Ubuntu Weekly Recipe

第131回 ファイルマネージャを使いこなす

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Midnight Commander

Midnight Commander(以下,mc)は,端末上で動作するテキストベースの二画面ファイラです。GNOME Commander同様,エディタやビューアの機能を内蔵しており,ファイラ上からファイルの閲覧や編集が可能になっています。また仮想ファイルシステムをサポートしており,tarやzipアーカイブを展開することなく,通常のディレクトリのように扱えます。Midnight Commanderもソフトウェアセンターからインストールが可能で,パッケージ名は「mc」です。

図12 Midnight Commanderもソフトウェアセンターからインストールできる。mcで検索してみよう

図12 Midnight Commanderもソフトウェアセンターからインストールできる。mcで検索してみよう

mcもGNOME Commander同様にファンクションキーを用いて操作を行いますが,Gnome端末を使用しているとファンクションキー入力が端末に横取りされてしまうことがあります。例えばmcの終了はF10ですが,F10を入力してもGnome端末のメニューが開いてしまう,などです。これを回避するには,Gnome端末の「編集」⁠->「キーボード・ショートカット」を開き,⁠メニューのショートカット・キーを有効にする」のチェックを外してください。またショートカットキー一覧の中で,ヘルプがF1キーに割り当てられていますが,これも無効にしておきましょう。これでF1キーでmcのヘルプを呼び出すことができるようになります。

図13 mcの基本画面。テキストベースではあるが,GNOME Commanderとほぼ同一である

図13 mcの基本画面。テキストベースではあるが,GNOME Commanderとほぼ同一である

図14 Gnome端末のショートカット設定を変更しておくと,ファンクションキーを使うアプリケーションを快適に使える

図14 Gnome端末のショートカット設定を変更しておくと,ファンクションキーを使うアプリケーションを快適に使える

図15 起動する内蔵ビューア。GNOME Commanderと異なり,こちらは日本語の表示が可能だ

図15 起動する内蔵ビューア。GNOME Commanderと異なり,こちらは日本語の表示が可能だ

ツリーモード

mcは通常の二画面モードの他に,ツリーモードを搭載しています。Windowsのエクスプローラのように,左側のペインにフォルダツリーを表示し,右側のペインにフォルダの内容を表示するというモードです。メニューの「Left」⁠->「ツリー」を選択すると注1)⁠左側のペインがツリー表示に変更されます注2)⁠元に戻すには「Left」⁠->「一覧方法」で表示スタイルを選択してください。

注1
端末のアプリですが,なんとマウスでメニューを選択することもできます。すごい!
注2
お気づきだとは思いますが,⁠Right」メニューから「ツリー」を選択すれば,右側のペインをツリー表示に使うことができます。

シェルモード

ファイラ操作中に,シェルを使いたいこともあるでしょう。GNOME Commander同様,最下行に一行のみのコマンドラインが用意されていますが,Ctrl+oでこれを全画面に広げることが可能です。この際のカレントフォルダは選択中のペインのフォルダになり,シェルの中でフォルダ移動するとファイラに復帰した際には移動後のフォルダがペインに表示されています。ファイラへの復帰はやはりCtrl+oです。

wdired

さあ,今週もみんな大好きEmacsの出番がやってまいりました。当然ですがEmacsにもファイラ機能が搭載されていて,dired(ダイアード,ディレクトリエディタなど)と呼ばれています。C-x C-fかC-x dでディレクトリを開けば,diredが起動します。

図16 Emacs上で動作するファイラ,dired

図16 Emacs上で動作するファイラ,dired

diredの基本

diredではファイルに「マーク」をつけ,マークのついたファイルに対して操作を適用するという方法をとります。例えばファイルを削除したい場合は,ファイルにカーソルを合わせてmキーかSpaceキーを押してマークをつけます注3)⁠その後Dキーで削除操作を適用して,実際の削除を行います。なおCキーだとコピー,Rキーだと移動(リネーム)が行えます。また,削除を行う場合に限り,dキーで削除用マークをつけてからxキーで削除操作を適用することもできます。

注3
マークをつけるのはmキー,マークを外すのはuキーで,Spaceはマークをトグルさせます。tキーを使うと,フォルダ全体に対してマークのトグルを行うことが可能です。

NautilusやWindowsのエクスプローラのように,Ctrl+クリックで複数のファイルを選択してドラッグ&ドロップする操作では,うっかりCtrlキーを離してクリックしてしまうと,最初から選択をやりなおさなければなりません。また,ドラッグ中にうっかりマウスボタンを離してしまうと,どこか知らないフォルダにファイルが移動してしまい,ファイルを見失ってしまうこともあります注4)⁠しかし,キーボードでマークをつけてコマンドを適用するdiredの操作では,そういったオペレーションミスがそもそも存在しません。

注4
筆者のMacBookはタッチパッドの調子が悪く,ドラッグ中にマウスボタンが離れてしまうことが多々あります。

ファイルのプレビュー機能

前述の他のファイラと同様,diredでもファイルをプレビューすることができます。dired上でファイルを選択してvキーを押してください。Emacsはテキストエディタですからテキストファイルはもちろんそのまま表示することができますし,驚くことにpngやjpegといった画像や,PDFファイルまでもEmacs上で開くことが可能です。プレビューを終了する場合はqキーを押してください。

図17 なんとEmacs上で画像ファイルをプレビューすることもできる。qキーを押せばdiredのバッファに戻れる

図17 なんとEmacs上で画像ファイルをプレビューすることもできる。qキーを押せばdiredのバッファに戻れる

リネームにEmacsのテキスト編集パワーを

diredをさらに便利に使うための拡張が,wdiredです。wdiredはemacs-goodies-elパッケージに収録されていますので,別途インストールしておきましょう。.emacsにはwdiredモードに入るキーを設定しておくと便利です。筆者はrキーを割り当てており,.emacsの記述は以下のようになっています。

(when (require 'wdired nil t)
  ;; rキーでwdiredモードに入る
  (define-key dired-mode-map "r" 'wdired-change-to-wdired-mode))

diredが起動している状態でrキーを押すと,wdiredモードに入ります。diredのバッファは通常リードオンリーですが,wdiredモードに入ることで,diredのバッファをテキストとして「編集」することができるようになります。バッファに表示されているファイル名をEmacs上で書き換えることで,実際のファイルのリネームを行うことができるのです。ファイル名の書き換えが完了したら,C-c C-cでrdiredモードを抜けるか,C-x C-sでバッファの保存を行えば,変更が反映されます。

Emacs上でテキスト編集ができるということは,ファイルのリネームに正規表現置換をはじめとしたEmacsの強力な編集能力を活用することができるということに他なりません。wdired上でのM-x replace-regexpやM-x query-replaceの便利さを,ぜひ体験してみてください。

著者プロフィール

水野源(みずのはじめ)

Ubuntu Japanese Teamメンバー。理想のフリーデスクトップ環境を求めて東へ西へ……のはずが,気がついたら北の大地で就職していたインフラ寄りのエンジニア。株式会社インフィニットループ所属。

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