Ubuntu Weekly Topics

2012年1月20日号 12.04の省電力に向けた取り組み・Unity 5.0の紹介・Xのアップデート・Javaパッケージの抹消・Ubuntu User Daysのログ・UWN#248

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Preciseの開発

Ubuntu Power Consumption Project

Ubuntu 12.04 LTS(Precise)のターゲットの一つは「省電力」で,ALPMの利用を始めとした,非常に積極的な設定変更が実施されています。多岐に渡るこの取り組みのまとめエントリが作成されています。興味のある方は以下のページを参照してみてください。

なお,アプリケーションを自作する方にとっては,アプリケーション開発者向けのガイドが参考になるでしょう。

Unity 5.0/Stagingのスクリーンショット

12.04世代で利用できる,Unity 5.0のスクリーンショットや紹介記事がいくつ公開されています。Precise環境がない,あるいはstagingにあるUnityを利用したくない場合はこれらの紹介を眺めてみるのが良さそうです。

なお,Unity 5.0世代のNautilusはLauncherに登録したアイコンの右クリックメニューからブックマークにアクセスできるようになります。これまでgnome-screenshot以外は使いでのなかったLauncherの右クリックメニューが,いよいよ12.04から本格的に利用できるものになりそうです。

Xパッケージのアップデート

Precise環境に,新しいX関連のパッケージを投入する準備が行われています(まだPPAでのテスト段階で,通常のリポジトリに落ちてくるまではまだ時間があります)⁠比較的大きな変化となるため,ドライバABIの破壊や動作不調などによるトラブルが発生する可能性があります。

Preciseの開発はここからが本番です注1)⁠Alpha/Beta環境を維持している場合はアップデート後のクラッシュやABI非互換・挙動の変化があっても泣かないように,適切にバックアップを取りつつ環境を更新するようにしましょう。

注1
Ubuntuの開発版は各種パッケージの更新の都合から,新バージョンが次々に投下される「Alpha終盤からベータまで」がもっとも危険です。この時期は十分にテストされていない(あるいはテストされていてもバグが見つからなかった)新バージョンのパッケージが投下されるため,アップデート一発でテストベッドが起動しなくなることもありえます。

Javaパッケージのpartnerリポジトリからの削除

以前にお伝えしたCanonicalのpartnerリポジトリにあるSun-Java6パッケージが,2月16日に削除されることになりました。

すでにダミーパッケージに差し替えられているため,実質的にはpartnerリポジトリからのインストールは不可能になっていますが,⁠OpenJDKでない)純正のSun Javaパッケージが必要な環境,特にAndroidの開発環境などでは対応に注意してください。

Adobe Readerのremix用リポジトリからの削除(Japanese Remix限定)

Japanese Remixのリポジトリで提供していたAdobe Reader日本語版パッケージは,Canonicalのpartnerリポジトリから提供されるようになったため,削除を行いました。以降はCanonicalのpartnerリポジトリから入手してください。

LucidとMaverickのFirefox(ラピッドリリース)のテスト

10.04・10.10用のFirefox提供のためのテスト要請が行われています。致命的な問題が見つからない限り,10.04・10.10には近日中にラピッドリリース版Firefoxが提供される予定です注2)⁠

注2
1月17日からの予定でしたが,1月19日現在まだ提供が開始されていません。提供状況は,LP#904594で確認できます。

Ubuntu User Days

Ubuntu User Daysが開催され,ログを参照できるようになっています。講義のタイトルとログへのリンクは次の通りです。

UWN#248

Ubuntu Weekly Newsletter #248がリリースされています。

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-1323-1:Linux kernelのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-January/001545.html
  • Ubuntu 8.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2011-1162, CVE-2011-2203, CVE-2011-3359, CVE-2011-4110を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
usn-1325-1:Linux kernel (OMAP4)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-January/001546.html
  • Ubuntu 10.10用のOMAP4カーネルのアップデータがリリースされています。CVE-2011-1162, CVE-2011-2203, CVE-2011-3353, CVE-2011-3359, CVE-2011-4110を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
usn-1324-1:Linux kernel (EC2)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-January/001547.html
  • Ubuntu 10.04 LTS用のEC2カーネルのアップデータがリリースされています。CVE-2011-2203, CVE-2011-4110を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
  • 備考:備考:ABIの変更を伴いますので,カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるので,通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-1326-1:Novaのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-January/001548.html
  • Ubuntu 11.10用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-0030を修正します。
  • 認証されたユーザーによって,自身がメンバーでないテナントに対してもコマンドが発行できる問題がありました。これにより本来の制限を越えての利用・課金/アカウンティングの回避・クォータ制限の回避等が可能でした。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-1328-1:Linux kernel (Marvell DOVE)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-January/001549.html
  • Ubuntu 10.10用のMarvell DOVE用カーネルのアップデータがリリースされています。CVE-2011-2203, CVE-2011-4110を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
  • 備考:備考:ABIの変更を伴いますので,カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるので,通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-1329-1:Linux kernel (OMAP4)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-January/001550.html
  • Ubuntu 11.04用のOMAP4用カーネルのアップデータがリリースされています。CVE-2011-3353を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
usn-1330-1:Linux kernel (OMAP4)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-January/001551.html
  • Ubuntu 11.10用のOMAP4用カーネルのアップデータがリリースされています。CVE-2011-2203, CVE-2011-4077, CVE-2011-4110, CVE-2011-4132, CVE-2011-4330を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
usn-1332-1:Linux kernel (Maverick backport)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-January/001552.html
  • Ubuntu 10.04 LTS用の2.6.35カーネルのアップデータがリリースされています。
CVE-2011-1162, CVE-2011-2203, CVE-2011-4110
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
  • 備考:備考:ABIの変更を伴いますので,カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるので,通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-1333-1:Libavのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-January/001553.html
  • Ubuntu 11.10・11.04用のアップデータがリリースされています。CVE-2011-3504, CVE-2011-4351, CVE-2011-4352, CVE-2011-4353, CVE-2011-4364, CVE-2011-4579を修正します。
  • Matroskaファイル・QDM2ストリーム・VP3/VP5/VP6ストリーム・VMDファイル・SVQ1ストリームを開いた際,任意のコードを実行される恐れがありました。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。

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