Ubuntu Weekly Topics

2010年12月24日号11.04のDebian Import Freeze・Unityの開発・hp製デスクトップへのCertification

11.04の開発

日本を含めた各国がクリスマスシーズンに入り、11.04の開発は非常に落ち着いた状態になっています(若干の問題は起こりましたが、Alpha〜Beta時期の開発、しかも設定ファイルの構成変更時には良く起こることです⁠⁠。

Debian Import Freeze

11.04のDebian Import[1]は、年内にフリーズされる予定です。universe・multiverseに含まれるパッケージに「これは必ず使いたい」というものが含まれる場合は、年明け後に動作確認やDebianのバージョンとの比較が必要になります。

なお、Debian側のSqueezeリリース時期との兼ね合いもあり、大量のSync Requestが発生すると見られます。このSync Requestに関する疑問とその回答のやりとりが、ubuntu-devel-discussで行われているので、あわせて確認すると良いでしょう。

また、パッケージングそのものに関連するガイドの整備も、11.04の開発フェーズで行われる予定です。

Unityの開発

Ubuntu 11.04のデスクトップ環境、⁠Unity⁠の開発が進められています。Unityの完成まではまだまだ膨大な作業が残っているため、広く支援が求められています。

Bitesize Bugの修正、バグの探索、デザインの調整・翻訳等、さまざまな分野の作業が存在するので、腕に覚えのある方は参加してみてはいかがでしょうか。

“ブラックアウトしない”ブート

10.10の開発において一度は諦めた⁠ブラックアウトしない⁠ブート処理(GRUB2の動作モードを変更して、テキストモードに落ちないようにする)が、再び有効にされています。これにより、11.04ではこれまでよりさらにスムーズな画面遷移が実現されることになる見込みです。

hpのデスクトップPC

Ubuntuの開発サポート企業であるCanonicalでは、⁠Ubuntuを動作させられるPC」Certified/Ready認定を発行する、という業務も行っています。CertifiedはCanonicalによる認定、Readyは各ハードウェアによる自主的な(ただし、Canonicalの準備しているツールを使った)認定、という差はありますが、これらの認定を得たハードウェアでは、⁠Ubuntuが正常に動作する」と言えます。

この認定対象に、hpのデスクトップ(ただし、ビジネス向けモデルやWorkstationモデルが中心)も加わりました。日本国内で入手できないモデルも一部含まれるため、国内での入手には微妙なケースもありえますが[2]⁠、⁠Ubuntuが動作するモデルがほしい」という要望を満たす上では、非常に良い状態になりつつあります。実際の認定を得た機種の情報はこちら

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-1033-1:Eucalyptusのセキュリティアップデート
  • Ubuntu 10.10用のアップデータがリリースされています。CVE-2010-3905を修正します。
  • CVE-2010-3905は、EucalyptusのWebインターフェースのうち、パスワード変更UIにおいて、一定条件下で第三者がパスワードを変更できてしまう問題です。これにより、パスワード変更UIへアクセス可能な第三者がEucalyptus管理者の特権や、通常ユーザの利用権を奪取できる可能性があります。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
  • 備考:問題の詳細はLP#675372を参照してください。この問題はEucalyptus 2.0.0, 2.0.1のみに存在します。1.x系のEucalyptusは影響を受けません。

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