Live

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「ぶっちゃけ,僕自身はライブイメージを直接必要としていないし,ライブイメージのことはとくに気にもかけていない。にもかかわらず,かなりの時間をライブイメージ作成に費やす羽目になっている。数人のメンバーも僕と同じようにライブイメージ作成にすごく時間を使っていて,そのことには本当に感謝しかない。でも,それでも追いつかないのが実情なんだ」

これは6月26日にDebian開発者として著名なSteve McIntyreがDebian開発者向けのいくつかのメーリングリストにクロスポストした内容の抜粋だ。そしてこのMcIntyreのポストをProject DebianのPaul Wiseが8月4日に開発者向けのニュース「Misc Developer News #44」であらためて拾ったことで,Debian Liveの今後の開発体制にちょっとした注目が集まっている。

IMPORTANT: Do live Debian images have a future? -Steve McIntyre
Misc Developer News (#44) -Paul Wise

本コーナーでもお伝えしたとおり,約2年ぶりのメジャーアップデートとなった「Debian 9 "Stretch"」6月17日にリリースされたものの,その直後にライブイメージのバグが見つかり,わずか4日後の6月21日にDebian 9.0.1を出すことになる。

こうした一連のドタバタを受け,これまでライブイメージ開発に関わってきたMcIntyreは,ライブイメージ作成にそれほど情熱をもっていない自身および数人のメンバーのみでライブイメージの開発を続ける状況を「十分とはいえない」と評している。

Stretchのライブイメージ作成では新ツールの「live-wrapper」が使われ,過去のビルドツールに較べてずいぶん使いやすくなったという。だがそんな便利なツールがあっても,作成したライブイメージがごくわずかしかテストされない状態でリリースされてしまっては意味がない。ライブイメージのバグがほとんどレポートされることなく正式リリース至ってしまった今回の件についてMcIntyreは「ライブイメージを事前に使ってテストする十分な数のメンバーもいなければ,バグの有無を気にかけるメンバーもいなかったことを示している」と述べている。

ライブイメージを"標準的なレベル"までに押し上げるには現在の体制では無理がある ―McIntyreは「より多くの人々による,一貫していて,継続可能な開発体制が必要」と強調している。この問題をふたたびニュースとして取り上げたWiseは「もし,⁠Debian開発者が)支援に動かなかったら,McIntyreはライブイメージ作成から完全に手を引いてしまうだろう。そうなるとDebianに残された道は,ライブイメージがなかったころのインストールに戻るしかない」と警告し,関心をもつように呼びかけている。"存在してあたりまえ"に思われがちなライブイメージだが,Debianユーザがそのまま恩恵を受け続けるには,何らかの動きが必要なようだ。

著者プロフィール

階戸アキラ(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。

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