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第150回 MIDIとUbuntuの素敵な出会い(2)ソフトウェアシンセサイザで演奏してみる

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ここで,冒頭に紹介した2つのデバイス,Roland/Edirol PCR-M30とCreative EMU 0404 USBが開いているポートを,このAconnectguiで確認してみます。USBで接続したPCR-M30は,デバイスからの出力ポートとして「PCR MIDI」「PCR 1」そして「PCR 2」を,デバイスへの入力ポートとして「PCR MIDI」「PCR 1」を開きます。筆者が確認した限りでは,鍵盤やボタンを押した時の信号はすべて「PCR 1」から出力されていました。

図4 Aconnectguiの画面。PCR-M30がポートを開いているのがわかる

図4 Aconnectguiの画面。PCR-M30がポートを開いているのがわかる

次にEMU 0404 USBです。入出力ポートを一組開いているのがわかります。デバイスのMIDIジャックにMIDIコントローラを接続して信号を発生すると,ここに表示されているポートから出力されるという仕組みです。

図5 Aconnectguiの画面。EMU 0404 USBのMIDI入出力ポートが見えている

図5 Aconnectguiの画面。EMU 0404 USBのMIDI入出力ポートが見えている

ソフトウェアMIDIコントローラの導入

MIDIコントローラとなりうるハードウェアがない場合,ソフトウェア的な入力デバイスを利用し,マウスや(PC用の)キーボードを用いて「演奏」することも可能です。

このためのソフトウェアはいくつかありますが,ここではまず,vkeybdとvmpkを導入してみます。Synapticパッケージマネジャーでパッケージ「vkeybd」「vmpk」をインストールしてください。すると,デスクトップのメニューに項目「Virtual MIDI Keyboard」か,⁠VMPK」が作られるので,クリックして起動します。

図6 vkeybdの画面。ツールバーの項目「View」でコントロールを表示した状態

図6 vkeybdの画面。ツールバーの項目「View」でコントロールを表示した状

図7 vmpkの画面。サウンドフォントを読み込ませ,外部からMIDI信号を入力することで単独で演奏することもできる

図7 vmpkの画面。サウンドフォントを読み込ませ,外部からMIDI信号を入力することで単独で演奏することもできる

どちらも,一般的な文字キーボードからの入力や,画面上のマウス操作でMIDI信号を発生する仕組みを備えているため,MIDIコントローラとなる鍵盤を購入しなくても,手軽にMIDI信号を発生させ,⁠演奏」することができます。例えばVMPKでキーボードのCキーを押すと,(C4)のMIDI信号(キーノート)を発生します。

図8 Aconnectguiの画面。vkeybdはMIDI入力ポートのみ,vmpkはMIDI入出力ポートを開く

図8 Aconnectguiの画面。vkeybdはMIDI入力ポートのみ,vmpkはMIDI入出力ポートを開く

ソフトウェアMIDIシーケンサの導入

MIDIシーケンサは,ファイルなどの形であらかじめ作られた一連のMIDI信号を読み込み,それに基づいてMIDI信号を発生させるソフトウェアです。事前に作成されたファイルに基づいて,自動的に「演奏」を行うもの,ということもできます。

ここではそのようなソフトウェアとしてAudaciousとRosegardenを紹介します。なお,ソフトウェアによってはAconnectguiに表示されないものもあり,そういう場合はソフトウェア内の設定で接続を行う必要があります。

Audaciousはプラグインで様々な拡張が可能な音楽プレイヤーで,MIDIファイル以外の再生も可能です。Synapticパッケージマネジャーなどでパッケージ名「audacious」をインストールすることで利用できます。プラグインパッケージである「audacious-plugins」を合わせてインストールすると,AMIDIプラグインを利用してMIDIファイルを扱うことができます。

プレイリストの作成など,Audaciousの音楽プレイヤーとしての機能をそのまま利用できるため,MIDIファイルをたくさん持っていて,ハードウェアMIDI音源を使いたい方にはおすすめです。なお,aconnectgui経由での設定はできないため,Audaciousのプラグイン設定画面で接続を行う必要があります。

図9 Audaciousの設定画面から,AMIDIプラグインのALSAバックエンド設定画面。接続する入力ポートを指定できます

図9 Audaciousの設定画面から,AMIDIプラグインのALSAバックエンド設定画面。接続する入力ポートを指定できます

Rosegardenはシーケンサ機能やデジタルレコーディング機能,プラグイン音源,プラグインエフェクトを備えたソフトウェアで,Linuxで利用できるDAW環境の一つです。パッケージ「rosegarden」をインストールすることで利用できます。DAWに慣れていない方にとっては設定など面倒かもしれませんが,音楽作成/編集目的ではかなり強力なソフトウェアの一つです。JACKサウンドサーバと併用するのが一般的ですが,MIDI信号源としてのみ利用することも可能です。ただしこの場合,JACK対応プラグインの大半が利用できなくなります。

図10 Rosegardenでピアノロールとトランスポートを表示した画面

図10 Rosegardenでピアノロールとトランスポートを表示した画面

図11 Aconnectguiでtimidity++とRosegarden,USB接続のPCR-M30を接続。出音はtimidity++のバックエンドに依存するため,ここからはコントロールできない

図11 Aconnectguiでtimidity++とRosegarden,USB接続のPCR-M30を接続。出音はtimidity++のバックエンドに依存するため,ここからはコントロールできない

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。