Ubuntu Weekly Topics

2019年11月1日号 Focalの開発開始とPython 2関連の対応・WSLConfに関するアンケート

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Focalの開発開始とPython 2関連の対応

Ubuntu 20.04 LTSの開発作業が開始できる状態になった,というアナウンスが行われ20.04 LTSの開発がスタートしました。前回まだ確定とは言えないとお伝えしたコードネームも『Focal Fossa』⁠短縮表現は『focal⁠⁠)で確定したことになります。

LTSリリースとなるfocalでは『おそらく』19.10からそこまで大幅な変化は行われず,基本的にはブラッシュアップと,⁠LTSとしてリリースするためには今対処するしかない」問題を解決する方向で開発が行われることになるでしょう。

現時点で宣言されている作業としては,まずはPython 3.8・Perl 5.30への更新と,Debian側のPython2の削除の影響から生じる注1各種問題の解決がリストされています。特にPython2からの脱却については,2019年末にどう転んでもサポート終了する路線となっているため注2⁠,可能な限り影響を縮小した状態にする必要があります。

LTSを前提として「各種パッケージをできるだけ新しいメジャーリリースのものにする」という動きも行われており注3⁠,PostgreSQLを12.x系に更新する方向性も提案されている状態です。

まだ明確なマイルストーンは確定していないものの,現時点でのスケジュールとしては2020年4月23日がリリース日となる見込みです。

注1
Ubuntuのuniverseリポジトリを構成するパッケージは,Debianのパッケージを取り込み(sync⁠⁠,これをリビルドしたものが柱となっています。取り込みや差分の概要はLPの各リリースのページで確認できます。一方でuniverseには,Debianからの単純なコピーだけではなく「Ubuntuにしか存在しないパッケージ」や,⁠独自のパッチを含めたもの」も存在しています。そして,これらは時に,Debian由来のパッケージに依存していたりもします。Debian側で行われるPython 2依存からの脱却により大きくパッケージ構成が変化しているため,こうした「Ubuntuにしかない要素」と干渉していろいろな不具合を引き起こしたり,⁠UbuntuでだけPython 2に依存している」といった状況を発生させることになります。……で,少なくとも深刻な問題については,20.04のリリースまでには解決しよう,というのが今回の流れとなります。
注2
もちろん,Linuxディストリビューション側でPython 2の延命のための作業を行うことは可能なのですが,かなりのライブラリがEOLを宣言しており維持できる範囲は限定的です。
注3
LTSは無償でも5年,有償のESM(Extended Security Maintenance)がさらに5年のサポートを提供する形となります。そのため,サポートコストを現実的なものにするために,できるだけ最新のソフトウェアに切り替える圧力が働きます(古いリリースからスタートすると,本来サポートされるべき5年が経過する前にupstream側のリリースがEOLしてしまう,といった状態が発生することになります⁠⁠。

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-4165-1:Firefoxのセキュリティアップデート
usn-4166-1:PHPのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2019-October/005166.html
  • Ubuntu 19.10・19.04・18.04 LTS・16.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2019-11043を修正します。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。