Ubuntu Weekly Recipe

第563回 NVIDIA Jetson Nano Developer KitにUbuntuをインストールしよう!

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microSDカードの準備

機材が揃っていることを確認したら,起動用のmicroSDカードを作成します。まずは公式サイトからイメージをダウンロードしましょう。

NVIDIAの開発者向けダウンロードサイトにアクセスすると,最新版ZIPファイルのダウンロードが開始します。

3月30日時点でのファイル名は「jetson-nano-sd-r32.1-2019-03-18.zip」でした。⁠r32.1」の部分はL4T(Linux for Tegra)のバージョンなので,L4Tのバージョンが変わるたびにファイル名も変わるものと思われます。

ファイルサイズは5.3GiB程度あり,とても大きいです。ダウンロードする際のネットワーク環境には注意してください。

公式で紹介している書き込み手順では第488回でも紹介しているEtcherかddコマンドを使う方法を採用しています。Etcherならダウンロードしたzipファイルをグラフィカルに書き込めますが,別途ソフトウェアのインストールが必要です。ddコマンドはUbuntuに最初からインストールされていますし,GUIがなくても利用可能ですが,⁠誤ったデバイスに書き込み」その結果として「世界の破滅を引き起こす」可能性がある危険なツールです。各個人の事情にあわせてどちらを使うか選択してください。

ddの場合は次のようにunzipしながら書き込みます。ここで「/dev/sdb」は対象となるmicroSDカードのデバイスです。⁠sudo blkid」やdmesgコマンドの結果から,正しいデバイスを選択しましょう。間違えるとPCが起動しなくなります。念の為もう一度言っておくと,書き込み先を間違えるとPCが起動しなくなります。

$ unzip -p jetson-nano-sd-r32.1-2019-03-18.zip | sudo dd of=/dev/sdb bs=1M status=progress

実際に書き込まれるパーティションは次のとおりです。

セクタサイズ (論理/物理): 512B/512B
パーティションテーブル: gpt
ディスクフラグ:

番号  開始    終了    サイズ  ファイルシステム  名前  フラグ
 2    1049kB  1180kB  131kB                     TBC
 3    2097kB  2556kB  459kB                     RP1
 4    3146kB  3736kB  590kB                     EBT
 5    4194kB  4260kB  65.5kB                    WB0
 6    5243kB  5439kB  197kB                     BPF
 7    6291kB  6881kB  590kB                     TOS
 8    7340kB  7406kB  65.5kB                    EKS
 9    8389kB  9044kB  655kB                     LNX
10    9437kB  9896kB  459kB                     DTB
11    10.5MB  10.6MB  131kB                     RP4
12    11.5MB  11.6MB  81.9kB                    BMP
 1    12.6MB  12.9GB  12.9GB  ext4              APP

よくわからない名前のパーティションがいくつかあります。中身を見てもよくわかりませんでした。LNXはLinuxカーネルイメージ,DTBはDevice Tree Blob,EBTはブートローダーではないかと思います※3⁠。

※3
そのLNX領域も「ANDROID」で始まるバイト列だったりするので,何かヘッダーが付加されているのかもしれません。そもそもカーネルイメージやDTBはSDカードにもあるので,どういうふうに使われるのかは調べる必要があります。

ストレージの末尾にあるPartition 1がルートファイルシステムとなります。サイズは12GiB(12.9GB)になっていますが,これは初回起動時にSDカードのサイズにあわせて拡張されます。

いずれにせよmicroSDカードに書き込めたら,Jetson Nanoの裏側(モジュールボードとキャリアボードの間)にあるmicroSDカードスロットに接続してください。その後,MicroUSBケーブルを接続すると,Jetson Nanoが起動します。

初回起動(OEM Config)

microSDカードに書き込んだイメージは,UbuntuのOEM Configが有効化されてインストールされています※4⁠。このモードでは最低限必要なインストールセットアップは完了済みで,初回起動時に最初のユーザーの言語・キーボード・ユーザーアカウントを設定するだけです。

※4
OEM Configを有効化したインストール方法については,Ubuntu Weekly Recipeの第1回(!)「OEMインストール」を参照してください。

図1 ⁠NVIDIA End User License Agreements」をクリックするとEULAが表示されるので,内容を熟読して「I accept ther terms of these licenses」にチェックを入れて「Continue」をクリックする

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図2 言語を選択

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図3 キーボードレイアウトを選択

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図4 タイムゾーンを選択

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図5 アカウント情報を入力

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アカウント情報を入力して「続ける」を押すとセットアップが開始します。それなりに時間がかかるので放置しておきましょう。しばらく待つと再起動して,ログイン画面が表示されるはずです。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。