達人が語る,インフラエンジニアの心得
第1回 トラブルコールを楽しむのだ
はじめに
『インフラエンジニア』という表現は,筆者にはあまり馴染みがないのですが,ここでは運用を主とするサーバおよびネットワークエンジニアという前提で,「インフラエンジニアとは何か?」について語ってみたいと思います。
まずインフラエンジニア(違和感)のお仕事は,予測可能な,というか計画できるものと,(悪い意味で)予測はできるけど計画なんて立てられない,というものに分けることができます。
前者は,インストールだったりセットアップだったりゆとりのあるチューニングだったりするわけですが,後者はトラブル対応だったりゆとりのないチューニングだったりします。前者はまあSE的な要素もあるし,この場では期待されていないだろうなあ,と思うのではしょりますが…。
…何が言いたいかというと,この連載ではインフラエンジニア(違和感)の直面するトラブル対応について,具体例や心構えやメリット(?)やデメリット(??)について書いてみますのでどうぞよろしくお願いします。
自分の後に誰もいない?
トラブル対応の一番の特徴と言えば,いつ発生するかわからないところです。しいて言えば,わりと起きて欲しくない時を選んで発生しているような気もしますが。インフラエンジニア(違和感)が初期に乗り越えるべき壁の一つに,電話が鳴るのを怖れない,いや怖れてもいいけど挫けない,というものがあります。
所属しているのがでかい組織で,他にもたくさんエンジニアがいて,きちんとシフトも組まれていて,自分より詳しい人もたくさんいる,というまるで夢のような状況ならば,自分が休みのときに電話がかかってこないし,自分の後ろに誰もいない冷や汗出ちゃうようなことはありませんが,そもそもその場合は自分がそこにいなくてもいいんじゃない?的な,夢というよりむしろ悪夢じゃないそれ,という感じなので,そいういう場合は除きます。
自身のスキルがある程度以上になってくるとか,他に誰もいない,自分が一番最後の砦というような状況では,いつ何時電話でトラブルコールが来るかわかりません。慣れないうち(慣れるものじゃありませんが)は,この電話は正直あまり良いものではないというか,正直言って嫌なものです。
ああ,せっかく寝てたのに…とか,寝不足なのに…とか,久しぶりの飲み会なのに…とか,そんな状況は関係なく,というかそういう時をむしろ狙って電話はかかってきます。
でも,正直このトラブルコール,慣れれば慣れるものなんです。「そんなわけあるかー!!」という声も聞こえてきそうですが。日々の仕事でトラブル対応をこなしていると,原因の推測も速くなるし,どう対処していけばいいかのイメージもわきやすいし,そもそもそういうトラブルコールへの精神的な閾値が低くなります。
ピンチ=チャンスなり
もしいつまで経ってもトラブルコールに慣れない,鬱だ,という人がいたとしたら,その原因は主に2つあるのではないかと筆者は思います。
ひとつは,そもそも向いてないパターン。仕事に向いていないのか,運用に向いていないのか,いずれにしてもこのパターンは考えてもしょうがないので,さておいておくとします。
もうひとつは,自分で解決できないトラブルが多いパターン。この,自分で解決できないというのは,単に自身のスキルが足りていないのに何故かさまざまな理由で自分が一番最後の砦になっているようなケースもあれば,ハードウェア障害が多くてメーカに現調を頼むしかないケースもあります。
特に自分のスキルが足りていないのに,自分でなんとかしないといけないパターンというのは,「もし解決できなかったらどうしよう」というプレッシャーががっつりのしかかってきます。そして,こういうケースこそが,インフラエンジニア(違和感)の一番のチャンスの場だったりします。
トラブルほど成長のチャンスになるものはありません。この「トラブルこそチャンス」というトピックは,また別の回で取りあげたいと思いますが,いずれにしてもこの状況というのは,自分が成長さえすれば通過できるステージです。いつまでたってもトラブルコールが慣れない,不安に苛まれる,という場合にはとっととスキルを身につけて,トラブルへの対応力を上げてしまえば,そういう状況からはある程度解放されます。


