Ubuntu Weekly Topics

2008年2月22日号MOTUリリースチームの始動、REVUコーディネータの募集、KDE4環境でのscim-bridgeのテスト

MOTUリリースチームの始動

先日お伝えしたMOTUリリースチームメンバーの選挙の結果、立候補した5人全員が当選しました。Feature Freeze後、さっそくいくつかのアプリケーションでFeatureFreeze Exception提案されています。また、チームメンバーであるScott Kittermanは、MOTUリリースチームが作業中のパッケージについては、他の人と作業内容が被らないように、StandingFeatureFreezeのページにリストアップするよう依頼しています

REVUコーディネータの募集

新規パッケージを作成しUbuntuのレポジトリに配置するためには、REVUという審査プロセスを通過する必要があります。審査プロセスには時間がかかるため、次期バージョンに配置される新規パッケージは、原則的にUbuntu Development Summit(UDS)からFeature Freezeまでの三ヶ月の間に審査プロセスを通過したものに限られます。

さて、2月14日にUbuntuの次期バージョンであるHardyのFeature Freezeが行われました。これをうけて、MOTUではHardyの次(Hardy+1)の新規パッケージ候補を審査とその補助行うREVUコーディネータの募集が告知されています

このREVUコーディネータは、REVUプロセスが滞りなく行われるようにMOTUやREVUサーバの管理者と協調して、REVU Dayのスケジュール管理や告知、長い間放置されているパッケージのアーカイブ化や、審査が完了しレポジトリにアップロードされたパッケージをREVUサーバから削除、審査されないパッケージがないようにチェックなどを行うことが期待されています。

このため、応募条件は次のようになっています。

  • REVUの審査人として登録されていること
  • パッケージ作成に関して造詣が深いこと
  • 新規パッケージに関して興味を持っていること
  • UDSからFeature Freezeまで、週に5-10時間はREVUのための時間を用意できること

今後は立候補の状況を見て、3月15日のMOTUミーティング終了後の21時(UTC)からREVUコーディネータの決定が行われます。立候補する人はそのミーティングまでにこれまでの実績、REVUや新規パッケージに対する計画などを明らかにする必要があります。

KDE4環境でのscim-bridgeのテスト募集

scim-bridgeパッケージのメンテナであるZhengPeng Houは、scim-bridgeがKDE4環境で動作する唯一のネイティブなIMモジュールであることを踏まえて、Kubuntuの開発版であるHardyでのscim-bridgeのテスターを募集しています。特に英語キーボード以外のキーボードでのテストを求めているようです。

言語パッケージがアップデートされます

6.06から7.10までのすべてのリリースバージョンに対して、2月25日に言語パッケージ(language-pack-*)がアップデートされます。これにより、各リリースバージョンに対してリリース後に翻訳されたデータが反映されます。さらに、7.10については基本言語パッケージ(language-pack-*-base)もアップデートされるため、⁠gutsy-proposed⁠レポジトリにアップロードされたパッケージをテストし報告する事が求められています。

MOTUメンバーへのインタビュー

MOTUメンバーへのインタビューを行っている“Behind MOTU”に、Wineのパッケージなどを作成しているStephan Hermann (\sh)へのインタビュー記事が掲載されています。

Ubuntu Weekly Newsletter #78が発行されました

2月17日に、Ubuntu Weekly Newsletter #78が発行されました。

コミュニティニュース

先週お伝えしたUbuntu Developer Week開催の話、前述のMOTUリリースチームの話に加えて、Matvey Kozhevが新しくMOTUメンバーになったことが紹介されています。また先日のFeature Freezeと、2月21日にリリースされるHardy HeronのAlpha 5についても簡単に解説しています。

ただし、その後、Ubuntu Devel Announceに流れた告知によると、HardyのAlpha 5についてはLaunchpadのメンテナンスと被るため1日かそれ以上遅れる可能性があるとのことです。

Hardy Heronの新機能

Hardy Heronの新機能として新しいサウンドサーバであるPulseAudioが紹介されています。現在、アプリケーションとハードウェアの間で音声データのやりとり行うサウンドサーバにはESDやaRts、JACKなどさまざまな種類があり、それぞれがサウンドデバイスを奪い合う状況になっています。また通常のアプリケーションは、これらのサウンドサーバのAPIのうち、どれか一つのみに対応しています。PulseAudioはこれらの違いを吸収し、ユーザだけでなくアプリケーションの開発者の利便性も向上させることが目標です。

その他のニュース

インターネット上でUbuntuに言及する記事として、以下の記事などが紹介されています。

フォーラムニュース

今週のインタビューでは、Ubuntuメンバーであり、データの復旧に特化したUbuntuベースのLive CDであるUbuntu Rescue Remixの開発者でもあるazことAndrew Zajacにインタビューを行っています。また、今週のチュートリアルでは、ノートパソコンなどでタイピング中にタッチパッドが不意に反応しないように、タッチパッドの無効時間を変更する方法が紹介されています。

今週のセキュリティアップデート

2月14日
  • Linuxカーネルに関する複数の脆弱性(対象は6.06 LTSのみ)
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