Ubuntu Weekly Recipe

第152回 パッケージをビルドしてみる

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

ソースコードからビルドできる場合

ソースコードから直接パッケージがビルドできることは,実のところほとんどありません。したがって,ここで紹介する方法はMozc専用だと思っていただいたほうがいいです。

Mozcはビルド方法が公開されているので,このとおりにやればいいのですが,アレンジを加えてみたいと思います。

まずは,ビルドに必要なパッケージをインストールします。

$ sudo apt-get install libibus-dev libcurl4-openssl-dev libssl-dev zlib1g-dev libdbus-1-dev libglib2.0-dev libprotobuf-dev protobuf-compiler libgtest-dev subversion libqt4-dev scim libscim-dev gyp

インストールするパッケージは若干減らしていますが,前ページの「準備」でいくつかのパッケージをインストールしてあるため,これで問題ありません。

それでは,Mozcのソースコードを取得し,ビルドしましょう。

$ mkdir mozc
$ cd mozc
$ svn co http://mozc.googlecode.com/svn/trunk/src 
$ cd src
$ dpkg-buildpackage -rfakeroot -uc -b

オフィシャルのビルド方法とは異なり, packageフォルダ以下で行っているのでこうなります※4)⁠ソースコードの取得には少々時間がかかります。ビルドのコマンドも変更していますが,これは統一感を出すためにこうしたのであり,オフィシャルのビルド方法と同じでも構いません。

あとはインストールするだけです。設定方法は,ここでは省略します。

$ cd ../
$ sudo dpkg -i ibus-mozc_*.deb mozc-server_*.deb mozc-utils-gui_*.deb
※4
オフィシャルのビルド方法は,ホームフォルダ直下にsrcフォルダを作成しています。

注意点

自前でビルドしたパッケージをインストールするのは,とてもリスクのあることです。依存関係の解決がうまくいかない場合は,再インストールが必要になることもあるでしょう。とはいえ,みんな環境を壊して成長していくものです。

一番問題が顕在化する可能性が高いのは,アップグレードの時です。まさにMozcで,Ubuntu10.04から10.10へのアップグレードで問題がありました。これも,自前ビルドないしどこかで入手したパッケージを使っていることによって起きた問題です※5)⁠こういったことは今後も考えられますので,このようなトラブルが起きても自力で解決できるスキルが必要とされます。逆にそこまでやる気がないのであれば,提供されているものをそのまま使うのがオススメです。でも,せっかくオープンソースなのですから,努力してみるのもいいでしょう。スキルは自分で身につけるしかありません。

作成されたパッケージはPPAで公開することもできますが※6)⁠パッケージングについて経験を積み,⁠キレイなパッケージ」を作成できるようになったという自信がつくまでは,公開は避けたほうがいいでしょう。パッケージに関して質問されて,答えられるスキルがあるかどうかというのが一つの試金石のような気はしますが,具体的にこうという線引きは,当然のことながらありません。

※5
Ubuntu Japanese Teamが提供するパッケージを使用している分には,特に問題ありませんでした。整合性を取るのは,とても難しいことなのです。
※6
ただし,今回はソースパッケージの作成方法を紹介していません。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

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