使える!サーバ運用の実践テクニック

第7回 [基礎知識編 2]エンジニアに必要な「数字」

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

今回はインフラ/サーバエンジニア向けに,数字に関する最初の一歩,コストに関する考え方について述べたいと思います。

数字関係とかコストなどと言うと,経営関係に近い感じや,難しそうな簿記とか,決算など収支に関する書類を思い浮かべるかもしれません。これらを理解すること自体はそれほど難易度の高いことではない(かもしれない)ので,ぜひお時間を見つけて挑戦していただきたいと思いますが,普段の仕事の中でも考え方次第で数字に絡める事ができる事もあります。まずはそういう考え方をする事に慣れておければ,応用次第では昨今の情勢などへの展開が柔軟に対応でき,エンジニアとしての幅を広げる事ができるかもしれません。

今回は,インフラ,サーバエンジニアの親しみやすそうな所として,データセンターに関連しそうな事柄を例に取り,積極的に数字に親しみが持てたらと思います。

コストの発生する場所を考えてみる。

サービスの妥当性を考えるときは,自社が契約する部分の外側にどれくらいのコストがかかっているのか正確でなくても理解するクセをつけておく事が望ましいでしょう。さて,データセンター関連でコストが発生しそうな場所は,次の表のようになります。

エンドユーザ
サービスに対してお金を支払う。

 センターフロアラックファシリティ
(回線,電源など)
サーバ
(ミドルウェア,サービスアプリなど)
サービス
内容
人件費センター維持に関する要員管理,監視等の付加サービスに対応した要員維持,管理,場合に寄っては工事要員パッケージ開発,保守要員等 サービスシステム開発に関する要員
発生するコスト資産関連(固定資産管理,維持に関するコスト)⁠サービス維持に関するコスト(センター内従業員(監視要員など)⁠保守料金などがあれば回線利用料,電源工事,供給契約,利用料金などイニシャル,ランイング
保守,監視など
開発費用,商材等の仕入れや在庫など
主に負担する者データセンター事業者サービス提供事業者サービス提供事業者またはデータセンター事業者サービス提供事業者ユーザ

データセンター事業者はこれらを包括してメニュー等を生成し,ユーザー側と契約します。
また,利用形態がハウジング等であれば,ユーザー側はサーバ等の機器調達費用等も発生します。

データセンター,フロア,ラック等の料金

ハウジングのようなサーバ機器を持ち込む形態を取る場合,データセンターに対して,ラックと電源,外部ネットワーク等の調達を期待します。

金額に関しては,筆者の知る限り指標となる相場的な情報があまりなく,金額も相当ばらけているように感じます。これは立地条件や,担保する瑕疵の内容,その他付加価値などに左右される部分もあるようです。たとえば,ラックと電源の単位で契約を行っている場合,自社のサービスを担保しつつ契約する部分を縮小していけるかがポイントとなります。

また,電気料金に関しては,ラック等の基本契約に含まれたり,従量課金制だったり,あらかじめ決められた容量が提供されていて,それを超える場合は応相談など,さまざまな形態があるように思います。これらは,自宅向けでも構いませんので電気料金の計算に当てはめて比較してみればだいたいの目安がつきます。

一般的な家庭の電気料金の月額は,⁠おおよそ)以下の式で計算する事ができます。

  • 消費電力(kW)×24(時間)×31(日)×単価

単価に関しては,ご自宅にて契約している電気事業者からの情報を参考にしてみてください。

データセンター等にてサーバを稼動させる時も,基本的にはこの考え方と同じです(ただし,契約するデータセンターは事業用電力の括りになることもあるため,一般向けとは異なり安定供給等が約束される代わりに単価が大きく変動する場合もあります)⁠

さて,上記の公式にあてはめると,たとえば500Wの電源を搭載したサーバの電気料金(W単価)が15円だった場合,1ヵ月の電気代は次のようになります。

  • 0.5×24×31×15=5,580円

あくまでも常に電源の容量を上限一杯まで使い続けた場合ですが,仮に上記の金額で1ラック(42U)に1Uのサーバを42台詰め込んでみた場合,電気利用料金だけでも

  • 5580×42=234,360円

となります。皆様も自宅でサーバ等を開設した際に「なんだか電気料金が上がった」などというご経験があるかと思いますが,正にその通りで,電気利用料金というのは侮れないコストということになります。

実際には1ラック(42U)すべてに機器が搭載できない場合もあります。冷却効率,ラック据え付け電源の容量等を確認し,おおよそ全体でどの程度の電力供給能力があるかは契約前にチェックしなければ,後々ラック自体に空きがあっても電源の関係上機器を搭載する事ができなくなる事があります。

また,これまでであれば,データセンターにラックと電源を確保しただけに過ぎないため,外部に接続するようなサービスであれば,ネットワーク等の契約が必要になります。これらもイニシャル(初期)とランニング(月次)費用を負担する必要があり,コストと言えるでしょう。

著者プロフィール

高岡将(たかおかすすむ)

大手金融,独立系SIerにて気がつけば計18年以上のキャリアを重ねる。バランス感覚に長け,インフラ/アプリ,プレイヤ/マネージャなど関係なくこなし,「いそうだけどいないタイプ」と評価される。

仕事以外では,自転車,ジョギング,サックス等を趣味にし,密かに「エンジニアと健康」についてダイエット成功論の連載を企む。

コメント

コメントの記入