Ubuntu Weekly Recipe

第518回 Ubuntu標準のテキストエディタ「GNU nano」

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新しい機能とショートカットキーの追加

新しい機能の実装に合わせて,主に以下のようなショートカットキーが追加されています。

Ctrl-] 単語の補完
Ctrl-S 問い合わせなしに現在のファイルを上書き保存
Alt-: キーストロークの記録開始・終了(マクロ機能)
Alt-; 記録したキーストロークの再生
Alt-3 カーソル行のコメントアウト・コメントアウト解除
Alt-# 画面左端に行番号の表示
Tab インデント(Alt-}と同じ)⁠Ctrl-6で指定したマーク領域に対するインデントも可能
Shift-Tab インデント解除(Alt-{と同じ)⁠Ctrl-6で指定したマーク領域に対するインデント解除も可能
Ctrl-Home ファイル先頭に移動
Ctrl-End ファイル末尾に移動
Ctrl-Up 前の段落に移動
Ctrl-Down 次の段落に移動
Alt-Up 次を検索(Byobu上では動作しない)
Alt-Down 前を検索(Byobu上では動作しない)
Shift-カーソル テキストの選択(Byobu上では動作しない)

特に上書き保存やマクロ機能は,nanoのヘビーユーザーにとっては待望していた機能と言えるでしょう。

「Byobu上では動作しない」のはByobuがキーイベントを奪ってしまうからです。必要に応じてByobuかnanoのキーバインディングを変更してください。

Unicode直接入力のサポート

Alt-Vを使うことで,Unicodeを直接入力できるようになりました。

図2 Unicodeの直接入力

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実際にはAlt-Vを入力したあとに0から始まる6桁の英数字を入力します。たとえば🍣(U+1F363)の場合は「01f363」を,🍻(U+1F37B)の場合は「01f37b」を入力します。

InputMethodがうまく動かないけどUnicode番号なら覚えているような状況において便利です。どんな状況かはいまひとつよくわかりませんが,きっとそんな状況があるはずです。異体字に対応している端末上なら,使い手があるかもしれません。

既存の機能の改善

nanoにおけるカットアンドペーストはCtrl-K/Ctrl-Uの組み合わせでした。またコピーはAlt-6でした。このカットもしくはコピーした行を,本文だけでなくステータスバー領域にもペーストできるようになりました。ステータスバーとは検索時やファイル保存時に表示される入力可能な領域です。

これまでもAlt-Gにより行番号を指定した移動ができていましたが,行番号として負の値を指定できるようになりました。たとえば-1を指定するとファイル末尾に移動します。

複数のバッファーにファイルを読み込んでいるとき,開いているバッファーの数と現在のバッファー番号を画面左上に表示するようになりました。複数のファイルを切り替えながら編集している時に参考になるでしょう。

図3 バッファー番号と行番号の表示

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あまり使わないかもしれませんが,改行文字を含むファイル名を正しく保存できるようになりました。

狭いターミナルのサポート

人生にはどうしても横45文字,縦2行といった狭いターミナルを使わなくてはならない時があるかもしれません。以前のnanoは縦6行未満だと「広いウィンドウが必要です」とツレナイことを言って終了していたのですが,最新のnanoはそのような環境でも問題なく使えるようになりました。

まず縦1行でも起動します。この場合ヘルプメッセージやタイトルバーは一切表示されません。ステータスバーは必要に応じて縮退表示されます。

図4 1行状態でのnanoの保存画面。ここまでくるとラインエディタと呼んでも差し支えないのではなかろうか

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また,ファイル名に対して横幅が狭い環境でもできるだけタイトルバーにファイル名を表示するようになりました。以前はバージョンや「ファイル名:」部分が優先されていたので,長いファイル名を開くときに便利です。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。

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