Ubuntu Weekly Recipe

第463回 新学生・新社会人向けのUbuntuデスクトップ講座2017

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基本的なアプリケーション

Ubuntuには最初から一通り必要なソフトウェアがインストールされています。どのソフトウェアが標準になっているかは,派生品によって異なる部分があるので,今回はUbuntuに限定して紹介します。

デスクトップシェル「Unity」

Ubuntuは標準のデスクトップシェルとして「Unity」を採用しています。⁠デスクトップシェル」とは,ユーザーが何らかのソフトウェアやファイルを検索し,それを起動・表示するためのインターフェースです。大抵の場合はすばやくアクセスするクイックランチャーや,システムの状態を表示するインジケーターなどとセットで実装されます。

UbuntuのUnityは,最近は一般的になってきた検索ベースのインターフェースを採用しています。つまりインストールされたアプリケーションがメニューにずらっと並ぶのではなく,検索用のボックスから文字を入力するかフィルタリングルールをクリックして,絞り込みをかけていくタイプのインターフェースです。

またSuperキー(Windowsキー)と組み合わせたキーボードショートカットも充実しています。Unityの基本的な使い方については第349回を参照してください。

日本語入力

日本人がおそらくもっともお世話になるアプリケーションは「日本語入力」関連でしょう。Ubuntuの日本語環境はInput Method FrameworkとしてFcitxを,Input Method EditorとしてMozcを採用しています。前者がソフトウェアと日本語入力のためのインターフェースを橋渡しするもので,後者がいわゆる「かな漢字変換」を担当するものだと思えば差し支えありません。フレーバーによってはFcitxの代わりにIBusだったりしますし,他にも好みや性癖にあわせてさまざまな選択肢があります(たとえば第175回第200回)⁠あくまで標準的に使われているのがこの二つということです。

日本語入力に関する情報は第417回のように,リリースごとに紹介している日本語入力に関する変更点を追いかけておくのが鉄板です15.10向け15.04向け14.04向けなどなど)⁠また第274回には少し古いですがFcitxの基本情報が,第381回には日本語入力をはじめとするインプットメソッドの便利機能が紹介されています。

ソフトウェアのインストール

Ubuntuは「リポジトリ」と呼ばれるパッケージ配布サーバーを提供しています。Ubuntuに何かソフトウェアを追加でインストールしたい場合は,このリポジトリを検索し,インストールするのが一般的な方法です。リポジトリを利用する方法には2種類存在します。

  • Ubuntu Softwareからインストールする(画面左にあるオレンジ色のバッグのアイコン)
  • 端末アプリを開きaptコマンドを使ってインストールする

グラフィカルな操作で完結したい場合は,Ubuntu Softwareを使うことになります。イメージとしてはスマートフォンの「ストアアプリ」と同じだと思ってください。インストールしたいアプリを検索して「インストール」ボタンをクリックするだけです。

Linuxの操作に慣れてきたら,もしくは将来的に使いこなしたいのであればaptコマンドも使ってみましょう。こちらはGNOME端末のような端末アプリを開き,そこからテキストベースで検索・インストールします。こちらについてはデスクトップでもサーバーでも同じ方法が使えることや,動作が高速であるため一度慣れてしまえば非常に使いやすいです。aptコマンドの詳細については,第327回を参照してください。

リポジトリにあるソフトウェアが古い場合やそもそもリポジトリに期待するソフトウェアが存在しない場合は,別の方法でインストールすることになります。古くからよくあるのはソースコードをダウンロードしてきてコンパイルする方法です。慣れてしまえば簡単ではありますが,それなりにハードルは高い作業になります。Ubuntuの場合は他の選択肢としてPPAを使う方法があります。PPAは個人で立てられるソフトウェアリポジトリで,公式のリポジトリにはまだ入っていない最新バージョンのパッケージなどを提供する目的で利用されています。

ただし公式リポジトリと異なり,品質についてはリポジトリの作成者によってまちまちなのでそれなりの考慮が必要です。PPAの扱い方については第419回にまとめてあります。また第314回のようにPPAを扱うためのツールも存在します。

ウェブブラウザーとメーラー

Ubuntu標準のウェブブラウザーはFirefoxです。Ubuntuのパッケージ管理システムが最新のバージョンに追随してくれるので,システムのアップデートを定期的に行っていればFirefoxのインストールやアップグレードについて気にする必要はありません※5)⁠第139回ではFirefoxについて,Ubuntu特有の話題を紹介しています。

※5
ただしFirefoxリリース後にUbuntu側でパッケージングを行う作業がありますので,多少の時間差は発生します。

もちろん,Google Chromeやそのコミュニティ版であるChromiumを使うこともできます。ChromiumはUbuntuソフトウェアで検索してください,公式のChromeについては第126回で紹介しています。ちなみに第339回にもあるようにUbuntu版のChrome/ChromiumでもChrome Castを利用できます。

Adobe Flashは標準ではインストールされていません。必要であれば,ソフトウェア・センターから"flash"で検索してAdobe Flashインストーラーをインストールしてください。Adobe Flashについては第340回も参考になることでしょう。

Ubuntu標準のメーラーは最近のリリースだとThunderbirdです。過去にはEvolutionを採用していた時期もありました。他にも軽量なSylpheed,さらにはGMailをメインに使う方もけっこうな割合でいるようです。第26回はメーラーの切り替えについて紹介しています。また第62回第63回第119回などではSylpheedの詳しい機能について紹介しています。さらに第247回ではひと手間かけることでローカルのメールクライアントを使いやすくする方法が紹介されています。

アンチウィルスソフトウェアが必要になった場合は,第30回第31回第429回などが参考になるでしょう。またファイヤーウォールを導入したい場合は第76回第77回第353回あたりを参照してください。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。

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