Ubuntu Weekly Recipe

第503回 2018年のデスクトップ環境

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LXDE/LXQt

LXDEはメンテナンスモードのままでしょうが,LXQtはどうでしょうか。開発スピードが速いとはいえませんが,他のLinuxディストリビューションでも広くサポートされていることから,充分なクオリティを保っているとは思います。

17.10のリリースサイクルでLXQt版LubuntuであるLubuntu Nextの開発が開始したものの,結局リリースされませんでした。リリースアナウンスによると致命的なバグが10個以上あるという状態だそうで,今年中に実用レベルになるのか注目です。

MATE

MATE(マテ)は半年ごとのリリースを目指していると思っていたのですが,どうやらそういうわけではなく,昨年は3月の1.18が唯一のリリースでした。今年は1.20のリリースを目指して開発中です。おそらく第1四半期にうちにリリースされ,Ubuntu MATE 18.04 LTSで採用されるでしょう。

MATEのロードマップは更新されなくなって久しいためどのような変更が加えられる予定なのかを把握するのは難しいですが,あまり大きな変更は加えられず,堅実なアップデートになるものと思われます。

Cinnamon

CinnamonはLinux Mintと一体で開発されており,そのLinux MintはUbuntuのLTSをベースに開発されています。つまり,今年新しいバージョンのLinux Mintもリリースされるということです。

とはいえロードマップを見る限りはあまり大きな変更は予定していないようです。一つ間違いなくいえることは,バグ報告によるとWaylandサポートはしないということです。

Unity 7

Unity 7は正確にいえばデスクトップ環境ではありませんが,昨年のUbuntuの最大のトピックがUnity 7からGNOME Shellへの変更だったので,ここでも取り上げることにします。

第493回でも取り上げたとおり,Ubuntu 17.04から17.10にアップグレードした場合はUnity 7セッションは引き続き利用できますが,17.04とは若干違ったものになります。Ubuntu 18.04 LTSではどうなるのかはまだ公表されていません。

一方Unity 7をフィーチャーしたフレーバーの準備は進んでいます。現段階では18.04までにフレーバーになるのか,リミックスのままなのかは未定ではありますが,Unity 7ユーザーには嬉しいニュースといえるでしょう図2)⁠

図2 Ubuntu Unity Remixをインストールしたところ

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ただし課題もあります。Compizのメンテナンスをどうするのかや,Unity 7のために当たっているGNOMEアプリケーション向けの各種パッチをどうするのかといった,継続性に関わる重要な問題が提起されています。後者は該当するMATEアプリケーションと置き換えれば解決可能でありますが,前者は解決するのが極めて困難な問題なので,どこかで折り合いをつける必要があるでしょう。

新しいパッケージ配布の仕組み

新しいパッケージ配布の仕組みとは,具体的にいえばsnapFlatpakですが,今年あたりから本格的に普及を始めるものと思われます。

メリットは,次のようにいろいろとあります。

  • 新しいバージョンのアプリケーションを使用する際に新しいバージョンのライブラリが必要になっても,現在のシステムを全くいじらずに使用することができる
  • 古いバージョンのアプリケーションを使用することができる図3
  • パッケージの形式がRPMやDeb,その他ということを全く意識する必要がない
  • GNOMEでKDEアプリケーションを使用する場合は大量のライブラリをインストールする必要があるが,これが不要になる

図3 Ubuntu 17.10で古いgeditの改造版をFlatpakパッケージで作成し,動作させているところ

画像

snapとFlatpakが実現しようとしていることは概ね一致していますが(ただしデスクトップアプリケーションの場合)⁠設計思想がまるで異なるのでどちらを使用したほうがいいのかはケースバイケースです。Ubuntuだからsnapで決まりとはなかなかいい難いのが現状です。

この仕組みが広く普及すると,デスクトップ環境はおろかLinuxディストリビューションの垣根すら超えられます。これにより,より自分の好きなものを選べるようになり,それはとても魅力的に思えます。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。

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