Ubuntu Weekly Recipe

第548回 書籍制作を支援するソフトウェア「Re:VIEW」を使う

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PDFを生成する

Re:VIEWがPDFを生成するには別途TeXのインストールが必要になります。Ubuntuであれば,TeX Liveのパッケージ一式をインストールすることになるでしょう。

$ sudo apt install texlive-lang-japanese texlive-latex-extra texlive-latex-recommended

あとはEPUBと同様にreview-pdfmakerコマンドもしくはrakeコマンドを用いてPDFを生成します。

$ rake pdf
review-pdfmaker config.yml
INFO: compiling sample.tex
WARN: sample.re:1: headline is empty.
INFO: extractbb cover.jpg cover-a5.ai
INFO: uplatex -interaction=nonstopmode -file-line-error __REVIEW_BOOK__.tex
INFO: uplatex -interaction=nonstopmode -file-line-error __REVIEW_BOOK__.tex
INFO: uplatex -interaction=nonstopmode -file-line-error __REVIEW_BOOK__.tex
INFO: dvipdfmx -d 5 -z 9 __REVIEW_BOOK__.dvi
$ file book.pdf
book.pdf: PDF document, version 1.5

生成されたPDFについては,Evinceをはじめとする普通のPDFリーダーで閲覧できます。

図2 EvinceでPDFを表示した場合

画像

Re:VIEW 3以降でPDFを生成した場合,そのまま印刷所に入稿できるようトンボ付きのPDFとなります。

コラム:Ubuntu 18.04 LTSと18.10のTeX環境

今回はUbuntu 18.04 LTS上での利用を想定していますが,本格的にTeXを使うのであれば,より新しいTeX Live 2018がインストールされる18.10の利用も検討しても良いでしょう。

Ubuntuは4月と10月にリリースされるのに対して,TeX Liveは年に1度,4月から6月あたりにリリースされるようです。よってTeX Liveのバージョンも4桁の西暦が使われています。UbuntuのTeX Liveパッケージは基本的にDebianで作成されたパッケージをそのまま持ってきています。つまりDebian側のパッケージングのタイミングに同期しています。4月にリリースされるUbuntuの場合,その年のTeX Liveのリリースを取り込むことは難しく,前年のTeX Liveが使われるのです。

たとえば2018年4月にリリースされた18.04の場合は,TeX Live 2017ベースの「2017.20180305-1」が採用されています。もし4月末にリリースされた最新のTeX Live 2018を使いたい場合は,10月にリリースされた18.10のTeX Liveパッケージ(2018.20180824-1)か,有志が作成しているPPAを利用するか,TeX Live公式のインストーラーをそのまま使うかの3択になります。

Ubuntu上でRe:VIEWと一緒にTeX Liveを使うなら,LXDやDockerといった隔離環境に18.10をインストールして使うのもひとつの手でしょう。LXDの使い方については第521回も参照してください。Dockerユーザーなら,Debianベースで作成されているDockerファイルが参考になることでしょう。

基本的な使い方

EPUB/PDFの生成方法がわかれば,あとはRe:VIEWの書式に従って執筆するだけです。Re:VIEWの書式は比較的人間が読みやすい形式なので,どんなエディタを使ってもそれほど困らないでしょう。プロジェクト生成時にdoc/format.ja.mdとしてフォーマットガイドがコピーされているので,それを参考に執筆を進めてください。とりあえず「見出し」「箇条書き」⁠ソースコードなどのリスト」の書き方さえ覚えておいて,あとは一通り書き終えてからじっくりと編集しましょう。

書籍として取り込むreファイルは「カタログファイル」に列挙します。カタログファイルcatalog.ymlはYAML形式のファイルであり,reファイルごとにそれが本編なのか後付なのかなどを指定できます。テンプレート生成直後は「⁠書籍名).re」のみ指定されているため,reファイルを追加したりファイル名を変更した場合は合わせてカタログファイルも更新してください。

書籍全体のメタデータは,config.ymlファイルで設定します。書籍名・著者一覧・刊行日と言った一般的な書籍用メタデータはもちろんのこと,表紙を付けるのか目次はどうするのかやTeXコマンド時の実行時のオプションに至るまで,さまざま設定を行えます。設定項目の詳細はconfig.ymlの中にコメントとして書かれているので,一度目を通しておきましょう。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。

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