Ubuntu Weekly Topics

2008年2月29日号Hardy Alpha 5のリリース、Intrepid Ibexの告知、Launchpad 1.2.2、5-A-Day

Hardy HeronのAlpha 5がリリースされました

2月23日にUbuntuの次期バージョン"Hardy Heron"のテスト版である"Alpha 5"がリリースされましたAlpha 4から、さらに以下の変更点が新規に追加されています。

  • Linuxカーネルは2.6.24.2ベースの2.6.24-8.14になりました。
  • Firefox 3はBeta 2からBeta 3になり、完全にFirefox 2を置き換えて標準のブラウザとなりました。ただし、現時点ではパネル上のランチャーからは起動できません。起動する場合はアプリケーション→インターネットメニューを利用してください。また、Firefox 3からプリントアウトできないという報告もあがっています。
  • Windows上でUbuntu CDを利用したときにumenu(Ubuntu CD Menu)が起動するようになりました。これは、Ubuntu CDでWinodws用のFirefoxやThunderbirdをインストールするときに使われていたWinFOSSに置き換わるものです。通常のLive CDとしてリブートさせたり、Wubiを使ってWindows内にインストールしたり、UbuntuやWindows用のフリーなソフトウェアについて学ぶといった作業が簡単に行えます。
  • WubiもインストールCDから使えるようになりました。WubiはWindows用の特殊なUbuntuインストーラです。通常のインストーラと違って、パーティションの分割やブートローダの設定を行う必要はありません。他の一般的なアプリケーションと同様に、既存のWindowsパーティションに直接インストールすることができます。ただし、サスペンドやハイバーネーションが行えなかったり、速度が遅かったりするので、あくまで「Ubuntuを使ってみる」ためのオプションであることは留意してください。

上記の変更点に加えて、Kubuntuもいくつかの変更点があります。

  • KDEがアップデートされ、3.5.94.0.1になりました。どちらもバグフィックスがメインのリリースです。
  • KubuntuでもWubiを利用できるようになっています。ただし、インストール中にKDEデスクトップがクラッシュする問題があります。クラッシュしてもインストールは進行し、完了後に自動で再起動されます。
  • 新しいプリンタ設定ツールとして、⁠System Config Printer⁠が利用できます。
  • KOffice 2.0のAlpha 6を利用できるようになりました。

8.10の開発コード名は“Intrepid Ibex”になります

Hardyの次、2008年10月にリリースされる予定の8.10の開発コード名が、⁠Intrepid Ibex(勇敢な野性ヤギ)⁠になると発表されました。Ibexはアルプス山脈に生息する野性のヤギのことです。Ubuntuの開発が新しい領域に入り、それを導く象徴としてこの動物が選ばれました。

8.10では、⁠鎖につながれていない野性ヤギが自由に野原を飛び回れる」ように、モバイル環境に注力することが予定されています。パフォーマンスを改善し、サブノートブックのような小型コンピュータでもハイエンドワークステーションと同じような体験が得られること、インターネット接続環境を見直し、オフィスでも電車でも家庭でも同じように接続できるようにすることなどが目標です。詳しい仕様や新機能については、Hardyリリース後の5月19日から23日にチェコのプラハで開催される、Ubuntu Developer Summitで議論・決定されます。

Launchpadがアップデートされました

2月21日にLaunchpadが1.2.2にアップデートされました。主な変更点は次の通りです。

  • これまで、PPAにパッケージをアップロードするとビルドが行われるまで1時間弱のブランクがありましたが、アップロードされた時点で即座にビルドされるようになりました。
  • バグに関する通知を、より簡単にメールで受信できるようになりました。
  • Launchpadを使って、savannahに登録されたバグを追跡できるようになりました。
  • 特定のアプリケーションに対して、フィルタを使って翻訳者ごとに担当した部分を簡単に検索できるようになりました。

その他にも、多くのバグ修正と機能追加が行われています。

5-A-Day

CanonicalのコミュニティマネージャであるJono Baconが、⁠5-A-Day⁠というイベントを紹介しています。これは、人々が健康を保つために毎日5種類の野菜か果物を摂取するように、UbuntuでもHardyの健全なリリースに向けて、毎日5つのバグに取り組もうという運動です。

ここで、⁠取り組む」とはさまざまな意味を含んでいます。

  • バグの報告や確認(confirm)
  • 報告されたバグの順位付け(triage)
  • 上流(upstream)の開発者への報告
  • パッチの提供
  • 提供されたパッチの審査
  • パッチを適用したパッケージのアップロード

各自のできることから取り組み、例えば自身のブログやメールの署名部分などに、その5つのバグを投稿してください。Wikiのページにはより詳しい説明や便利なツールの紹介が行われています。

Ubuntu Weekly Newsletter #79が発行されました

2月24日に、Ubuntu Weekly Newsletter #79が発行されました。

コミュニティニュース

前述のHardy Alpha 5のリリース、Intrepid Ibex、5-a-Day、Launchpadのアップデートの話、Ubuntu Developer Weekの報告に加えて、以下のニュースが報告されています。

アメリカのメリーランド州を拠点にするMarylandチーム、インディアナ州を拠点にするIndianaチーム、南米のコロンビアを拠点にするColombianチームの、3つのLoCoチーム(Local Coumunity Team)が承認されました。さらに、主にLoCoチームメンバーとして活躍しているEddie Martinez、Leandro Gomez、Eric Krieger、Andrea Colangelo、Craig A. Eddy、Greg Grossmeier、Nicolas Valcarcelの7名がUbuntuメンバーになりました。

その他のニュース

インターネット上でUbuntuに言及する記事として、以下の記事などが紹介されています。

  • Dellが1月に発売したばかりのノートブックであるInspiron 1525でもUbuntuプリインストール版を発売することを報じるDesktopLinux.comの記事

今週は上記以外にも、Canonicalの社員でありUbuntuサーバのプロダクトマネージャであるNick BarcetへのインタビューやアメリカのLoCoチームであるFloridaチームの紹介、2月分のチームレポートのダイジェストなど多種多様なニュースが紹介されています。

フォーラムニュース

今週のインタビューではお休みのようです。また、今週のチュートリアルでは、Windowsが起動できなくなったときの対処方法の一つとして、UbuntuパーティションからWindowsのレジストリを修復する方法が紹介されています。

今週のセキュリティアップデート

2月17日から24日までに、下記のセキュリティアップデートが行われました。

2月21日
2月22日

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