Ubuntu Weekly Topics

2015年11月20日号 UDS(3)・Unity 8とMirとUbuntu Personalの投入時期・Ubuntu-Pi Flavour Maker・UWN#442

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UOS 15.11(3)

11月初旬にUbuntu Online Summit 15.11が開催され,16.04や「その先」に向けた新機能が議論されました。今回は「Convergence」を中心に,DesktopやTouchに関する話題を見ていきましょう。

  • supporting-legacy-applications-on-ubuntu-personalUbuntu Personal(Snappy Ubuntu CoreのDesktopバージョン)環境で,これまでのXベースのアプリケーションをうまく扱うにはどうすればいいだろう? そもそもこれまでの豊富な.debパッケージ群を捨てるのはナンセンスだし,これまでのソフトウェア資産を扱えないデスクトップ環境に魅力はない。こうした問題を解決するために,Snappy/Ubuntu Personal環境ではLibertineというサンドボックス環境を準備している。これを用いたUbuntu Personalのレガシーアプリケーション実行環境を検討しよう。
  • developer-desktop-plan-1604:16.04における,⁠開発者向け」デスクトップ環境について検討しよう。
  • convergence-qa「コンバージェンス」環境についての疑問点を整理しよう。Mir+Unity 8とUbuntu Personalはいつデフォルトにするべきだろうか? 16.04では不可能であることは分かっているが,では16.10でデフォルトにすることは可能だろうか?
  • ubuntu-pi-flavour-maker:Ubuntu Mate Teamが,⁠Raspberry Pi2用のUbuntu Mateイメージ」を簡単に生成するスクリプトを作成している。このスクリプトを進化させて,いろいろなフレーバーで「Raspberry Pi2用のイメージ」を作成できるようにして共有しよう。これによって,Ubuntu Core以外の環境もRPI2で簡単に利用できるようになるはずだ。

最大のポイントは,convergence-qaの議論において,⁠16.10でMir + Unity 8だけでなく,場合によってはUbuntu Personalもデフォルトにしたい」というやりとりが行われたことです。

この議論ではMirやUnity 8,Ubuntu Personalに関連するCanonicalの責任者達がほぼ全員出席しているのですが,⁠16.10でUnity 8はデフォルトにできそう?」というやりとりの後,誰からも明示的な否定は行われませんでした。少なくともUnity 8 + Mirは16.10でデフォルト環境になり,Xベースではないデスクトップ環境に変更されることになります。既存のXアプリケーションはMirのX互換機能で動作するでしょう。

また,現時点では16.04世代の開発進捗すら明確ではないのであまり意味のある仮定ではありませんが,開発が順調にいけば,16.10ではUbuntu Personalがデフォルト環境となる(=個人向け環境はすべてSnappyベースになり,.debパッケージではなくsnapパッケージを使った「aptやyumはもう古い」デスクトップがやってくる)可能性すらあります。16.10で間に合わないにせよ,17.04スコープであればUbuntu Personalが実用において十分な完成度になっている可能性は高く,Ubuntu PhoneとDesktopが統合される未来がすぐそこまで迫ってきています。

Snappy + LibertineによってLinuxデスクトップの常識が書き換わるか,Ubuntuが「デスクトップ環境を使うなら一番のお勧め」という立場から転げ落ちるか,大きなチャレンジが始まります。

UWN#442

Ubuntu Weekly Newsletter #442がリリースされています。

その他のニュース

  • 「linux-crashdumpパッケージをインストールした後,実際に使うためにはブートローダーのオプションを変更しないといけないけど,デフォルトで有効にするべきではないか?」という提案。この提案は受け入れられる方向にあるので,おそらくXenialでは「とりあえずカーネルクラッシュする不具合を踏んだらlinux-crashdumpパッケージをインストール」という対応ができるようになるでしょう。
  • Ubuntu Communityに対して行われた寄付の総額と,その使い道について
  • NanoPi2っていうボードを作ったのだけど,これにUbuntuを移植してみないかい?という問いかけがubuntu-devel-discussで行われています。NanoPi2は,Samsung S5P4418を搭載した「Raspberry Piっぽい」廉価なARMボードで,$32という価格にもかかわらず,Coretx A9 Quadcore + GbE + 1GBメモリを備え,コストパフォーマンスに優れているのが特徴です。RPI互換のピンヘッダも備えています。現時点ではDebian JessieとAndroidが動いているということで,冬休み等に挑戦してみると面白いかもしれません。
  • JujuのCharmstoreに存在する各種charmをコマンドラインから検索するプラグインと操作方法。
  • Ubuntu Phoneの次のアップデート,OTA-8の更新内容について
  • golangでJujuのコードを書く方法。

今週のセキュリティアップデート

usn-2807-1:Linux kernel (Wily HWE)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2015-November/003190.html
  • Ubuntu 14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2015-5307を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
  • 備考:ABIの変更を伴いますので,カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるため,通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-2809-1:LXDのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2015-November/003191.html
  • Ubuntu 15.10用のアップデータがリリースされています。LP#1515689を修正します。
  • LXDが起動時に作成するUnixソケットが,wrold writableになっていました。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-2810-1:Kerberosのセキュリティアップデート
usn-2811-1:strongSwanのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2015-November/003193.html
  • Ubuntu 15.10・15.04・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2015-8023を修正します。
  • eap-mschapv2認証を迂回することが可能でした。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-2812-1:libxml2のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2015-November/003194.html
  • Ubuntu 15.10・15.04・14.04 LTS・12.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2015-1819, CVE-2015-7941, CVE-2015-7942, CVE-2015-8035を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
usn-2813-1:LXCFSのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2015-November/003195.html
  • Ubuntu 15.10・15.04用のアップデータがリリースされています。CVE-2015-1342, CVE-2015-1344を修正します。
  • LXCFSのアクセス制御の一部が期待通りに機能していませんでした。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。

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