Ubuntu Weekly Recipe

第237回 MIDI/オーディオシーケンサーソフトMusE2.0を使ってみる

この記事を読むのに必要な時間:およそ 4 分

今回はMusEという,マルチトラックなMIDI/オーディオシーケンサーソフトウェアに関するレシピをお届けします。

MusEとは

MusEは本連載の第169回第170回第176回第234回で扱ったArdourやRosegarden,QTractorと同じ目的を持ったソフトウェアです。2ヶ月前にメジャーバージョンアップである2.0がリリースされたばかりで,Ubuntuでは12.04からMusE 2.0のパッケージが利用できるようになりました。

インストールと開始

MusEをインストールするにはUbuntuソフトウェアセンターを使い,キーワード「muse」で検索してください。

図1 Ubuntuソフトウェアセンターでの検索結果

図1 Ubuntuソフトウェアセンターでの検索結果

MusEは音声入出力のルーティングをするために,UbuntuデフォルトのPulseAudioサウンドサーバーではなく,JACKサウンドサーバーを用います。そのため,Museを開始する前にあらかじめJACKサウンドサーバーを起動しておきます。本連載の第161回で扱ったqjackctlや第202回で扱ったgladishを使うとよいでしょう。

MusEにおけるトラックの扱い

MusEを起動して初めに目に入るのがArrangerビューです。MusEでのトラック操作はほとんどこのArrangerビューで行います。

図2 Arrangerビュー

図2 Arrangerビュー

MusEにおけるトラックは,ルーティング用の音声入力や出力,ソフトウェアシンセサイザープラグインといった,MIDIや音声データ以外も含む点が他のシーケンサーソフトウェアと異なります。

ここでは一例として,MIDIのパターンをソフトウェアシンセサイザーで音声に変換し,それをシステムの出力にルーティングしてみます。

MIDIトラックの追加とパターン入力

まずは,頻繁に利用するMIDIトラックを追加してみます。「Edit」メニューから「Add Track」,「Add MIDI Track」とたどってください。Arrangerビューの左側でマウスの右クリックメニューから選択しても構いません。選択すると,Arrangerビューにトラックが追加されているはずです。なおMusEでは,Arrangerビューの左側をトラックリストと呼んでいます。

図3 MIDIトラックを追加。ここでは「Track 1」として表示されている

図3 MIDIトラックを追加。ここでは「Track 1」として表示されている

次に,データを配置します。ウィンドウ上部のツールバーから鉛筆の形をしたアイコンを選択します。次に,Arrangerビュー右側でクリックアンドドラックし,データを配置します。なおMusEでは,この右側の部分をパーツキャンバス,配置するデータをパーツと呼んでいます。パーツキャンバス上でマウスの右クリックメニューから項目「pencil」を選択しても,鉛筆の形をしたアイコンを選択できます。

図4 パーツキャンバスの右クリックメニューから項目「pencil」を選択

図4 パーツキャンバスの右クリックメニューから項目「pencil」を選択

続けて,パーツにMIDIのパターンを入力します。ウィンドウ上部のツールバーから矢印の形をしたアイコンを選択するか,パーツキャンバスの右クリックメニューから「pointer」を選択します。そして先ほど配置したパーツをダブルクリックすることで,新しくピアノロールウィンドウが開きます。このピアノロールウィンドウ上部の鉛筆の形をしたアイコンを選択し,適当なパターンを入力してください。

図5 ピアノロールウィンドウでパターンを入力

図5 ピアノロールウィンドウでパターンを入力

パターンの入力が終わったら,Arrangerウィンドウに戻ってください。ウィンドウ上部のツールバーの三角のアイコンをクリックすると,再生を開始します。この時,「View」メニューから「Mixer A」を選択してミキサーウィンドウを開いておくと,メーターの動きからMIDI信号が発生を見ることができます。

図6 ミキサーウィンドウでMIDI信号の発生を確認

図6 ミキサーウィンドウでMIDI信号の発生を確認

MusEにはピアノロールウィンドウの他,スコアエディタもあります。また,MIDIトラックではなくDrumトラックを追加することで,ドラムパターンを効率良く扱うことができます。

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。

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