Software Design編集部が注目するアプライアンスサーバ「OpenBlockS 600」

【Chapter 1】クラウドとの使い分けが鍵

今世間を席巻する語「クラウドコンピューティング」が、今後のIT ビジネスにとって非常に重要な位置を占めるであろうことは、誰の目から見ても明らかだ。とはいえ、顧客の要請や企業コンプライアンスの立場からデータ格納場所の不明瞭さが懸念となるケースや、運用を他社に完全に依存してしまう不安、また中小規模ではコスト増になってしまうケースも往々にして見られる。

一方、こうした部分をカバーする形で導入されるのが、アプライアンス機器によるサービス運用である。VPNやセキュリティ関連のクラウドサービスは数あるが、アプライアンス製品ならば、社内でデータや運用を管理でき、またランニングコストを気にすることなくサービスの運用が可能である。

そんな中、VPN や監視、セキュリティなどの各種ネットワークアプライアンスをスピーディに開発・運用できる管理ツール「アプリケーションマネージャ」を搭載したマイクロサーバー「OpenBlockS 600」がぷらっとホーム社より発表された。手のひらサイズと高い堅牢性を保ちつつ、メインメモリ1GB 搭載をはじめ、現在の企業ネットワーク環境に対応する大きなスペック向上を果たしている。今後は、こうしたアプライアンスによる安心かつ手離れのよいサービスと、クラウドやSaaS といったサービスとの効率のよい使い分けが、企業あるいは管理者のさまざまな課題を解決していくことになるだろう。

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【Chapter 2】手間をかけずにアプライアンス製品を新規開発できる!

死活監視、DHCP、フィルタリング... ネットワークに不可欠なサービスを安定稼働でこなす縁の下の力持ちが、アプライアンス(単機能サーバー機器)である。

汎用サーバーにアプリをインストールする場合と異なり、アプライアンスの堅牢性や手離れのよさは、ユーザー側のみならず、ベンダ側にも大きな恩恵をもたらす。とくに、ソフトウェアベンダが自社ソフトをアプライアンス製品化して販売すれば、顧客層拡大、サポート時の各種コスト軽減など、多くのメリットが期待できる。

ただ、通常よくアプライアンス製品開発の障害となるのは、開発コストの高さと面倒さである。ハードウェア開発、ソフトウェアの導入、筐体デザインやキッティング... 費用・リソース面で二の足を踏む企業も多い。

そこで登場するのが、ぷらっとホームのアプライアンス向け小型Linux サーバー、OpenBlockS 600 である。企業用途向けの高い堅牢性とメンテナンスフリー、そして8W という超低消費電力のこの製品だが、アプライアンスのベースハードウェアとしての真価は、仕様や周辺機器の情報、独自開発・維持される専用OS ソースコードや更新情報、さらに筐体や個装箱デザインのサポートなど、開発・販売に関わるトータルな環境が製品にひもづき提供される点にある。

通常のように、組込みパーツの選定調達やソフトウェア環境構築から開発する場合とは異なり、OpenBlockS 600を活用したアプライアンス製品の開発・販売は、非常にスムースかつ初期導入コストをかけずに実現が可能だ。

この最新モデルはギガビットイーサ×2 に600MHzプロセッサ、1Gバイトメモリを実装と、より広く活用可能。OpenBlockS 600で、あなたの企業に魅力的なラインナップを加えてはどうだろう。

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【Chapter 3】スパムフィルタを超小型サーバーで開発・運用しよう

現在の企業インフラでは、死活監視など低負荷なサービスのほか、グループウェアやスパムフィルタなどの高負荷なサービスも、堅牢柔軟な超小型サーバーで運用されるのをご存知だろうか?

小型コンピュータといえば、学習や趣味向けの「小型PC⁠⁠、というのはもう10年も前の話。今では、企業用途が想定された、小型PC ならぬ「小型サーバー」が、さまざまな場面で活躍している。

中でも「OpenBlockS」シリーズ(ぷらっとホーム)は、故障要因の徹底排除、専用オープンソースLinux、豊富なI/O といった「サーバークオリティ」で他と一線を画す企業向けLinux Box で、最新モデルOpenBlockS600 では更なるパフォーマンスアップが図られ、活用範囲が大きく拡がった。

極小の手のひらサイズながら、2000 年頃のIA サーバーと同等のスペックを持ち、600MHz CPU、1Gバイトメモリ、ギガイーサ×2、USB 2.0 × 3、RS232Cなどを搭載。特にネットワーク性能(下図参照)では、現在の一般的なIA サーバー(537.24 Mbps)とほぼ同等のスループット(521.75 Mbps)を実現し、冒頭のようなトラフィック処理性能を要するサービスへも活用可能となった。しかもOpenBlockS 600 なら、稼働時なんと約8W の省電力仕様と、ホコリや熱が気になる床下や配電盤の中でもOK の堅牢性、コンパイル済ソフトウェアを簡単ダウンロード・インストール・運用開始できるアプリケーションマネージャ機能といった大きな付加価値もある。

企業システム見直しの方法はクラウドや仮想化技術だけではない。小型サーバーでさまざまなサーバーを省スペース・メンテフリー化してしまおう。

スループット測定値

FTP通信をIPルーティングするローカルルータとした場合

  • OpenBlockS 600…521.75 Mbps
  • IAサーバー(クアッドXeon E5210, GbE)…537.24 Mbps
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【Chapter 4】今一度、冷静に「エコなサーバー」を考えてみる

いまや、省電力や環境負荷低減といったエコへの努力は、欠くべからざる条件となった感がある。以前は数ある選択肢の一つだった「省電力」サーバーも、今ではそんな「省電力へ配慮」が当たり前になりつつある。そうして昨年あたりのエコロジー熱が落ち着きつつある今、改めて「エコなシステム」について考えたい。

高処理能力ながら省電力消費なサーバーは多いが、結論から言うと、高処理能力な限り、それなりの電力消費は免れない。しかも監視や認証サービス、Web フロントエンドといった用途では、処理能力が大幅に余り、アイドル時に無駄な電力を浪費し続けてしまう。

要は、それぞれのサービス負荷に対し、必要かつ十分な処理能力を備えたハードウェアを採用すれば、電力の無駄は大幅に削減できるのである。つまり、今後のエコ化を推し進めるのは、⁠高処理能力で省電力」なサーバーだけではなく、⁠必要十分な処理能力で超低消費電力」なサーバー、つまり企業向け小型サーバーの存在だ。

代表的な製品では、Plat'Home の企業向け小型サーバー「OpenBlockS 600」がある。手のひらサイズながら600MHz CPU に1GB メモリ、1GbE を2 ポートと、Web フロントエンドや監視を十分にこなす処理能力を持ちつつも、消費電力はなんと8W。これは、200W 程度を消費する通常のIA サーバーの1/25 にあたる。

大企業や官公庁では、既に小型サーバーが甚大な導入メリットを実現している。今までシステム検討の視野に入れていなかった管理者も、今この時期だからこそ、小型サーバーでシステム運用を見直してみてはどうだろうか?
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【Chapter 5】デスクトップマシンだけが選択肢ではない! 開発から製品化の距離を縮める、小型サーバーのススメ

設置も運用も手間いらずの各種アプライアンス製品は、多忙で予算もないシステム管理者に人気のソリューション。しかし製品開発側にすれば、開発テストやハードウェア選定に筺体デザインと、製品化までには長く手間のかかる道程があるように思われる。

そこで紹介したいのが、OEM 採用に適した企業向け小型サーバである。近年では、高い処理性能を備えつつ弁当箱ほどのコンパクトさで、筺体色・ロゴタイプ・キッティング・個装箱などのカスタマイズといったOEM 向けサービスを利用可能な小型サーバ製品がよく活用されている。こうした小型サーバをアプライアンスのテスト開発用ハードウェアとして選択することで、開発後非常にスムースに製品化が可能となる。つまり、テストで使っていた小型サーバをそのままOEM ハードとして採用し、筺体や製品キッティングを自社オリジナルに変更するだけで、時間も手間もコストも節約しつつ、自社アプライアンスの製品化を実現できる。

こうした用途に用いられる小型サーバとしては、ぷらっとホームのOpenBlockS 600 がよく知られる。アプライアンス製品開発向けに、600 MHz CPU、1GBRAM、2 つのGb イーサを搭載。高い耐熱性にOEMサポートも備える、ロングセラーモデルの最新作だ。

新しいアプライアンス製品を開発するなら、こうした小型サーバも選択肢に入れておくべきだろう。製品化までの道程のスムースさに、きっと驚くはずだ。

【Chapter 6】不景気に強いシステムの作り方とは? 妥協のないハード選定で「本当の」導入効果を

経済低迷の中でも、システム運用管理・監視コストはなくならない。そのためIT 関連メディアでは、⁠オープンソースソフト」⁠以下OSS)とか「省電力サーバー」とかいった言葉が踊っている。

ただ、省電力サーバーにOSS を入れればコスト削減完了、と考えるのは安直だ。コンパイルの手間や、初期導入コストに対して節約できる電力コストが小さいなど、避けられない懸案はいくつかある。こんなときに強い存在感を放つ製品が、マイクロサーバー、つまり、いわゆるLinux Box や小型PC とは一線を画す、企業のシステム運用・管理用途を想定した超小型サーバーだ。

たとえば、多くの企業採用実績を持つ OpenBlockS600(ぷらっとホーム)は、なんと「手のひらサイズ」のコンパクトさながら600MHz CPU、1Gバイト RAM、CF スロット(1Gバイト CF 添付⁠⁠、GbE × 2などと充実の仕様を持ち、スリットや回転部品なしの高堅牢性とも相まって、機器監視や認証サーバー用途に大きな導入メリットを発揮する。また新機能「アプリケーションマネージャ」の活用で、搭載の無償OS へコンパイル済みの管理OSS 群を、GUI から手間なく設定・インストールできる。

これに約8W という超低消費電力も合わせると、電力費、設置スペース費、管理の人件費、初期導入コストに運用コストと、トータルなコスト削減になる。

不景気だからこそ、妥協なく答えを探せば、本当に最適なソリューションは見つかるはずだ。視野狭窄に陥らず情報収集にあたるのが、管理者にとり大きな意味を持ってくるだろう。

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取材協力:ぷらっとホーム⁠株⁠ 営業部
URL:http://www.plathome.co.jp/

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