Ubuntu Weekly Recipe

第245回 Ubuntuで楽譜の作成と出力をする

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学校の音楽の時間,あるいは趣味など,ほとんどの方が一度は楽譜を見たことがあると思います。今回はこの楽譜をUbuntuで作成するレシピです。

楽譜作成ソフトウェアとは

楽譜に記述されているのは演奏情報なので,コンピューターを用いて記録し楽譜を出力することが可能ではないかというアイディアから生まれたのが,楽譜編集ソフトウェアです。

楽譜編集ソフトウェアが生まれる以前の楽譜は,人間が書いていました。作曲家が書いた手書きの楽譜を清書する作業を浄書(じょうしょ)と呼び,演奏者にとって見やすい楽譜を書くことは職人芸と言えました。職人芸をソフトウェアが再現することは簡単ではないようで,初期の段階の楽譜編集ソフトウェアは,人間にとって見やすい楽譜を出力するのがなかなか難しかったようです。

見やすく,そして美しい楽譜を出力したいというニーズを満たす楽譜編集ソフトウェアがLinuxにもあります。GNU lilypondです。

GNU lilypondとは?

GNU lilypondとは楽譜専用の組版ソフトウェアで,GNUプロジェクトの一部として開発されています。簡単に説明すると,特定のルールで記述されたテキストファイルをGNU lilypondで処理することで,PDFや印刷に適したデータに変換され,美しい楽譜となって出力されます。Texを知っている人であれば「楽譜専門のTexのようなもの」という説明がわかりやすいでしょう。

GNU lilypondを使うにはまず,Ubuntuソフトウェアセンターでlilypondを検索してソフトウェアをインストールしてください。

図1 Ubuntuソフトウェアセンターでlilypondを検索

図1 Ubuntuソフトウェアセンターでlilypondを検索

インストールを終えたところで,実際にデータを変換して楽譜を出力してみましょう。今回はパブリックドメインの楽譜ライブラリーであるMutopia Projectからダウンロードしたlilypondデータを利用します。

lilypondのデータはテキストファイルとなっています。試しに,ローカルに保存したファイルをgeditなどのエディターで開いてみてください。

図2 lilypondファイルの中身。いくつかのブロックから構成されているのがわかる

図2 lilypondファイルの中身。いくつかのブロックから構成されているのがわかる

このテキストファイルを変換して楽譜を出力するには,次のコマンドを実行します。ここでは,ローカルに保存したJ95000-YanresoHoi.lyからPDFを出力しています。

$ lilypond --pdf J95000-YanresoHoi.ly

J95000-YanresoHoi.pdfというファイルが生成されます。Evince PDFビューワで開いてみましょう。

図3 出力された楽譜

図3 出力された楽譜

テキストファイルから楽譜が生成されたことがわかります。

コマンドラインではなく画面を見ながら操作できるlilypond用エディターとして,frescobaldiというソフトウェアが開発されています。Frescobaldiはエディターウィンドウとビューワーウィンドウを持つため,lilypondのルールでテキストを書き,クリックひとつで楽譜を表示して確認するという使い方ができます。

図4 Frescobaldi

図4 Frescobaldi

このように,lilypondは非常に強力なソフトウェアですが,ルールを覚えてテキストファイルを書かなければならないため,学習コストが若干高めです。そこで,五線譜に音符を書いていく要領で画面操作をし,lilypondの元データを作成する楽譜編集ソフトウェアが開発されています。

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。

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