ニッポンのIaaSを牽引するIDCフロンティア

#1 進化を続けるIDCフロンティアのクラウドサービス

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CloudStackを利用したIaaSとして,大きな注目を集めているのがIDCフロンティアのクラウドサービスです。ただIaaSはサービスによって提供されている機能の差が大きく,実際に使うまでどういったことができるのかイメージしづらいことが多いでしょう。そこで,クラウドサービスを利用する際に気になるいくつかのポイントについて,IDCフロンティアのクラウドサービスがどのように対応しているかをチェックしていきます。

仮想マシンをインポートしてIDCフロンティアのクラウドサービスで実行

すでにIaaSを利用していて別のサービスに乗り換えたいと考えたとき,乗り換え先のサービスに仮想マシンを移行できるかどうかは気になるところでしょう。移行できない場合,OSや各種ミドルウェア,アプリケーションをインストールする必要があり,当然設定も最初から行わなければならないなど,大きな手間が発生してしまうためです。

しかしIDCフロンティアのクラウドサービスであれば,⁠OVA(Open Virtualization Appliance)形式」の仮想マシンイメージをインポートすることが可能です。このため,別のIaaSで作成した仮想マシンを簡単に取り込むことができます。

OVA形式とは,IT環境のシステム管理のための標準化作業を行っている「DMTF(Distributed Management Task Force)⁠によって策定されたもの。元となっているのは「OVF(Open Virtualization Format)⁠であり,この仕様に則って生成された複数のファイルをtar形式で1つにまとめたのがOVA形式です。IDCフロンティアのクラウドサービスでは,VMwareのOVAフォーマットをインポートすることが可能になっています。

さらにこのOVA形式を利用すれば,オンプレミスで運用している物理サーバや仮想サーバをクラウド上での運用に切り替えるといったことも可能です。仮想サーバであればOVA形式でイメージを出力するだけで,IDCフロンティアのクラウドサービスに移行することができます。物理であれば,⁠VMware vCenter Converter」などといったツールを利用してサーバを仮想化し,さらにOVA形式のファイルを生成します。その後,仮想サーバと同様にIDCフロンティアのクラウドサービスに取り込めば完了です。

オンプレミスのサーバをクラウドに移行するメリットとして,まず挙げられるのはサーバの設置スペースの削減,そして管理コストの低減でしょう。特にハードウェアに障害が発生した際の対応が不要になるメリットは大きいのではないでしょうか。また,ハードウェアの保守期限が切れたといった場合にもクラウドへの移行は有効です。同じハードウェアで運用を続ける場合は故障時のリスクがあるほか,サーバのリプレースには当然大きなコストが発生します。しかしIDCフロンティアのクラウドサービスに乗り換えれば,ハードウェア障害のリスクを回避することが可能になり,さらにサーバを新たに購入するコストも不要になるというわけです。

実際にOVA形式のファイルをインポートするには,まずインターネットに接続されたサーバにOVAファイルをアップロードしておきます。その上で管理ポータルの「リソース」タブ内にある「テンプレート」を選択し,⁠テンプレート追加」ボタンをクリックして仮想マシン名などを入力,さらにOVAファイルの場所をURLで指定します。

OVAファイルを取り込んでテンプレートを作成した後,そのテンプレートを指定して仮想マシンを作成すれば,元の仮想マシンをIDCフロンティアのクラウドサービスで再現することができます。具体的には,⁠リソース」タブの「仮想マシン」から「仮想マシン作成」ボタンをクリック。続けてテンプレートを選択する画面が表示されるので,⁠マイテンプレート」タブをクリックして,OVAファイルを取り込んで作成したテンプレートを指定すれば完了です。これで,OVA形式で出力した仮想マシンをIDCフロンティアのクラウドサービスで利用可能になります。

図1 実際にOVAファイルをインポートしているところ。手元のVMware環境の仮想マシンの移行にも利用できる

図1 実際にOVAファイルをインポートしているところ。手元のVMware環境の仮想マシンの移行にも利用できる

APIを利用したオートスケールアウトの実現

インターネット上で何らかのサービスを提供する際にIaaSを利用するメリットとして,スモールスタートが可能なこと,そしてスケールアウトが容易なことが挙げられます。特に不特定多数のユーザに向けて提供するサービスでは,事前にどの程度のユーザが利用するのかを想定するのは困難です。しかし自社環境で物理サーバを導入してサービスを提供する場合,無理矢理にでも見込みユーザ数を割り出し,必要なサーバリソースを想定しなければなりません。ユーザ数が想定したとおりであれば問題ありませんが,実際には想像していたよりも少なかった,あるいは多かったというケースは珍しくありません。一方IaaSであれば,ひとまず最小限のサーバを契約してサービス提供を開始し,必要に応じてサーバを増やしてスケールアウトするといった柔軟な運用が可能です。

IDCフロンティアのクラウドサービスでは,容易に仮想マシンを追加できるほか,ロードバランサーの機能が標準で提供されているため,スケールアウトによる負荷分散を簡単に実現できます。さらに注目したいのが,公開されているAPIを利用することによってスケールアウトを自動化することも可能なこと。たとえば突発的にアクセスが増加した場合でも,オートスケールアウトが実現できれば管理者の手間を大幅に軽減できます。

APIは仮想マシンやテンプレート,ボリュームの各種操作からロードバランサーを含めたネットワークの設定までが網羅されています。なお現状はベータサービスとしての提供であり,IDCフロンティアのクラウドサービスで構築した仮想マシンからAPIを利用する必要がありますが,正式サービスとして提供される際には外部からも利用可能になる予定です。

なおIDCフロンティアでは,Webサイト上にAPIを利用するためのドキュメントを公開しています。APIのリファレンスやサンプルプログラムなども掲載されているので,ぜひチェックしてみましょう。

図2 IDCフロンティアのWebサイトで公開されている,APIを利用するためのドキュメント

図2 IDCフロンティアのWebサイトで公開されている,APIを利用するためのドキュメント

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