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第336回 軽量で高機能な画像ビューアー「Geeqie」を使う

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画像を検索する

Geeqieを使う最大のメリットが,この強力な画像検索機能です。メニューの「ファイル」⁠⁠検索」を実行すると,検索用のダイアログが開きます。検索条件には「ファイル名」⁠ファイルサイズ」⁠画像サイズ」⁠画像の中身」⁠キーワード」⁠コメント」が指定できます。指定したい条件のチェックボックスにチェックを入れてから,条件の閾値を入力します。もちろんファイルサイズや画像サイズなどは,⁠xx以上」⁠xx以下」⁠xxとyyの間」といった指定が可能です。複数の条件を指定した場合,AND検索となります。例では特定のサイズでかつ10MB以上の画像を検索してみました。

 条件を指定して画像を検索

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重複する画像を検索する

「Twitterのタイムラインに流れてくる猫画像を集めてたら,いつの間にか写真が3万枚くらいあるんだけど……きっと重複して保存してる画像あるよね。でも整理するとか超めんどくさい」などという人も多いのではないでしょうか。そんな時に威力を発揮するのが,重複画像検索機能です。

メニューから「ファイル」⁠⁠複製の検索」を実行してください。重複画像検索用のダイアログが開きますので,まず「比較する要素」のコンボボックスから,何を基準に比較するかを選択します。条件としては「ファイル名」⁠大文字,小文字を区別しないファイル名」⁠ファイルサイズ」⁠日付」⁠画像サイズ」⁠チェックサム」⁠パス」⁠類似性」です。次に検索の対象とするファイルすべてを,ダイアログ内にドラッグ&ドロップで放り込みます。これはGeeqieのフォルダーペインやファイルペインからでも,Unityのファイルブラウザーからでも構いません。フォルダーごと投入した場合はフォルダーをどう扱うかコンテキストメニューが表示されますので,⁠内容を再帰的に追加」を選ぶと良いでしょう。

まったく同じファイルのコピーが複数のフォルダーに存在するようなケースであれば,ファイル名やチェックサムを手がかりとして検索すれば重複を検出できるでしょう。ですがそのようなケースは例外的で,本当に除去したいのは「同一画像だがリサイズされている」⁠同一画像だが微妙にトリミングされている」⁠連続写真の別カット」のような,⁠デジタルデータとしては別物だが人間が見ればほとんど同じ画像」ではないでしょうか。

このような場合に役立つのが類似性検索です。これはドロップされた全ファイルの内容をチェックし,類似性があるもの同士をグループ化して表示する機能です。グループの一番上に表示されている画像を基準として,どの程度類似しているかがランクとして表示されます。たとえばここでは,別々のカメラで撮影した2枚の夜景写真が,92%の類似性として検出されました注2)⁠

類似性での検索には「高い」⁠低い」⁠カスタム」があり,似ていると判断する閾値が異なります。⁠カスタム」の閾値は,メニューの「編集」⁠⁠Preferences」⁠⁠設定」ダイアログの「動作」タブにある「類似性のしきい値」で,任意の値を設定することができます。

このように重複検索は,ドロップした全ファイルを対象に似たもの同士をリストアップするという動作をしますが,ダイアログ下部の「二つのファイルを比較する」にチェックを入れると,任意のファイルに類似した画像を探すという動作に変化します。ダイアログが左右に二分割されますので,右側に基準となるファイルを,左側に検索する対象をそれぞれドロップしてください。これで,特定のファイルが重複していないかを検索することができます。

 フォルダーをドロップ

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 類似した画像を検出する

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注2)
検索結果をダブルクリックすると,その画像をイメージペインで表示できます。前述のペインの分割を利用して,2枚の画像を並べて表示してみるのも良いでしょう。

コレクションを使う

フォルダーを指定するだけで写真を閲覧できるのがGeeqieのお手軽なところですが,フォルダーによる分類は限界があるのも事実です。たとえば撮影日ごとにフォルダーを作ってファイルを分類しているとしましょう注3)⁠Geeqieのファイルリストでは,フォルダー(撮影日)を跨いで画像を閲覧することができないので,一泊二日の旅行の写真をすべて見ようとすると,一手間かかってしまいます。また写真には,複数の属性が付けられているのが普通です。たとえばある写真は「ある日に撮影した写真」であると同時に「雪景色の写真」であり「旅行の写真」であり「夜景の写真」であるわけです。これをファイルシステム上のパスで分類しようというのが,そもそも無理のある話なのです。

Geeqieにはコレクションと呼ばれる機能が用意されています。コレクションは文字通り写真の集まりを管理する機能で,ファイルのパスに関係なく,好きな写真を集めたアルバムを作ることができます。

メニューの「ファイル」⁠⁠新しいコレクション」を実行するか,キーボードの「c」キーを押すと,新しいコレクションのウィンドウが開きます。コレクションウィンドウはコレクションの内容を表示するアイコンペインと,ステータスバーで構成されており,アイコンペインにファイルをドラッグ&ドロップすることで,コレクションにファイルを追加することができます。ファイルを追加した後のコレクションは,メインウィンドウのファイルペインのアイコンモードとほぼ同じ動作をします。つまりファイルをダブルクリックするか,クリックして選択した状態でEnterキーを押すと,イメージペインでその写真を表示します。⁠Shift+V」を押すと,新しいウィンドウで写真を表示します。

作成したコレクションは,アイコンペインを右クリックして表示されるコンテキストメニューから「コレクションを保存」を実行して保存してください。コレクションは「.gqv」という拡張子が付けられますが,中身はファイルパスが列挙されたテキストファイルで,デフォルトではホームディレクトリの「.local/share/geeqie/collections」以下に作成されます。

 任意の画像を集めてコレクションを作成

画像

 コレクションの中身はファイルパスを列挙したテキストファイル

$ cat /home/mizuno/.local/share/geeqie/collections/okinawa.gqv
#Geeqie collection
#created with Geeqie version 1.1
#geometry: 306 205 641 399
"/home/mizuno/Pictures/DSC00452.JPG"
"/home/mizuno/Pictures/DSC00455.JPG"
"/home/mizuno/Pictures/DSC00460.JPG"
"/home/mizuno/Pictures/DSC00463.JPG"
"/home/mizuno/Pictures/DSC00467.JPG"
"/home/mizuno/Pictures/DSC00469.JPG"
"/home/mizuno/Pictures/IMGP2718.JPG"
"/home/mizuno/Pictures/IMGP2732.JPG"
"/home/mizuno/Pictures/IMGP2740.JPG"
"/home/mizuno/Pictures/IMGP2747.JPG"
"/home/mizuno/Pictures/IMGP2763.JPG"
#end
注3)
筆者の使っているペンタックスのデジタル一眼レフのデフォルト設定です。そもそも筆者はカメラ本体を複数台持ち歩いているのですが,カメラごとにフォルダーを作らざるを得ないため,その時点でフォルダー単位での写真管理は無理があると言えます。

外部エディタと連携する

撮影した写真を眺めていると,レタッチやトリミングを行いたくなることもあるでしょう。Geeqie自身にはレタッチ機能が存在しないため注4)⁠GIMPを呼び出して編集するのがお勧めです。ファイルペインやコレクションでファイルを右クリックし,コンテキストメニューから「編集」⁠⁠GIMP画像エディタ」を選択してください注5)⁠GIMPが起動してファイルが開かれますので,編集を行って上書きエクスポートしてください注6)⁠

 画像の編集

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単に画像を確認したいというだけであれば,Geeqieの機能はオーバースペックであり,操作方法もやや独特なため使いづらいかもしれません。しかし複数の画像を比較したい,メタ情報を見ながら画像を閲覧したい,画像を様々な条件で検索したい,と言った要望があるのであれば,Geeqieは良い選択肢となるでしょう。

注4)
マニュアルのFAQに以下のようなものがあります。Q: I want to be able to edit images with Geeqie. A: Geeqie is an image viewer. There is, and never will be, a plan to add editing features. I recommend gimp for image editing.
注5)
事前にGIMPがインストールされている必要があります。ここではGIMPを前提にしていますが,もちろんRawTherapeeのような別のアプリケーションを使っても構いません。
注6)
もちろん別名でエクスポートしても構いませんが,コレクションを使っている場合は新しいファイルを追加し直すことを忘れないでください。

著者プロフィール

水野源(みずのはじめ)

Ubuntu Japanese Teamメンバー。理想のフリーデスクトップ環境を求めて東へ西へ……のはずが,気がついたら北の大地で就職していたインフラ寄りのエンジニア。最近レンズ沼にハマる。