Ubuntu Weekly Recipe

第340回 Firefoxで最新バージョンのFlashを使用するには

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Fresh Player Plugin

PipelightがWindowsのNPAPI版Flash Playerを動かそうとしているのに対して,LinuxのPPAPI版Flash PlayerをFirefoxで動かそうとしているのがFresh Player Pluginです注5)⁠

インストール方法は自分でビルドするか,WebUpd8が提供している非公式のPPAを使うかの2択です。

PPAを使うほうがお手軽ではあるのですが,WebUpd8のPPAには他にもいろいろなパッケージを提供しているため,そのまま使うと余計なパッケージまでアップグレードされてしまう恐れがあります。そういうときは第331回で紹介したようにPinを設定して特定のパッケージだけインストールされるようにするか,LaunchpadのアカウントがあるならPPAのページから「View package details」を選択し,右上の「Copy packages」をクリックして自分のPPAに必要なパッケージだけコピーしてしまいましょう。

WebUpd8のPPAをPin設定で利用する場合は以下のように設定したうえで,インストールします。

$ sudo add-apt-repository ppa:nilarimogard/webupd8
$ sudo editor /etc/apt/preferences.d/ppa-nilarimogard-webupd8
Package: *
Pin: release o=LP-PPA-nilarimogard-webupd8
Pin-Priority: 100
$ sudo apt update
$ sudo apt install freshplayerplugin

PPAを使わず自前でビルドしたいなら,公式サイトの記述に従ってパッケージをインストールします。と言っても必要なのはビルド用のパッケージであり,ビルドしてlibfreshwrapper-pepperflash.soさえ作ってしまえば,あとは必要ないものばかりです。よって第333回で紹介したようにLXCやVirtualBoxといった隔離環境を用意して,その中でビルドしても良いでしょう。

ビルドすると「libfreshwrapper-pepperflash.so」ができますので,⁠~/.mozilla/plugins」にコピーしてください。

Fresh Player Pluginはただのラッパーライブラリなので,別途PPAPI版Flash Playerを用意する必要があります。前述の「Chrome/ChromiumのFlash Player」を参考に,pepperflashplugin-nonfreeパッケージをインストールしておきましょう。

図7 Wineを使っていないためメニューもFlashのそれに近い見た目に

図7 Wineを使っていないためメニューもFlashのそれに近い見た目に

ただし日本語入力自体はうまく動きませんでした。

Pipelightと同様にFirefoxとの接続はNPAPIを使っています。このためNPAPI自体が使えなくなると,Freshも使えなくなるという点も同じです。

注5)
余談ではありますが,MozillaとしてはFirefoxをPepperに対応させる予定はないようです。

Shumway

Mozilla自身が,HTML5で実装したFlash PlayerがShumwayです。おそらくNPAPIの廃止後にFirefox上でFlashを使う場合は,Shumwayを使うことになるでしょう。

もし試したい場合は,公式サイトで配布しているxpiファイルをインストールしてください注6)⁠

図8 xpiファイルへのリンクをクリックするとインストールするか確認される

図8 xpiファイルへのリンクをクリックするとインストールするか確認される

さらに「about:addons」にアクセスしてプラグインタブの「Showckwave Flash」「実行時に確認する」に変更してください。あとはShamwayのサイトのトップページを再読み込みすれば,本来Flash Playerが使われているところの右下に「Shumway」という文字列が表示されるはずです。

図9 右下にShumwayと表示

図9 右下にShumwayと表示

ここにカーソルを合わせて「×」ボタンを押すとShumwayから通常のFlash Playerでの表示に切り替わります。その表示内容の変化で,どの程度Shumwayの実装が進んでいるかなんとなくわかるでしょう。

残念ながら今はまだYouTubeの再生はできないようです。

注6)
Nightlyを使っているなら「about:config」から「shumway.disabled」「false」にするだけで使えるとのことですが,未確認です。

別の実装を使う

Shumwayと同様にFlash Playerを独自に実装しようとしているプロジェクトはいくつか存在します。ここではそのリストだけ紹介しましょう。

  • LightsparkはFlash Playerの別実装です。単体でのSWFの再生だけでなく,ブラウザー用のプラグインもあり,lightsparkとbrowser-plugin-lightsparkパッケージをインストールすれば利用できます。
  • Gnashは古くから開発がつづいているFlash Playerです。こちらも単体再生,ブラウザー用のプラグイン共に対応しており,gnash,mozilla-plugin-gnashパッケージをインストールすれば利用できます。

User Agentの変更

サイトによってはFlash Playerのバージョンだけでなく,User Agentもチェックしている場合があるようです。PipelightやFresh Player Pluginを使っても再生できない場合は,Pipelightのドキュメントを参考に,User Agent Overriderアドオンなどを導入し,User Agentを変更してアクセスしてみると,うまく動作するかもしれません。

おまけ:QWebViewにおけるFlash

QtのWebページを表示するコンポーネントであるQWebViewは,⁠QWebSettings::PluginsEnabled」「true」にするとローカルマシンにインストールされた純正のFlash Playerを利用できます。これにより,QWebView内でもFlashを使ったページをロードできるのです。

この機能はNPAPIを使っているため,Pepperプラグインは利用できません。ただしNPAPIなプラグインならロードできるため,PipelightやFresh Player Pluginをインストールするとそちらが利用されます注7)⁠もしFlashのバージョンが低いと動作しないサイトを表示したい場合は試してみると良いでしょう。

注7)
Qt WebKit Widgetのプラグインの検索パスは,Qtのドキュメントを参照してください。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。

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