Ubuntu Weekly Topics

2016年6月10日号BoWでtmuxが動作可能に・Ubuntu OpenStack日本語サポートサービス・UWN#468

“Bash on Windows”の進捗

Bash on Windows(BoW。もしくはBash on Ubuntu on Windowsや、実行サブシステムの「WSL; Windows Subsystem for Linux」などとも呼ばれます)の開発が進められVTまわりの修正の結果、ついにtmuxが動作する状態になりました。

リリース時には荒削りでさまざまな問題を残していたBoWですが、端末ソフトウェアを含めた多くの修正が加えられた結果、現時点では「Ubuntuのターミナル環境」そのものがWindows上で動作する状態に到達しつつあります。BoWの正式版は、この夏のWindows 10の大型アップデート⁠Windows 10 Anniversary Update⁠で提供される予定です。

日本におけるUbuntu OpenStack

日本国内で(日本語で)Ubuntu上のOpenStackを扱いたい人にとって待望のサービスが開始されました。NECネッツエスアイがCanonicalとの提携のもと、Ubuntu OpenStack(Canonicalが提供するUbuntu向けOpenStack)とMaaS・Jujuの技術サポートを日本語で提供するサービスを開始することを日経ITProが報じています。現時点では一次情報が示されていないため、どのような規模のサービスになるかは不明ですが、⁠英語メインだと厳しい」⁠十分な日本語リソースの裏付けがほしい」といった場合にはその利用を検討してみても良さそうです。

UWN#468

Ubuntu Weekly Newsletter #468がリリースされています。

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-2989-1:Linux kernelのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2016-June/003446.html
  • Ubuntu ・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2015-4004, CVE-2016-2069, CVE-2016-2117, CVE-2016-2187, CVE-2016-3672, CVE-2016-3951, CVE-2016-3955, CVE-2016-4485, CVE-2016-4486, CVE-2016-4581を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
  • 備考:ABIの変更を伴いますので、カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるため、通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-2990-1:ImageMagickのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2016-June/003447.html
  • Ubuntu 16.04 LTS・15.10・14.04 LTS・12.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2016-3714, CVE-2016-3715, CVE-2016-3716, CVE-2016-3717, CVE-2016-3718, CVE-2016-5118を修正します。
  • ImageMagickによる外部コマンドを実行を抑制するアップデートです。ImageMagickの一部の機能に依存した環境では、このアップデータを適用した後に一部のふるまいを修正する必要があります。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-2991-1:nginxのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2016-June/003448.html
  • Ubuntu 16.04 LTS・15.10・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2016-4450を修正します。
  • request bodyを誤ってテンポラリファイルとして保存してしまうため、悪用することでDoSが可能でした。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-2992-1:Oxideのセキュリティアップデート
usn-2994-1:libxml2のセキュリティアップデート

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