Ubuntu Weekly Recipe

第38回 ターミナルソフトウェアにこだわる(2)

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mlterm

Ubuntuの標準環境ではgnome-terminalが標準のターミナルソフトウェアとなっていますが,gnome-terminalには次のような問題があります。

一部のいわゆる全角文字の幅が適正でない問題は設定によって回避することができますがEUC-JPを指定して起動させることは現状では困難です注3)⁠

用途にもよりますが,ターミナル内で日本語を積極的に利用するような場合(あるいはEUC-JP環境が存在している場合)⁠異なるターミナルソフトウェアを利用する方が良いでしょう。

注3)
gnome-terminal上で[端末]⁠⁠文字コードの設定]⁠⁠追加と削除...]⁠バージョンによっては[Add or Remove...]⁠から文字コード設定を開き,EUC-JPを登録しておけばEUC-JPを適正に表示することができます。しかし,環境変数などで文字コードを指定していても,バグによって起動時に自動反映されないため(本来であればLANG等の環境変数を読み取り,自動的に適切な文字コードにならなければいけません)⁠起動後に毎回[端末]⁠⁠文字コードの設定]⁠⁠EUC-JP]と選択する必要があります図4)⁠

図4 EUC-JPの設定

図4 EUC-JPの設定

こうした問題を回避する場合,異なるターミナルソフトウェアを使う必要があります。これまでに紹介してきたTerminatorなどは独自の特徴のあるソフトウェアでしたので,単純にgnome-terminalの置き換えとして利用することは難しいでしょう注4)⁠

注4)
さらに,ウインドウを分割するTerminatorについてはgnome-terminalと同じモジュールを利用しており,各種の問題はそのまま再現します。

gnome-terminalでは不足な場合(あるいは動作が気にいらない場合)⁠mltermの利用を検討すると良いでしょう。mlterm(Multi Lingual TERMinal)は多言語に対応したターミナルソフトウェアで,gnome-terminal以上に軽快に動作します。

mltermを試すには次のようにインストールを行います(あるいはSynapticで同じパッケージをインストールしてください)⁠なお,scimを利用しない場合はmlterm-im-scimパッケージをインストールする必要はありません。

$ sudo apt-get install mlterm mlterm-tools mlterm-im-scim

mltermを起動すると,図5のような画面になるはずです。

図5 mlterm

図5 mlterm

標準ではインプットメソッドとしてXIMを利用するようになっていますので,⁠Ctrl]+マウス右クリックを行い,設定画面図6を表示させ,scimを利用する設定にしておくと良いでしょう。また,スクロールバーが左側にあることに違和感を感じる方は,⁠スクロールバー」タブで設定を変更することができますし,色の設定を行うこともできます。

なお,この設定画面はmlterm-toolsパッケージをインストールしていなければ利用できません。

図6 mltermの設定画面

図6 mltermの設定画面

mltermではフォントを変更したい場合,gnome-terminalのような形では行えません。設定ファイルを適宜記述する必要があります。設定ファイルは~/.mlterm/font(非アンチエイリアス状態で利用する場合)や~/.mlterm/aafont(アンチエイリアスを仕様する場合)ですので,これらの設定ファイルで検索してみることで設定が分かるはずです。

mltermを利用する場合,前述のgnome-terminalで一部の全角文字の表示幅がおかしい問題と同じような現象に遭遇するはずです(おそらく「■」などが妙に小さく表示されるはずです)⁠~/.mlterm/mainに以下の設定を行うことで,この問題を回避することができます。

リスト2

col_size_of_width_a = 2

mltermにはタブはありませんが,代わりに[Ctrl]+[F2]を押すことでptyを増やすことができます(押すたびに増えていきます)⁠pty同士の行き来には[Ctrl]+[F3]「進む」⁠⁠Ctrl]+[F4]「戻る」ことが可能です。何枚もターミナルを立ち上げるよりも,ptyを増やした方が効率良く操作できるでしょう。

その他,mltermの操作については/usr/share/doc/mlterm/README.ja.gzかhttp://mlterm.sourceforge.net/README.jaを参照してください。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。