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2018年4月16日Red Hat Enterprise Linux 7.5の注目アップデート「Buildah」

Red Hatは4月10日(米国時間⁠⁠、RHEL 7系の最新バージョンとなる「Red Hat Enterprise Linux 7.5」をリリースした。OpenSCAPとRed Hat Ansible Automationの統合、ストレージ利用の効率化を図るVDO(Virtual Data Optimization)など、ハイブリッドクラウド環境をよりセキュアにする機能強化が行われている。

なかでも、開発者からひときわ注目されているアップデートが、コンテナイメージを容易に作成できるオープンソースのコマンドラインツール「Buildah」のフルサポートだ。まだアルファ版での提供ではあるが、Dockerなどのコンテナ実行環境やデーモンを必要とすることなく、シンプルなコマンドラインを実行するだけで容易にコンテナイメージを作成できるため、ITインフラのコンテナ化を促進することが期待される。

projectatomic/buildah :A tool that facilitates building OCI images -GitHub
Buildah - build your containers from the ground up! - Project Atomic

Buildahは基本的に「continers-storage(/var/lib/containers⁠⁠」と呼ばれる領域にコンテナイメージをストアし、Dockerデーモンをパイパスするしくみとなっている。このため、DockerやCRI-Oなどのコンテナ実行環境がなくても、⁠buildah」で始まるコマンドを実行するだけでコンテナイメージ(Docker/OCI互換)を容易に作成できる点が最大の特徴となっている。イメージを作成するには、稼働中の別のコンテナイメージをベースにするだけでなく、スクラッチから作成することも可能だ。もちろん従来のDocker環境のようにDockerfileの手順通りに作成することもできる。

バックグラウンドでコンテナエンジンが稼働させることなく、コマンドラインのみで容易にコンテナイメージが作成/デプロイできるようになれば、本番環境でのコンテナアプリケーション導入も進む可能性は高まってくる。今後の発展が注目されるプロジェクトだ。

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