Ubuntu Weekly Recipe

第313回 UbuntuとVirtualBox再入門

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

VirtualBoxは第95回で紹介していますが,あまりにも前のことすぎるのであらためて紹介しようと思います。

VirtualBoxとは

VirtualBoxはOracleが提供している仮想環境です。オープンソースでマルチプラットフォームであり,多彩なゲストOSに対応しています。

一言で紹介するとこのようになりますが,ここまでGUIがしっかりしているオープンソースの仮想環境はVirtualBoxしかありません注1し,ゲストOSも懐かしのNetWareやOS/2やHaikuなどにも対応する充実ぶりです。これらのゲストOSが動かないとバグ報告され,ものによっては修正もされます。同時にOracle Enterprise LinuxやSolarisのバグ報告も見られ,なかなかに微笑ましいです。

VMware Playerもマルチプラットフォームですが,個人かつ非商用利用のみという制限があります。しかしVirtualBoxはGPLv2であり,誰でも自由に使用することができますし,機能も充実しています。必要であればサポートサービスを購入することもできます。

もともとはinnotekという会社が開発していましたが,Sun Microsystemsが買収し,さらにOracleが買収したので現在はOracleが開発元です。残念な話ではあるのですがOracleが開発元というのはそれなりにリスクであり,具体的にはUbuntu Weekly Topics 2014年2月14日号のMySQLに関する記述にあります。しかし,ここにも書かれているとおりVirtualBoxに関してはOracleのポリシーが全面的に適用されているわけではありません。たとえば現在もSubversionのリポジトリは公開されています注2)。セキュリティポリシーはOracleのものを踏襲していますが,どのリビジョンに施した修正がセキュリティの修正なのかをこっそり(?)教えてくれたりもしますし,ほかにもコミュニティに対して真摯に対応している姿が見え,今のところは安心しています。

なお今回Ubuntuと表現するものは,とくに断りがない限りすべてのUbuntuフレーバーを含んでいます。

注1)
とはいえすべての機能がGUIから使えるわけではなく,一部機能はコマンドの実行が必須です。
注2)
ただしtrunkのみであり,branchは公開されていません。これは昔から変わっておらず,Oracle云々は関係ありません。

VirtualBoxの用途

考えられるVirtualBoxのおもな用途としては,いろんなLinuxディストリビューションを試してみることですが,ホストOSがUbuntuだったらゲストOSにWindowsがあると便利ですし,加えて筆者の場合はビルド環境にも使用していますし,ownCloudを動かしたゲストOSもあります注3)。

ただ,このような用途がなかったとしても,PCのスペックに余裕があれば仮想環境を用意していただきたい理由があります。それはズバリ検証用です。真っ先に思いつくのはPPAを使用する前に試してみることですが,それ以外にも各種パッケージを検証してみる場合に便利です。

なぜかと言いますと,スナップショットを保存しておけばひどい品質のパッケージでもロールバックするのが簡単ですし,Ubuntuをインストールしたということは再インストールしないアップグレード注4をしたいところですが,これは単純にパッケージ数が少なければ少ないほど成功する確率が高いのです。であれば検証用のパッケージなんてそもそもインストールされていないほうが有利です。

注3)
詳しくは3月18日発売のSoftware Design 2014年4月号に書きました。
注4)
具体的には,Ubuntu 13.10から14.04へアップデートマネージャーを使用したアップグレードのことです。

VirtualBoxのホストOSへのインストール

前述のとおりGPLv2なのでOracleが公開しているオフィシャルのバイナリのほか,UbuntuのリポジトリからもVirtualBoxのインストールは可能です。オフィシャルのバイナリはどんどんバージョンアップしていきますし,Ubuntuのバイナリはあまりバージョンアップをしません。リポジトリのバージョンと同じUbuntuを使用する分にはそれで良いのですが注5),現実はなかなかそうも行きません。

たとえばLTSを使用していると,UbuntuのリポジトリにあるVirtualBoxではゲストOSを13.10にするといろいろ不便です。そこで筆者はPPAで独自に管理しています。これだと使用するバージョンを自分で決められるばかりか,リリース版になっていない修正を先行して盛り込むこともできます。

インストール方法もさまざまで,Ubuntuのリポジトリにあるものは普通にインストールできますし,Oracleのものはダウンロードページにインストール方法が書かれています。筆者のPPAからだと,

$ sudo add-apt-repository ppa:ikuya-fruitsbasket/virtualbox
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install virtualbox virtualbox-guest-additions-iso

でインストールできます。筆者の都合によってアップデートが行われるので,使いにくいとは思いますが。

Ubuntuのリポジトリにあるバイナリを使用する場合は,3行目だけを実行してください。

注5)
具体的には,Ubuntu 13.10のリポジトリにあるVirutalBoxは13.10をゲストOSとして動かす分には問題ないと考えて差し支えありません。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

コメント

コメントの記入