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第111回UbuntuからHDDレコーダを使いこなす(2)動画ファイルのダウンロード

第109回では、UbuntuをHDD&DVDレコーダRD-S502のDLNAクライアントとして使う方法を紹介しました。今回も、UbuntuからRD-S502を活用する方法を紹介します。

Wake On LAN

RD-S502は、マジックパケットに反応するので、wakeonlanコマンドで電源を入れられます。wakeonlanパッケージをインストールしていない場合は次のコマンドでインストールします。

$ sudo apt-get install wakeonlan

wakeonlanコマンドは、RD-S502のMACアドレスをつけて次のように使います。

$ wakeonlan 00:1C:7E:XX:XX:XX

マジックパケットを送ってから、ブラウザからのアクセスに反応するようになるまで30秒ほどの時間があるので、sleepコマンドを使って、次のように実行すると便利です。

$ wakeonlan 00:1C:7E:XX:XX:XX && sleep 35 && firefox 192.168.1.XX

ただし、電源投入の指令にいつでも反応するわけではなく、本体の表示窓に時刻とともに次のように表示され、バックグラウンドで処理を行っているときは反応しません。

□ 10:00

pingには反応しても、ブラウザからのアクセスに反応しない場合は、このようなバックグラウンド処理中なので、本体が置いてあるところまで行って、電源を投入しなければなりません。

Javaアプレット

ブラウザからアクセスできる画面では、Javaアプレットを使う機能がいくつかあります図1⁠。

これらを使うにはJava用のブラウザプラグインをインストールする必要がありますが、Ubuntuでインストールできるプラグインは2種類あります。

mainリポジトリのIcedTeaプラグインと、multiverseリポジトリのSun社製のプラグインです。

RD-S502と接続する場合にはSunのプラグインの方が安定している印象を受けます。しかし、筆者が必要とするのは「ネットdeリモコン」で電源を切ることだけなので、IcedTeaプラグインで十分です。

図1 Javaアプレットを使う機能の1つ「ネットdeリモコン」
図1 Javaアプレットを使う機能の1つ「ネットdeリモコン」

IcedTeaプラグインは次のコマンドでインストールします。

$ sudo apt-get install icedtea6-plugin

Sunのプラグインをインストールする場合は次のコマンドを使います。

$ sudo apt-get install sun-Java6-plugin

IcedTeaプラグインを使う際の注意として、ログインが成功していないように見えるという問題があります。

アプレットを起動したときに、ユーザ名とパスワードの入力を求められますが、正しいユーザ名とパスワードを入力しても、再び入力画面が出てきてしまいます。ログイン自体は成功しているので、2回目の入力画面では「キャンセル」をクリックすると、アプレットが使用できます。

録画ファイルのダウンロード

アナログ放送を録画したものをDLNAで配信可能な設定になっている場合、Ubuntuからwgetコマンドなどを使って簡単にダウンロードできます。そうすることで、Ubuntu側にテレビ録画のためのハードウェアやソフトウェアを用意しなくても、録画したファイルを入手できます。

そのために、まずファイル名の特定が必要ですが、第109回で紹介した要領で、TotemでRD-S502内のファイルを再生し、再生一覧を表示させます。再生しているファイルを右クリックし「場所のコピー」をクリックするとファイルのURLがコピーされます図2⁠。

図2 Totemを使えばファイルのURLを取得できる
図2 Totemを使えばファイルのURLを取得できる

ファイルのURLを取得するだけなら、upnp-inspectorを次のコマンドでインストールして使う方法もあります。

$ sudo apt-get install upnp-inspector

[アプリケーション]-[プログラミング]-[UPnP Inspector]から起動し、DLNAサーバの項目を右クリックして「browse MediaServer」を選択します。

サーバ内のファイルが表示されるので、URLを取得したいファイルを選択し、⁠DIDL-Lite:res」の項目を右クリックして「copy URL」を選択します図3⁠。

図3 UPnP Inspectorを使っても取得可能
図3 UPnP Inspectorを使っても取得可能

wgetコマンドとコピーしたURLを使って次のように実行すれば、録画したファイルをそのままダウンロードできます。

$ wget http://192.168.1.XX:20080/RD_00010025_000000XXXX_VRO.csi

中断したダウンロードを再開する場合には、⁠-c」オプションをつけます。すると、前回の続きからダウンロードできます。

このようにURLを取得できればダウンロードできるのですが、ネットワーク上のファイル再生に対応しているプレーヤであれば、ダウンロードしなくても、URLを入力してストリーミング視聴できます。DLNAクライアントの機能を持たないプレーヤでも、DLNAサーバに保存された映像が視聴できるわけです。

録画ファイルを携帯電話で持ち出す

動画ファイルをUbuntu上でau携帯電話向けに変換して持ち出す方法を紹介します[1]⁠。

Ubuntu上で変換すると言っても、Ubuntu 9.10のリポジトリにあるffmpegの関連パッケージでは、音声をAACでエンコードできません。そこで、Medibuntuからパッケージをインストールすることにします。

必要なパッケージは、以下の4つです。

Ubuntu 9.10 x86の場合は次のように実行してダウンロードします。

$ wget http://packages.medibuntu.org/pool/non-free/{\
f/ffmpeg-extra/libavcodec-extra-52_0.5+svn20090706-2ubuntu3+medibuntu1_i386.deb,\
f/ffmpeg-extra/libavfilter-extra-0_0.5+svn20090706-2ubuntu3+medibuntu1_i386.deb,\
a/amrwb/libamrwb3_7.0.0.3-0.0medibuntu1_i386.deb,\
a/amrnb/libamrnb3_7.0.0.2-0.1medibuntu1_i386.deb}

続いて次のコマンドでインストールします。

$ sudo apt-get install ffmpeg libavcodec-extra-52 libfaac0
$ sudo dpkg -i {libavcodec-extra-52,libavfilter-extra-0,libamrwb3,libamrnb3}*.deb

ffmpegコマンドは次のようにして、実行します。筆者所有のW56Tで再生を確認したものですが、au携帯電話はプラットフォームが共通化されているため、KCP+採用機種では問題なく再生できるでしょう。

$ ffmpeg -i INPUT_FILE -f ipod \
-vcodec libx264 -mbd 2 -s 320x240 -r 30000/1001 -b 600k \
-acodec libfaac -ac 2 -ab 128k -threads 0 OUTPUT_FILE

変換後のファイルは、microSDのルートからみて、⁠PRIVATE/AU_INOUT」に保存します。

保存したファイルは、携帯電話メニューの[microSDメニュー]-[PCフォルダ]に表示されます。

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