Ubuntu Weekly Topics

2008年4月11日号FinalFreeze、Ubuntu Hackersチームの新設、Compiz 0.7.4のテスト

FinalFreeze

今月10日にFinalFreezeが行われました。今後はこちらのマイルストーンページにリストアップされているような、⁠リリースに支障のあるバグ⁠しか修正されません。修正されないとリリース自体に影響があるにもかかわらずマイルストーンページにリストアップされていないバグについては、リリースチームのメンバに報告してください。

main/restrictedリポジトリに属するパッケージはUbuntuのリリースチームの、universe/multiverseリポジトリに属するパッケージはMOTUリリースチームのチェックに通過しない限りアップロードされません。こちらのメールでは、⁠変更点がなるべく少なくなるように」と述べており、次のような避けるべき修正例があげられています。

  • Standards-Versionのバージョンアップのような、パッケージそのものの整理をする
  • 新規にパッチシステムを追加する
  • (パッケージに含まれる)翻訳ファイル自身の更新や、その他テキストファイルの誤字を修正する
  • ビルドシステムの変更

また次のパッケージについては、それぞれ担当者にアップロードを承認する権利が与えられています。彼らはそれぞれのアプリケーションに対するエキスパートでもあるので、FinalFreeze後であってもある程度柔軟に対応してもらえるでしょう。

  • Firefox関係のパッケージ:Alexander Sack (asac)
  • KDE関係のパッケージ:Jonathan Ridell (Ridell)
  • GNOME関係のパッケージ:ubuntu-desktop もしくは Sebastien Bacher (seb128)
  • Mythbuntu:Mario Limonciello (superm1 | mariolimonciell)
  • UbuntuStudio:Luke Yelavich (TheMuso)
  • Xubuntu:Cody Sommerville (cody-sommerville)
  • Wine:Stephan Hermann (\sh)

Ubuntu Hackersチームの新設

MOTU(Master Of The Universe)のメンバが増えてきたため、MOTUの前段階とも言うべきチームをつくろうという話が持ち上がっています。これは、以前から議題に上がっていた「MOTUメンバとして承認されたのなら、自動的にUbuntuメンバとして承認してもいいんじゃないか」という話の延長上で起こったものです。

前述のメールの中では、新しいチームの名前を⁠Universe Hackers (Ubuntu Contributing Developers)⁠としており、参加基準として以下の点をあげています。

  • Ubuntuの開発に参加し、どれくらいの不具合を修正したか
  • Ubuntuコミュニティの他のメンバと協力して作業を行えたか
  • 将来の活動について、明確なプランを持っているか
  • Wikiの個人ページがこのページで指摘されている内容を満たしているか

ほぼ、現状のMOTUへの参加と同じ基準です。ただし、今後は⁠貢献の種類⁠「不具合の修正」だけでなく、さまざまな種類に拡大していきたいという希望も述べられています。また現在、MOTU候補生が参加する⁠Contributors of packages for ubuntu universe team (ubuntu-universe-contributors)⁠⁠Universe Code Monkeys (universe-code-monkeys)⁠に名称変更し、⁠Ubuntu開発者やUniverse Hackers以外の)既存のメンバは6ヶ月後に脱退される予定です。

ただし、上記の内容については異論も出ており、再度MOTUミーティングで議論の上、決定される予定です。

新しいMOTUメンバ

Universeに存在するパッケージの管理を行うMOTUのメンバとして、積極的なバグフィックスを行ってきたMorten Kjeldgaard(mok0)が加わりました。

Compiz/Compiz Fusion 0.7.4とHardy

4月3日にCompiz、4日にCompiz Fusionの0.7.4がリリースされました(リリースノート:Compiz / Compiz Fusion⁠。0.7.2に対する不具合の修正が主体となっており、大きな変更点は展開プラグイン(Expo)に⁠Curve⁠という新しいオプションが加わったこと、Bicubicプラグインを使えば三次補間法を用いてテクスチャマッピングできるようになったことぐらいです。

さて、前回のリリース時にはHardyでは0.7.2ベースになるというお話をしましたが、Compizのパッケージングを担当しているMichael Vogtは自身のブログの7日の記事でPPAで0.7.4パッケージを公開したんで、充分にテストできればHardyにアップロードする予定があるということを伝えています。もちろん、前述の通り数日後にFinalFreeze迫っている段階の発表ですし、この記事の段階でFinalFreezeが行われてますので時間的には非常に厳しい状態です。彼のブログやフォーラムでは積極的なテストが求められています。ただし、不具合を発見してもLaunchpadには報告しないでください。これはあくまで私設のパッケージなので、報告するのは彼のブログか上記フォーラムトピックによろしくお願いします。

Ubuntu Weekly Newsletter #85が発行されました

4月6日に、Ubuntu Weekly Newsletter #85が発行されました。

コミュニティニュース

前述のFinalFreezeとMOTUの新メンバの話に加えて、Ubuntu Liveとsystem64の話が紹介されています。

以前にもお伝えした通りUbuntuのビジネス向けのイベントであるUbuntu Liveが7月21日・22日の日程で開催されます。4月3日にはセッションへの参加申し込みが開始されました。6月2日までに申し込むと150ドル安くなるそうです。また、セッションスケジュールも公開されています

Ubuntuインストール済みコンピュータを販売しているsystem76では、米国内のLoCoチーム向けに、Ubuntuのプロモーション用チラシとUbuntuステッカーの無料配布を始めました

Launchpadニュース

LaunchpadがOpenID発行サービスのテストを開始しました。これにより、BloggerなどOpenIDに対応しているサイトであれば、Launchpadとそのアカウントを使うことで各々のサイトにログインすることができます。このサービスはまだベータテスト中です。詳しいことは、LaunchpadのOpenIDのページを参照してください。

その他のニュース

インターネット上でUbuntuに言及する記事として、以下の記事が紹介されています。

フォーラムニュース

今週のインタビューでは、25年前に交通事故で大怪我を負ってから、それを克服するためにコンピュータを学び始め、さまざまな経験を経て現在ではUbuntuフォーラムで活発に発言しているhandyにインタビューを行っています。また、今週のチュートリアルでは、USBメモリといくつかのスクリプトを駆使して、インターネットに接続できるコンピュータでパッケージをダウンロードして接続できないコンピュータのアップデートを行う方法が紹介されています。

今週のセキュリティアップデート

4月2日から4月8日までに、下記のセキュリティアップデートが行われました。

4月2日
4月3日

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