Ubuntu Weekly Recipe

第421回 Raspberry Pi3とXubuntu 16.04 LTS

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

起動

ここまでできたら,あとはmicroSDカードをRaspberry Pi3に挿入し,microUSBケーブルを接続して起動するだけです。無事に起動するとウィザードが走り,使用する言語やキーボードやユーザー名などを質問されるので,答えていきます。すべての作業が終わると,Xubuntuにログインできるようになります。

日本語関連パッケージのインストール

インストール時に日本語を選択しても,残念ながら日本語関連のパッケージはインストールされません。足りないパッケージをインストールする方法はいくつかありますが,一番簡単なのは[言語サポート]を使用することです。コマンドからインストールする場合は,次を実行します。

$ sudo apt install $(check-language-support)

そもそもキーボードの設定が誤っているので,キーボードからコマンドを実行するのはわりと困難です※1⁠。パッケージを個別にインストールする方法もありますが,今回は紹介しません。

※1
ちなみに今回のように日本語キーボード(jp)を使用しているにもかかわらず英語キーボード(us)のキーマップになっている場合は,カッコの場所はひとつずれている(")"キーを押すと"("が入力される)だけなので,比較的わかりやすくはあります。

スワップファイル作成

Raspberry Pi3はメモリが1GBしかなく,普通に使用しているだけでも使い切ってしまう可能性があります。そのようなことにならないよう,スワップファイルを作成するといいでしょう。方法はとても簡単で,パッケージをインストールし,再起動するだけです。

$ sudo apt install dphys-swapfile

ここでいったん再起動するのがいいでしょう。

freeコマンドを実行すれば,スワップ領域があるかどうか確認できます。

ミラーサーバ

/etc/apt/sources.listを見るとports.ubuntu.comになっており,パッケージのダウンロードに時間がかかります。これを国内ミラーを使用するように書き換えると,パッケージのダウンロードにかかる時間を減らすことができます。以下のように変更してください。

deb http://jp.archive.ubuntu.com/ports/ xenial main restricted universe multiverse
deb-src http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu/ xenial main restricted universe multiverse

deb http://jp.archive.ubuntu.com/ports/ xenial-security main restricted universe multiverse
deb-src http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu/ xenial-security main restricted universe multiverse

deb http://jp.archive.ubuntu.com/ports/ xenial-updates restricted main multiverse universe
deb-src http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu/ xenial-updates restricted main multiverse universe

deb http://jp.archive.ubuntu.com/ports/ xenial-backports restricted main multiverse universe
deb-src http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu/ xenial-backports restricted main multiverse universe

なお,このミラー自体は以前も取り上げましたが,16.04からはサーバー側の仕様が変わり,このミラーではそれに追随しておらず,使えるようになったのはつい先日のことです。快く対応いただいたUbuntu Weekly Topicsでもおなじみの吉田さんにこの場を借りて御礼申し上げます。

Wifi

ここまで来たら普通に使えるようになりますので,Wifiを設定してみましょう。

あくまで筆者が試した限りではありますが,1GiBのダミーファイルをscpでLAN内の仮想マシンに送ってみたところ,以下のとおり1.6MB/sくらいの速度になりました。確かに速くはないものの実用の範囲内には収まっていると思います。

ikuya@raspi-xubuntu:~$ scp dummy.iso xubuntuxenial2.local:~
ikuya@xubuntuxenial2.local's password: 
dummy.iso                                                         100% 1024MB   1.6MB/s   10:36

CPUの速度比較

今回使用したXubuntu 16.04 LTSのイメージはRaspberry Pi2と3で共用できる,というのであれば,どのぐらいCPUの速度が上がったのかを比較してみない理由はありません。

そこで,いつものようにLibreOfficeのビルドを……といいたいところですが,さすがに今回はやめておきました。手軽なところでMozcをビルドしてみた結果,以下のようになりました。

ハードウェア ビルド時間
Raspberry Pi2 30m19.423s
Raspberry Pi3 26m19.907s

少なくとも今回は,純粋なCPUの性能のみを比較するとクロック周波数ほどの差は出ていないことがわかりました。

参考までに実行したコマンドは次のとおりです。

$ mkdir temp
$ cd temp/
$ apt-get source mozc
$ sudo apt-get build-dep mozc
$ cd mozc-2.17.2116.102+gitfd0f5b34+dfsg/
$ time dpkg-buildpackage -r -uc -b -j6

『Software Design』にもRaspberry Pi活用記事を掲載!

Software Design 2016年4月号のUbuntu Monthly Reportに,⁠Raspberry Pi 2を普通のデスクトップとして使用する」という記事を寄稿しました。Raspberry Pi2/3で特にWifi(USB無線LANクライアント)を使用したい場合は参考になるのではないかと思います。15.10ベースなので若干古いですが,16.04でも同様に動作することを確認しました。電子書籍であれば手軽に入手できますので,よろしくお願いします。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。