Ubuntu Weekly Recipe

第447回 Unity 8をちょっとだけ体感してみる

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Unity 8の基本的な使い方

通常のデスクトップ(Unity 7)からUnity 8への切り替えは,ログイン画面で行います。ログイン済みの場合は,まずログアウトしてください。ログイン画面の名前の右端にUbuntuのロゴマークが表示されています。それをクリックすると,デスクトップセッションを変更できます。

図3 Ubuntuの場合は「Ubuntu(デフォルト)⁠「Unity8」が表示される

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「Unity8」を選択してログインしてください。これだけで,Unity8の環境への移行が完了しました。もちろん同様にログイン画面で「Ubuntu(デフォルト)⁠を選べばいつもの環境に戻れます。ただし現在のUnity 8は「ログアウト」する術がないので,一度シャットダウンする必要があります。

図4 Unity 8の画面

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Unity 8ではスコープアプリ(Scopes)が最初から立ち上がっています。これはAndroidで言うところの「ドロワー」に近い位置づけのアプリです。デスクトップモードなら本来はDashとして格納されるべきものですが,今のところ常に起動した状態になっています。Unity 8の次のリリースからはこのあたりの挙動が変わる見込みです。

またLightDMから起動されるユーザーセッションのプロセスツリーを見てみると,Xサーバーは存在せず,代わりにMirサーバー機能を持っている「unity-system-compositor」が立ち上がっていることがわかります。

 719 /usr/sbin/lightdm
1559  \_ lightdm --session-child 12 19
1682  |   \_ upstart --user
1735  |       \_ upstart-udev-bridge --daemon --user
1759  |       \_ sleep infinity
1784  |       \_ /bin/sh -e /proc/self/fd/9
1819  |       |   \_ /usr/lib/x86_64-linux-gnu/url-dispatcher/url-dispatcher
1799  |       \_ /usr/bin/mediascanner-service-2.0
1804  |       \_ /usr/lib/x86_64-linux-gnu/hud/window-stack-bridge
1873  |       \_ gpg-agent --homedir /home/shibata/.gnupg --use-standard-socket --daemon
1949  |       \_ upstart-dbus-bridge --daemon --session --user --bus-name session
1950  |       \_ upstart-dbus-bridge --daemon --system --user --bus-name system
1951  |       \_ upstart-file-bridge --daemon --user
1987  |       \_ /usr/bin/fcitx
2044  |       |   \_ /usr/lib/mozc/mozc_server
2002  |       \_ /usr/bin/dbus-daemon --fork --print-pid 4 --print-address 6 --config-file /usr/share/fcitx/dbus/daemon.conf
2009  |       \_ /usr/bin/fcitx-dbus-watcher unix:abstract=/tmp/dbus-vKRH4Kql7s,guid=b70639159f8b3b959ad6e80858346ea2 2002
2095  |       \_ unity8 --mode=full-shell
(中略)
2394  |       \_ /usr/lib/x86_64-linux-gnu/unity-scopes/scoperegistry
2395  |       \_ unity8-dash --desktop_file_hint=/usr/share/applications/unity8-dash.desktop
1572  \_ /usr/sbin/unity-system-compositor --disable-inactivity-policy=true --on-fatal-error-abort --file /run/mir_socket --from-dm-fd 12 --to-dm-fd 21 --vt 8

操作方法はUnity 7と大差ありません。画面左端にカーソルを移動すればLauncher(Superキーと同じ機能)が表示されます。また画面右端にカーソルを持っていけばタスクスイッチャー(Alt+Tabキーと同じ機能)が起動します※5)⁠画面右上のインジケーター領域は,クリックすれば表示されます。

※5
もともとタッチデバイスを意識して実装されているためか,この両端のカーソル操作はかなりシビアです。素直にキーボードからSuperキーやAlt+Tabキーを使った方がいいかもしれません。

図5 インジケーター

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図6 すべてのアプリを起動した状態

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図7 タスクスイッチャー

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残念ながら,最初からインストールされているアプリケーションはスコープに加えて,ウェブブラウザー,端末,システム設定,システムテストを行うCheckboxの5つだけです。将来的にはUbuntu StoreからUbuntu TouchのアプリケーションやSnapパッケージをそのままインストールできるようになるはずです。少なくとも現在開発中の17.04(zesty)にはストアからのSnapパッケージのインストール機能が追加されています。

ちなみに一般的なスマートフォンのインターフェースでは,ひとつのアプリケーションが全画面で表示されます。インジケーターにある「デスクトップモード」のスイッチを切ると,デスクトップ版のUnity 8でも同様のインターフェースになります。逆に言うと,Ubuntu Touchがインストールされたスマートフォンやタブレットで「デスクトップモード」を有効化すると,デスクトップ版のUnity 8のようなマルチウィンドウモードになるのです。

アプリケーションのインストール

アプリケーションの数が少ないのは,単にUnity 8そのものがテクニカルプレビューという位置づけであるためです。将来的にはUbuntuデスクトップと同じように一通り必要なアプリケーションが揃った状態でリリースされます。Ubuntu Touchで使われているアプリケーションのうちいくつかはすでにPPAなどにも存在するので,実際にインストールしてみましょう。

snapパッケージ版

Unity 8向けsnapパッケージは,edgeチャンネルに存在します。Will CookeがUbuntu Insightsに投稿した記事によると,以下の4つのアプリケーションが動くようです。

画像ギャラリー
$ sudo snap install --edge --devmode gallery-app

カメラ
$ sudo snap install --edge --devmode camera-app

連絡帳
$ sudo snap install --edge --devmode address-book-app

カレンダー
$ sudo snap install --edge --devmode ubuntu-calendar-app

アプリケーションをインストールした場合,アプリスコープを下の方に向けてドラッグして離すことで,アプリ一覧が更新されます。とはいえまともに動くのは画像ギャラリーぐらいです。

図8 画像ギャラリー

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PPAからインストール

Convergent Apps TeamのPPAには,Ubuntu Touch向けのアプリがいくつか存在します。

$ sudo add-apt-repository ppa:convergent-apps/testing
$ sudo apt update
$ sudo apt install calendar-app music-app reminders-app \
    ubuntu-calculator-app ubuntu-clock-app ubuntu-docviewer-app \
    ubuntu-filemanager-app ubuntu-weather-app

これらのアプリケーションはタイミングによって動かないどころかインストールできないものもあるかもしれません。比較的安定しているのは電卓アプリケーションぐらいです。

図9 電卓アプリケーション

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著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。

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