AWS・Amazon Redshift Monthly Updates

#4Amazon Redshiftの無料トライアル開始!─FlyDataをはじめパートナーのサービスでも利用可能に

待望の無料トライアル

この連載でお伝えしているAmazon Redshiftの特徴は、旧来のデータウェアハウスに比べると遥かに導入が容易で、トライアルも簡単に始められるというものでした。ただ、それでも他のAWSサービスに比べると1時間あたりのコストが高額だと思われがちだったように思います。そのため実際に、たとえばエンジニアが個人で試してみたいと思っても、なかなか敷居が高いと思われていたようで、我々もそのような話を何回か聞いていました。

このたび2014年7月1日(US時間)にRedshiftチームが発表したのは、Redshiftのフリートライアルが可能になるというサービスです。それも、2ヵ月間無料でRedshiftが使えるという、なかなか太っ腹なものになっています。

我々としても、今まで試せていなかった方々が気軽にインスタンスを立ち上げることができるので、そもそもRedshiftがどういうものかを実際にご覧になる方々が増え、Redshiftの用途がより広がることを期待しています。

フリートライアルの詳細

Redshift無料トライアルの実際の条件は以下のようなものです。

  • dw2.large × 1インスタンス
  • 60日間
  • 各月1インスタンス×750時間分(複数インスタンスで立ち上げた場合はその分の時間が消費される)
※ただし、7月1日よりも前にRedshiftインスタンスを立ち上げたことのあるアカウントではトライアルできないようです。

無料トライアルにより、これまでRedshiftを試すことができなかった方々も、無料でお手軽にRedshiftを運用してみることが可能となります。

また同時に、Redshiftのバートナー企業が行っているサービスの無料トライアルもこちらにリスト化されています。筆者らの所属するFlyDataもこの一覧に入っていますので、この機会にぜひお試しください。

Redshiftのフリートライアルを開始するにあたっては、特別な申し込みなどは必要無く、今までフリートライアルを行っていないアカウントで Redshiftインスタンス (dw2.large) を立ち上げるだけで、自動的にそれがフリートライアル対応となるようです。このあたりは他のAWSサービスの無料利用枠と同じ仕組みになっています。

さて、このフリートライアルを使う方はRedshiftを初めてご経験される方が多いかと思いますので、どのようにすればインスタンスが立ち上げられるのかをステップバイステップで見ていこうと思います。

Redshift/無料トライアルの始め方

まずはRedshiftの無料トライアルページから⁠Start Free Trial⁠ボタンをクリックし、AWS Consoleへ行きます。

図1 AWS Console
図1 AWS Console

そこから"Launch Cluster"をクリックして新規のクラスタを立ち上げましょう。

立ち上げに際して、クラスタの詳細設定を入力し、⁠Continue⁠をクリックします。

図2 クラスタの基本設定画面
図2 AWSクラスタの基本設定画面

今回のAWSのキャンペーンではdw2.largeというインスタンス・タイプが2ヵ月間無料となります。クラスタサイズを上げたい場合は⁠Cluster Type⁠を変更し、ノード数を入力します。キャンペーン中は1ヵ月間に750時間の利用時間が与えられます。ノード数を増やした場合はその分だけ無料で利用可能な時間が減りますので、その点には注意が必要です。

図3 インスタンスタイプの選択
図3 インスタンスタイプの選択

図3の画面から引き続き必要な設定を行い⁠Continue⁠ボタンを押していくと、最終的に図4のような画面が表示されます。図4の赤で囲った部分に、今回の無料トライアルについて書いてあり、1ヵ月750時間を超えた利用時間についてはOn-Demandの金額でチャージされるということが書いてあります。

図4 無料トライアルについての注記
図4 無料トライアルについての注記

最後に⁠Launch Cluster⁠ボタンを押すと、クラスタが作成され始めます。

図5 クラスタが作成された
図5 クラスタが作成された

Redshiftの立ち上げ後の運用については以下の記事にまとめてありますので、ぜひご参照ください。

Amazon Redshiftではじめるビッグデータ処理入門
第3回 Amazon Redshiftを動かしてみよう

Redshiftパートナーのフリートライアルを選ぶ

今回、Redshiftのフリートライアルが可能になるのとあわせて、各パートナーもその対応を行っています。それぞれパートナーごとの特色があるとは思いますが、FlyDataのものを例に流れを説明していきたいと思います。

まずはAmazon Redshift Free Trialページにアクセスしてみましょう。Redshiftと並んでデータ統合パートナーのリンクが並んでいます。そこから今回は"FlyData"を選択してみます。

図6 Redshift Free Trialページ
図6 Redshift Free Trialページ

リンクの先には各社の詳細説明ページがあり、そこから無料登録への流れになっています。

図7 FlyDataによる無料トライアルの説明
図7 FlyDataによる無料トライアルの説明

FlyDataの場合は、RDSなどのMySQLデータベースからRedshiftへ継続的に同期を可能とする「FlyData Sync」を30日間無料で提供しています。

Amazon RedshiftやRedshiftパートナーのフリー・トライアルは、Redshiftを試したい方には良い機会ですので、ぜひご利用ください。

アジアパシフィックでのRedshift価格の値下げ

フリー・トライアルのアナウンスに加えて、AWSはRedshiftのアジア・パシフィックでの値下げを発表しました。

今回の発表により、Redshiftの価格が以前よりなんと25%以上値下げされたことになります。これによりRedshiftがさらに魅力的なプラットフォームになったといえます。

【参考】AWSブログ
【AWS発表】Amazon Redshiftの無料トライアルとアジアパシフィックでの値下げ

フリートライアル以外の新機能

今回の大きなニュース以外にも、Redshiftチームは常に機能のアップデートを行っています。直近では以下のような機能が追加されました。

4/18アップデート
COPYコマンドを追加:Amazon EMRからのデータコピー機能
WLM並行処理の上限向上
ECDHキーエクスチェンジプロトコルを追加
Release: Amazon Redshift on 2014-04-18
4/28アップデート
クラスターへのデフォルトディスク使用状況アラート機能を追加
Release: Amazon Redshift on 2014-04-28
5/06アップデート
UNLOADコマンドへ1ファイルへまとめるオプションを追加
REGEXP系関数を3つ追加
Release: Amazon Redshift on 2014-05-06
5/12アップデート
復元されたクラスタ向けパラメータグループとセキュリティグループの特定機能を追加
RestoreFromClusterSnapshot向け新リクエストパラメータを追加
Release: Amazon Redshift on 2014-05-12
5/28アップデート
COPYコマンドを追加:Amazon EMR bootstrap actionからのコピー
Release: Amazon Redshift on 2014-05-28
6/03アップデート
Redshiftクラスタのリネーム機能を追加
Release: Amazon Redshift on 2014-06-03
6/30アップデート
クロスリージョンにおけるコピー機能を追加
PERCENTILE_CONT and PERCENTILE_DISC関数を追加
GREATEST and LEAST関数を追加
Release: Amazon Redshift on 2014-06-30

ディスク容量のアラート追加は、Redshiftを実際に運用されている皆さんにはかなりありがたい機能ではないかと思います。引き続き、Redshiftへのアグレッシブな機能追加を今後もレポートしていきます。

Redshiftを使ってみるのにまたとない好機

今回も魅力的なキャンペーンやさまざまな新機能がアナウンスされることとなりました。特にRedshiftの無料トライアルを2ヵ月間も利用できるというのは、Redshiftの利用を検討していた方々にとって最適な機会となるのではないでしょうか。

あわせて、Redshiftへのデータ移行・データ統合を提供する各社サービスも無料でお試しできますので、この機会を利用して使ってみてはいかがでしょうか。

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