Ubuntu Weekly Recipe

第213回 Ubuntuを使ってUPnPとDLNAのネットワーキングを覗いてみる

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

MediaServerとMediaRenderer

UPnPの定めている様々なガイドラインの中でも広く使われているのが,AV Architectureに定められているMediaServerとMediaRendererです。簡単に機能を説明すると,映像・音声・画像ファイルに対して,MediaServerはそれらを出力する役割を,MediaRendererはそれらを受け取って再生する役割を果たします。この2者とControl Pointをセットにしてより詳細を定めたガイドラインがDLNAとなります。家電製品のうちDLNA対応をうたうものはこれら3者のいずれか,もしくは複数の機能を備えたものとなります。

MediaServer機能のオープンソースの実装例として代表的なものはMediaTombMiniDLNAでしょう。Ubuntuではどちらもパッケージで提供しているため,興味のあるかたはインストールしてみてください。なお,MediaRenderer機能のオープンソースの実装は,筆者は残念ながら知りません。

これらオープンソースの実装は,DRM付きコンテンツへは対応していません。これは,DRMは権利関係の課題を解決する必要がありオープンソースソフトウェアとは相容れないという事情があるからです。

GUPnPでは,⁠GUPnP AV Control Point」⁠gupnp-av-cp)というソフトウェアで,MediaServerの提供するファイル一覧や,MediaRendererの簡単な遠隔操作をする機能も提供しています。

図2 GUPnP AV Control Pointの画面

図2 GUPnP AV Control Pointの画面

WindowsとMedia Playerの場合

Microsoft社のWindowsはVista以降,このUPnPのMediaServer機能をオペレーティングシステムのいち機能として提供しています。Windowsの操作画面では「メディアストリーミング」と名付けている設定項目となります。

メディアストリーミングを使うには,現在参加しているネットワークに対して「ホームグループ」を作成します。⁠コントロールパネル」の項目「ネットワークの状態とタスクの表示」から,⁠ホームグループと共有に関するオプションの選択」とたどると,以下のウィンドウが表示されます。

図3 ホームグループの作成ウィンドウ

図3 ホームグループの作成ウィンドウ

ホームグループを作成したら,先ほどの「GUPnP Universal Control Point」のウィンドウを確認してみましょう。おそらく,Windowsマシンが出現したかと思います。これだけでUPnPノード間,あるいは同一のホームグループに属するWindows機同士でファイルを交換できるようになります。

図4 ⁠LAPTOP: windows」というのが今回ホームグループに参加させたWindowsマシン

図4 「LAPTOP: windows」というのが今回ホームグループに参加させたWindowsマシン

ファイルを再生するMediaRendererの機能は,Windows Media Playerのバージョン11以降が提供します。設定するには操作画面の「ストリーム(R)」という部分をクリックし,リモート制御を許可するように設定を変更してください。

図5 Windows Media Playerでリモート制御を許可する

図5 Windows Media Playerでリモート制御を許可する

設定を変更すると,⁠GUPnP AV Control Point」に表示されて操作可能となります。⁠GUPnP AV Control Point」にはバグがありって再生のアクションをうまく送ることができないようですが,再生を停止させたりボリュームを遠隔操作することは可能なので試してみてください。

動画プレイヤー(Totem)やRhythmboxの場合

Ubuntuに標準でインストールされているTotemや,12.04から再びデフォルトのメディアプレイヤーとなるRhythmboxですが,以前はプラグインをインストールすることでUPnPのノードと連携して動作することができました。しかし現在は,UPnP対応プラグインが古いためにできなくなりました注2)⁠UPnPのMediaServerを見つけることはできなくなりましたが,URIを指定することでストリーミングすることは可能です。現在これらプラグインはGNOMEプロジェクトのGriloを使って作りなおされている最中ですが,Ubuntuの次期リリースである12.04には間に合わないかもしれません。

注2
TotemのUPnPプラグインはパッケージ「totem-plugins-extra」によって提供されている。TotemのUPnP機能はこのパッケージに含まれる「coherence_upnp」というプラグインだが,python2.xを用いて書かれている。Ubuntuは12.04においてPython3を標準とすることを決めているため,このソフトウェアはビルド対象から外されたCoherence uPNP plugin missing in totem in Oneiric)⁠

Bansheeの場合

Ubuntu 11.10まではデフォルトのメディアプレイヤーであるBansheeには,UPnP対応のプラグインは提供されていないようです。

VLCメディアプレイヤーの場合

VLCメディアプレイヤーは様々な映像・音声コーデックに対応したプレイヤーで,愛用している方も多いと思います。VLCはデフォルトで,MediaServerからファイルを受け取って再生することができます。遠隔コントロールはできないため,MediaRenderer機能を備えているわけではありません。

「表示」メニューで「プレイリスト」を開き,⁠ローカルネットワーク」から「ユニバーサルプラグ&プレイ」を選択すると,現在ネットワーク上にあるMediaServerのファイルが一覧表示され,選択することで再生することができます。

図6 VLCの画面。MediaTombが提供するディレクトリが見えている

図6 VLCの画面。MediaTombが提供するディレクトリが見えている

TotemやRhythmboxが使えなくなった現在,おそらく唯一の選択肢になるかと思います。

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。

コメント

コメントの記入