Ubuntu Weekly Recipe

第144回 UbuntuでOpen Sound Systemを使う

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アプリケーションとOpen Sound System

一部のアプリケーションでは,サウンド再生のためのバックエンドを指定できます。こうしたアプリケーションでは,バックエンドとしてOpen Sound Systemを指定することで問題なく使えます。また,PulseAudioの設定が完了していれば,PulseAudioをバックエンドとするGstreamerアプリケーション(RhythmboxやTotem動画プレイヤー,PiTiViなど)やSkypeなども使うことができます。

図6 Audaciousの設定画面。さまざまなバックエンドに切り替えられ,Open Sound Systemも利用可能

図6 Audaciousの設定画面。さまざまなバックエンドに切り替えられ,Open Sound Systemも利用可能

ALSAの利用が前提となるアプリケーションは使えるのか,と不安になるかと思いますが,こうしたものも利用が可能です。本連載の第137回で少し解説しましたが,ALSAサブシステムは標準入出力先としてサウンドデバイスではなくPulseAudioを指定しており,事実上PulseAudioに対応した状態となっています注7)⁠

図7 サウンドの設定のアプリケーションタブ

図7 サウンドの設定のアプリケーションタブ

ここではTotem動画プレイヤーとRhythmbox,ALSA pluginによるALSAの音声がPulseAudioに出力されています。本連載の第137回ではnpviewer.binをAdobe Flash Pluginのラッパーとして使うと説明しましたがこれはamd64版Ubuntuの場合で,i686版ではラッパーを使わずにplugin-containerがALSAへ出力します。

注7
例外として,アプリケーションでALSAサブシステムの出力先を「default」「pulse」とできず,⁠hw:0.0」といったALSAカーネルモジュールの構成するデバイスノードを直接指定してアクセスするものは使うことができません。

Open Sound Systemのミキサー ossxmix

パッケージ「oss4-gtk」をインストールすると,Open Sound Systemバージョン4のサウンドミキサを使うことができます。端末でコマンド「ossxmix」を実行するとミキサーGUIが起動するほか,パネルにアプレットが表示されます。

図8 ossxmixの画面。この場合は,AudaciousとGTickとPulseAudioの出力がミックスされている

図8 ossxmixの画面。この場合は,AudaciousとGTickとPulseAudioの出力がミックスされています

図8では,Open Sound System用アプリケーションであるGTickとミュージックプレーヤーAudacious,そしてPulseAudioからの入力が表示されています。vmix0フィールドでそれぞれのストリームの音量を調整できるほか,volやpcmで全体のボリュームを調整できます。

Open Sound SystemはUbuntuにおいてはもはや主流ではありませんが,昔一世を風靡したLynx Studioのサウンドデバイスをフルサポートするなど注8)⁠ALSAにはない特色があります。本連載の第137回で紹介したALSAやPulseAudioのOpen Sound Systemエミュレーションモジュールも合わせ,UbuntuでOpen Sound Systemを使いたい冒険者の手助けとなれば幸いです。

注8
ところが,Ubuntuのリポジトリからインストールできるパッケージには,カーネルモジュール「lynxone」「lynxtwo」が含まれていないため,公式ウェブサイトからソースをダウンロードしてくる必要があります。プロプライエタリ時代に開発されたモジュールだからと思われます。

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。