Ubuntu Weekly Recipe

第566回 Ubuntu 19.04の新機能

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GNOME 3.32

GNOME 3.32の変更点はリリースノートによるといろいろあるのですが,動作の高速化とアプリケーションメニューの構成が大きく変わったことがUbuntuユーザー的には大きいでしょうか。

前者は実際に使ってみるのが一番なのでさておきますが,後者はアプリケーションメニューのスクリーンショットを見るとわかりやすいです。図5はUbuntu 18.10(GNOME 3.30)のgeditで,図6が19.04でのスクリーンショットです。これまではアプリケーションメニューにはアプリケーション全体の設定が変更できる機能(ここでは「設定⁠⁠)があったのですが,GNOME 3.32からは原則として各アプリケーション内に移動しました。図7のとおり,gedit 3.32では「設定」がハンバーガーメニューにあります。

図5 Ubuntu 18.10のgeditのアプリケーションメニュー

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図6 Ubuntu 19.04のgeditのアプリケーションメニュー

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図7 ⁠設定」はハンバーガーメニューに移動した

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小数点刻みのスケーリング

「小数点刻みのスケーリング」「Fractional Scaling」のここでの訳ですが※1⁠,昨今のディスプレイの高解像度化と小型化により,いわゆるHiDPIへの対応がOSにも求められています。とはいえ現状UbuntuというかGNOMEでは100%か200%しか設定できず,フルHDくらいの解像度では拡大率に乖離がありすぎて使い物になりません。他のOSのように125%や150%とかあるといいのですが,なかなか開発が進みませんでした※2⁠。

※1
"Fractional"を直訳すると「分数の」ですが,わかりにくいので「小数点刻みの」としました,ようするに100%(1.0倍)や200%(2.0倍)だけではなく,125%(1.25倍)や150%(1.5倍)に対応したということです。リリースノートの日本語版ではまた別の訳になるかもしれません。
※2
実のところ前々からWaylandセッションでは実験的機能としては実装されていました。

しかしGNOME 3.32では開発が進み,実験的な機能のままとはいえ前出のリリースノートで紹介されるまでになっています。

何はともあれまずは使ってみましょう。端末から次のコマンドを実行してください。

$ gsettings set org.gnome.mutter experimental-features "['scale-monitor-framebuffer']"

実行後ログアウトしてWaylandセッションに切り替え,ログイン後「ディスプレイ」を開いてください図8⁠。

図8 Waylandセッションで実験的機能を使い,⁠サイズ調整」「125%」にしたところ

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125%,150%,175%が追加されています。

19.04のリリースノートによると,次のコマンドを実行するとXセッションでも小数点刻みのスケーリングに対応すると記述されていますが,筆者が試したところでは動作しませんでした。

$ gsettings set org.gnome.mutter experimental-features "['x11-randr-fractional-scaling']"

デフォルトに戻したい場合は次のコマンドを実行してください。

$ gsettings reset org.gnome.mutter experimental-features

新元号対応

5月1日からの新元号対応は,部分的に行われています。glibc(libc6)やOpenJDK 11では対応済みですが,フォント(Noto Sans/Serif CJK)やかな漢字変換(Mozc⁠⁠,LibreOfficeはリリース時点では非対応です。LibreOfficeは前例からいずれアップデートがリリースされるものと思われます。Mozcに関しては対応が進められています。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese TeamとLibreOffice日本語チームのメンバー。LibreOffice,VirtualBox,Joplin,Budgieデスクトップなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。