MRTGを使ったネットワーク監視技法

第3回 MRTGのインストール

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さて,いよいよMRTGの導入作業に移ります。今回は,まず,MRTGを使う上で必要な基本ツールのインストールについて解説します。

MRTGの導入

今回は,MRTGのインストールを行います。ベースとなるOSには,FreeBSD 7.1Rを使っています。FreeBSDではPortsからインストールする方法もありますが,ここでは標準で配布されているソース(tarball)からコンパイルしてインストール手順を示します。

先にGD Graphics Libraryをインストールする

MRTGが監視した結果は,グラフで表示されますが,その描画はGD Graphics Library(以下,GD)に委ねられています。またGDは,別のライブラリを必要とします。インストールはそれらの周辺ライブラリから先に行います。

MRTGのインストールに必要なプログラム群

以下に,必要なライブラリとそのインストール手順を示します。インストール手順は,MRTGのtarballに含まれているdoc/mrtg-unix-guide.txtを参考にしています。なお,インストールにはCコンパイラのほか,Perlも必要になりますが,これらはすでにインストール済みとして話をすすめます。

 MRTGインストールに必要なものと入手先※バージョンは2009年2月5日時点のもの

zlibzlib-1.2.3.tar.gzhttp://zlib.net/
libpnglibpng-1.2.34.tar.gzhttp://www.libpng.org/pub/png/libpng.html
GDgd-2.0.35.tar.gzhttp://www.libgd.org/releases/
MRTGmrtg-2.16.2.tar.gzhttp://oss.oetiker.ch/mrtg/

ここでは,各tarballの保存パスと展開用のワークパスを以下のようにしています。ご自分の環境に合わせて変更してインストールを進めていってください。

  • 保存領域パス:/usr/local/src/archive
  • 作業領域パス:/usr/local/src/work

MRTGのインストールを始める

ワークパスに移動

% cd /usr/local/src/work

zlibのコンパイル。インストールは不要

% tar zxvfp ../archive/zlib-1.2.3.tar.gz
% mv zlib-1.2.3 zlib
% cd zlib
% ./configure
% make
% cd ..

libpngのコンパイル。インストールは不要

% tar zxvfp ../archive/libpng-1.2.34.tar.gz
% mv libpng-1.2.34 libpng
% cd libpng
% vi make.sh

(以下,make.shのソース)
make -f scripts/makefile.std \
	CC=gcc ZLIBLIB=../zlib \
	ZLIBINC=../zlib
% sh make.sh
% cd ..

GDのコンパイル。インストールは不要

% tar zxvfp ../archive/gd-2.0.35.tar.gz
% mv gd-2.0.35 gd
% cd gd
% vi configure.sh

(以下,configure.shのソース)
env CPPFLAGS="-I../zlib -I../libpng"
env LDFLAGS="-L../zlib -L../libpng"
./configure \
	--disable-shared \
	--without-freetype \
	--without-jpeg
% sh configure.sh
% make
% cd ..

MRTGのインストール

%tar zxvfp ../archive/mrtg-2.16.2.tar.gz
% cd mrtg-2.16.2
% vi configure.sh
(以下,configure.shのソース)
./configure \
        --with-gd-inc=../gd \
        --with-gd-lib=../gd/.libs \
        --with-z=../zlib \
        --with-png=../libpng
% sh configure.sh
% make
% sudo make install

以上でMRTGのインストールは完了です。この手順により,以下のパスにファイルがインストールされました。

% ls -F /usr/local/mrtg-2
bin/   lib/   share/

これらは,MRTGの実行に必要なプログラムと,実行に必要なパラメータの作成支援プログラムになります。

この後の作業は?

今回の作業でMRTGの実行プログラムのインストールは完了しましたが,この後に以下の2つの作業が必要になります。

  • MRTGで監視される機器の設定
  • その機器に合わせたパラメータの設定

これらについては,次回以降に行います。

次回は

次回は,まずMRTGで監視される機器の設定を取り上げます。ところで,MRTGが監視できる機器は,SNMP(Simple Name Management Protocol)が使えることが基本になっています。しかし,最近の家庭用ルータはSNMPが実装されていないので,MRTGで監視することができません。そこで次回はUNIXサーバにSNMPを実装する手順を示します。このUNIXサーバを監視対象機器にしてMRTGの学習を進めていきます。

著者プロフィール

田村吉章(たむらよしあき)

1962年群馬県生まれ。東京理科大学理工学部数学科卒。専門は数値解析。85年から金融機関に勤務。システム開発部門,有価証券のリスク管理部門を経た後,システム監査に従事。公認情報システム監査人(CISA)。主な業務に社内ネットワークの企画・構築の他,有価証券のプライスモデルの実装やValue at Risk(VaR)算出などを行う市場リスク管理システムの構築などがある。

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