Ubuntu Weekly Recipe

第272回 GW特別企画・Ubuntuで一歩先行く執筆活動

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――とあるシェアハウスのリビングで,無精髭を生やした一人の男が,ワードプロセッサの画面を開き,神経質そうに画面を睨んでは眉毛をいじり,抜き,その抜けた毛を眺めては哀愁の念を漂わせている――

というのがよくありそうな小説執筆の姿ですが,Ubuntuを使うと,もっと人間的な執筆風景にすることができます。ということで,今回はUbuntuでの創作活動として「学園Ubuntuラブコメ うぶんちゅ!」でも取り上げられた「Ubuntuでの小説執筆」について注1取り上げて行こうと思います。

なお今回は「うぶんちゅ!」作中に登場した文芸部員達のアプローチとして,恩田兄弟のようにワードプロセッサを使うパターンと,京極かなめさんのようにテキストエディタを使うパターンと2つ紹介していこうと思います。

注1)
UbuntuMagazine Japan vol.9の第13回「伝統ある文芸部の分裂」を参照。

LibreOffice Writer編

その前にワードプロセッサのほうにどういった利点があるか挙げてみましょう。

ワードプロセッサだと原稿用紙に似たレイアウトにできたり,ルビや注釈を容易に入れることができ,たとえば次のような利点があります。

  • 原稿用紙の書式に変更できるので,自分がどれくらい書いたのかが把握しやすい。
  • 原稿用紙の設定にすることにより,賞などへの投稿で原稿用紙に限定されてる際などに印刷しての投稿もしやすい。
  • ルビや注釈を入れることができ,本文とは別に欄外にコメントを入れることができる。

今回はUbuntuをインストールした際に始めから入っているLibreOfficeのWriterを使用します。

まず200字詰めの原稿用紙の様なページ設定にしましょう注2)⁠

LibreOffice Writerを立ち上げたら,メニューバーから「書式(O)⁠をクリックし「ページ(P)⁠をクリックします(もちろん「Alt」キーを1回押して「ページ」を検索し「書式(O)⁠「ページ(P)⁠を選択しても構いません)⁠⁠ページスタイル:標準」のウィンドウで「ページ」のタブを選択し,⁠文字の方向」の項目を「右から左へ(縦書き)⁠に変えましょう。続いて「行数と文字数」のタブをクリックし「行数と文字数を指定する」を選択し,⁠ページ単位の行数」は10,⁠行単位の文字数」は20に設定し,その下の「罫線を表示する」⁠罫線を印刷する」にチェックを付けます。罫線の色はお好みで指定してください。

これだけで書く準備は整いました。後は入力していくだけで原稿用紙のマス目が埋まっていきます。

なお,賞などの応募要項では「1ページ40文字×30行」などの形式で投稿を求める事が多く,その際にページの設定で文字数や行数を増やせないことがあります。そのような場合は,⁠一文字の最大サイズ」「ルビ文字の最大サイズ」⁠必要があれば「ページ」のタブから「余白」の調整しましょう。文字サイズを10pt前後にし,文字サイズとルビ文字のサイズが2:1の割合で設定するとすんなりいくかと思います。

注2)
実際に原稿を提出する際は,各コンテストなどの応募要項に従ってください。

図1 行数と文字数の設定

図1 行数と文字数の設定

さて,ルビの振り方ですが,まずふりがなを振りたい箇所を選択します。続いてメニューから「書式(O)⁠をクリックし「ルビ」をクリックします。そして表示されたダイアログボックスで「ルビ文字」の欄にふりがなを入力します。

図2 ルビの設定

図2 ルビの設定

配置は「1 2 1」がお勧めですが,文字数などにより調整すると良いかもしれません。

推敲や修正も記録する ――バージョン管理の勧め――

さて,物語を一通り書き終えたら,文章をより良い物にするためにも推敲をします。

推敲する過程では,

「よし,前後の文章も直して主人公の心境を深くまで描写できたぞ! でもここの文章,前の文章のほうが良かった気がするなあ……あっ,修正前の文書を別ファイルで保存していない! 前の文章どうだったっけ……!」

と思うときがよくあると思います。

そんな時に重宝するのがバージョン管理です。変更点と変更内容の履歴を取ることによって,勇気を持って文章を書き換えることができるようになると思いますし,わざわざ差分を記録するためにファイルをコピーする必要もありませんので,容量削減にもなります。Writerでは容易にバージョン管理を開始することが可能です。

メニューバーの「ファイル(F)⁠をクリックし「バージョンの管理...」をクリックします(こちらも「Alt」キーを1回押して「バージョン」で検索して開くことができます)⁠すると「バージョン」というウィンドウが出ますので,一度何も修正を加えていない状態を保存します。

図3 バージョン管理の画面

図3 バージョン管理の画面

「新しいバージョンの保存」をクリックします。すると変更内容の要約を書き込むダイアログボックスが出てきますので,そこに「初版」などと入力し,⁠OK」をクリックして保存しましょう。

推敲を新たに行ったら,改めて「バージョンの管理...」を開き「新しいバージョンの保存」をクリックします。今度は変更内容に具体的な修正点を記述します。

図4 要約を書き込んで記録していく

図4 要約を書き込んで記録していく

さて「前の変更に戻したい」と思ったときはどう操作するのかといいますと,これも「バージョンの管理」画面から行います。

「バージョンの管理」画面の「比較(E)⁠ボタンをクリックすると「変更の承認または却下」画面が表示されます。すべて前の状態に戻したいということであれば「すべて適用(C)⁠のボタンを押して前の状態に戻すことができます。

図5 差分表示をしている図

図5 差分表示をしている図

なお,本文の変更内容の表示を取り消すには「編集(E)⁠「変更(G)⁠「表示(S)⁠とクリックして,チェックを外すと,表示が消えます。

以上がLibreOffice Writerでの執筆でした。

著者プロフィール

高橋秀羅(たかはしひでつぐ)

高校2年生のときにUbuntuと出会い,それ以来「Ubuntuは俺の嫁」と言わんばかりにUbuntuを使い続けているただのUbuntuユーザー。「まんじゅ(´ん`)」というハンドルネームでも活動中。北海道のLOCAL関係の勉強会にちょくちょくお邪魔しております。

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