Ubuntu Weekly Topics

2008年11月21日号 UbuntuのARMアーキテクチャ対応,LaunchpadインタビューとEclipseプラグイン,Dell Mini 9のテスト

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UbuntuのARMアーキテクチャ対応

11月13日に,CanonicalARMからそれぞれ,UbuntuのARMアーキテクチャサポートが発表されました。ARMアーキテクチャは低消費電力をうりにしており,そのCPUは数多くの携帯端末などで採用されています。Ubuntuは8.10で,Atomプロセッサを搭載したMID向けのイメージをリリースしましたが,今後はより小型・低消費電力の端末でもデスクトップ版を使えるようにすることで,"Intrepid Ibex"の開発コード名発表時に言われていた「どこでもインターネット」を実現したい考えです。

ARMアーキテクチャの対応は,Ubuntuの派生元であるDebianがすでに長い実績を持っていますし,次のリリースに向けて新しいABI(EABI)に対応したアーキテクチャをサポートすべく作業が行われています。また,これまでにもHandhelds Mojoプロジェクトは,NokiaサポートのもとARMv5/v6に対応したUbuntuの派生ディストリビューションをリリースしていました

今回の発表によると,Ubuntuではもっとも新しいARMv7アーキテクチャ(Cortex-A8,Cortex-A9)をターゲットにし,その成果については来年の4月のJaunty Jackalopeを目処にリリースされる予定だそうです。すでにLaunchpad上では,"armel"というアーキテクチャ名で一部のパッケージのビルドが始まっています。また,ARMはAdobeと協力することで,ARM対応版Flash Player 10の開発を行っていることも発表しています

LaunchpadインタビューとEclipseプラグイン

先週に続いてLaunchpad開発者への新しいインタビューといくつかのニュースが掲載されています。

Dell Mini 9向けパッケージのテスト

CanonicalのOEMサービスを担当しているChris Greganは,Dell Mini 9をはじめとしたネットブックデバイス向けに特別に作られたソフトウェアのアップデート・セキュリティフィックスを行うためのリポジトリを提供すること,そのアップデートの品質を向上するためにテスターを募集していることを知らせるメールを出しています

今のところテスト方法の詳細については公表されていませんが,QEM Community QAのようなチームを使ってテストを行う予定だそうです。また,Ubuntu QAチームのSteve Beattieは,一般的な話としてこのようなテストに必要な能力・作業について解説しています

ディストリビューション大集合

11月29日に品川で開催される楽天テクノロジーカンファレンス2008の,「ディストリビューション大集合」というトークセッションにUbuntu Japanese Teamもパネラーとして参加します。他のLinuxディストリビューションの開発者とも膝を交え,開発における課題などをお話する予定です。

参加料は無料ですが,事前にテクノロジーカンファレンスへの参加登録が必要なので注意してください。

Ubuntu Weekly Newsletter #117が発行されました

11月16日に,Ubuntu Weekly Newsletter #117が発行されました。

コミュニティニュース

前述のDell Mini 9のテストの話,後で紹介するNathan Grubbへのインタビューの話に加えて,以下の話が紹介されています。

  • Ubuntuのヘルプページ(メニューの→ [ヘルプとサポートシステム]で閲覧できるもの)を提供するhelp.ubuntu.comのテーマが刷新されました。公式ウェブサイトに近いテーマとなっています。Wikiベースで日々更新されているCommunity Documentationも更新済みですが,アカウント作成済みの場合は古いテーマで表示されます。新しいテーマに変更したい場合はUserPreferencesから,「テーマ」を"ubuntunew"に変更してください。
  • Jauntyの最初のアルファ版が11月20日にリリースされました。今回は次に実装すべき内容を議論するUDSの開催などがいつもと若干異なるスケジュールのため,アルファ版のリリースも前倒しされています。ただし,あくまで初期段階のリリースであるため,8.10に比べるといくつかのパッケージが更新されただけで,それほど大きな新機能や変更点は用意されていません。

その他のニュース

インターネット上でUbuntuに言及する記事として,以下の記事が紹介されています。

  • Ubuntu Open Weekで行われたマーク・シャトルワースへの質問コーナーの内容を,テーマごとにまとめているars techinicaの記事
  • Linuxとそのディストリビューションの流れと将来について独自の考えを述べてる,InformationWeekの記事
  • 上でも述べたように,UbuntuがARMのサポートを開始することを伝える,cnet newsの記事

今週のインタビュー

今週のインタビューでは,ワシントン州在住で15歳の高校生であり,1年ほど前からLinuxを使い始めた,Nathan Grubbにインタビューを行っています

今週のチュートリアル

英語フォーラムで紹介されている今週のチュートリアルは,Windowsを使うことなくBIOSを更新する方法です。このチュートリアルでは,MS-DOSと互換性があり,フリーソフトウェアであるFreeDOSを使ってフロッピー/CDで起動ディスクを作成し,その起動ディスクにメーカ提供のBIOS更新プログラムを含めることで,Windows上で起動ディスクを作成する手順を省いています。ただし,BIOSの更新自体が非常に危険な作業であることに注意してください。チュートリアルの中でも何度となく,理解できない部分がある状態で実行しないことなど,さまざまな注意書きが書かれています。

今週のセキュリティアップデート

11月12日から11月18日までに,下記のセキュリティアップデートが行われました。

11月14日
11月17日
11月19日

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。

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