Sendaiはこれだった
Ubuntu Weekly Topics 2010年1月15日号にAraneoの後継としてSendaiというコードネームが言及されていましたが,これこそがPC-T1です。
正確にいうと後継ではなく別モデルだったのですが,専用のカーネルが用意されているのは事実で,“uname -a”を実行すると,以下のように表示されます(※1)。
Linux PC-T1 2.6.28-15-sendai #52fsl2sendai20-Ubuntu PREEMPT Mon May 24 07:09:20 UTC 2010 armv7l GNU/Linux
/usr/share/doc/linux-image-2.6.28-15-sendai/changelog.Debian.gzを読んでも,完全にAraneo(PC-Z1)とは別物であることがわかります。
- ※1
- まぎらわしいですが,ここのPC-T1はホスト名です。
PC-T1とは
多少順番が前後しましたが,PC-T1はシャープのモバイルインターネットツールであるNetWalkerの新モデルです。従来機のPC-Z1も併売されますが,全く異なる筐体に驚いた方も多いのではないでしょうか。
特徴は,なんといってもキーボードがないことです。キーボードと(おそらく)バッテリの容量が減ったことにより130グラムほど軽くなっているものの,ずっと持っていると疲れる程度の重さではあります。膝に置くのがいいでしょう。
キーボードがなくなったことにより,ソフトウェアキーボードであるSoftStylusが搭載されました。ただソフトウェアキーボードなだけではなく,手書き文字認識機能もあります。詳しくは後述します。
キーボードがなくなっただけではなく,ボタンも徹底的に少なくなり,たった2個になりました。向かって左側が左クリックで,右がポインタ兼右クリックです。カスタマイズは柔軟に行うことができますが,それでも一部アプリケーションに支障が出たりもします。この回避方法も後述します。
なお, 『Ubuntu Magazine Japan vol4』にも6ページのレビューを執筆させていただきましたので,よろしければこちらも合わせてご覧ください。内容はさほど重複していません(※2)。
- ※2
- 少なくとも本人はそのつもりです。
外観
端的にまとめると,PC-Z1での弱点が克服されています。
ディスプレイはPC-Z1と同じですが,筐体の幅は少々小さくなりました。ただし,正面についていたスピーカーは後ろに移動しましたが,このスピーカーを使う機会はそれほど多くないので問題ないでしょう。USBで電源供給ができるようになったのも大きなポイントで,miniUSB端子は下にあります。もちろんUSB接続のバッテリを使用することもできますが,メーカーは非推奨とのことです。
miniUSB端子の左横にはマイクとヘッドフォン端子がありますが,マイクを使うアプリケーションはインストールされていません。PC-Z1では本体下にあったmicroSDカードスロットは上になり,抜き差しがしやすくなりました。その横にはUSB端子もあり,モデムなどを接続する場合はこれを使うことになります。
地味に嬉しいのがストラップホールがついていることで,ひもやリストバンドのようなストラップを取りつけると落とすリスクを減らすことができます。あと,バッテリが着脱式になったのもポイントでしょう。Bluletoothが内蔵され,貴重なUSB端子を使わなくてもすむようにもなりました。
基本的なスペック
CPUやメモリや無線LANはPC-Z1と同じで,内蔵NANDメモリは8GBと倍増していますが,リカバリ領域や辞典も含まれるのでユーザが使える部分はそれほど増えていません。OSはやはりUbuntu 9.04で,あと半年もしないでサポートが切れてしまいます。アップグレードパスがあるのかどうか,気になるところです。
アプリケーションもPC-Z1とそれほど変わったところはなく,基本的には Ubuntu 9.04で,キーボードがなくなったことによりSoftStylusや設定ツールがいくつか追加されています。あと,PC-T1の特徴を最大限に活かせるXournal(※3)が追加されているのが,特徴といえばそうでしょうか。
- ※3
- 未だになんて読むのかわかりません。読み方をご存知の方はご一報いただければ幸いです。
SoftStylus
前述のとおりソフトウェアキーボードですが,これはなかなかいいできです。ソフトウェアキーボードだけに大きさも自由自在で,スタイラスでポチポチ入力する場合は小さく,両親指で入力する場合は大きく,手書きの方がいい場合は手書き認識にすることもできます。親指打ちする場合は(個人差もあるでしょうが)画面半分ぐらいの大きさにする必要がありますが,透過度を設定できるのでそれほど邪魔になりません。ただ,キーの配置は変更できないため,たとえばかな入力用のキーボードにしたりとか,親指シフト用のキーボードにしたりすることはできませんし,Aの左横にある半角/全角キーを別なところに移動することもできません。これはたまに誤って押してしまい,SCIMがオン/オフしてしまって悲しく思うこともままありますが,ハードウェアのキーボードよりはゆっくり入力するので,思ったよりも誤入力は多くないです。
起動は基本的にアイコンをクリックして行いますが,[システム]-[設定]-[クリックボタンの設定]を起動して[同時押し]の[長押し]の部分が割り当てなしになっているので,これを[キーボード表示]にしておくと便利です。
解像度的に全画面表示にすることが多いのですが,解除するのにEscなどキーボードからの入力が必要なアプリケーションがあっても,ここに割り当てておくとサクッとSoftStylusを起動してキーを押すことができます。

