Ubuntu Weekly Recipe

第569回 LibreOffice 6.2.xの変更点

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

OpenJDKの対応

LibreOfficeを使用する上でJava実行環境のインストールは必須とは言えなくなっていますが,それでもいくつかの機能を使用するためには必要です。そしてOracleによるJava実行環境のサポートポリシー変更はいまだに大きな影響を与えています。Ubuntuではあまり影響がないのは不幸中の幸いではあります※4⁠。

※4
正確には可能な限り影響が出ないようにCanonicalによって対応されている,です。

そんな中,OpenJDKの最新版で"java.vendor"を"Oracle Corporation"から"Private Build"に変更するという仕様変更があり,Java実行環境が認識しなくなる不具合が報告されました。それがアップストリーム(LibreOffice)にも報告され,修正されました。大幅なロジックの変更が見られます。ちなみにUbuntuでの修正はこれで,かなり場当たり的なものになっています。

アップストリームによる修正はより広範囲に影響があり,例えばOpenJDKの派生版の一つであるAdoptOpenJDKが提供しているJava実行環境をインストールしても認識されるようになりました。UbuntuでもAdoptOpenJDKを使用したい場合は,PPAからインストールすると簡単です。⁠hotspot」「openj9」の2種類から選択できますが,通常は前者でいいようです。

図3は19.04のLibreOffice 6.2.2で,OpenJDK 12とAdoptOpenJDK 11をインストールしているにもかかわらず認識していません。図4は19.04の6.2.3で,同じくOpenJDK 12とAdoptOpenJDK 11をインストールしているにもかかわらず前者しか認識していません。図5は6.2ブランチの開発版ですが,このように6.2.4以降は両者ともに認識されるようになります。

図3 LibreOffice 6.2.2ではOpenJDK 12とAdoptOpenJDK 11ともに認識していない

画像

図4 Ubuntu版LibreOffice 6.2.3ではOpenJDK 12のみ認識している

画像

図5 LibreOffice 6.2.4以降はともに認識する

画像

この影響はUbuntuよりもWindowsのほうが大きいかもしれません。というのもAdoptOpenJDKはWindows版でもインストーラーが配布されているため,インストールが簡単です。一方OracleもWindows用のOpenJDKを配布していますが,インストーラーはありません。よって,これまで使用していたOracleJDKから乗り換えるのは,AdoptOpenJDKが最良であると筆者は考えます。インストールが簡単でもLibreOfficeで認識しないと意味がないのは論を俟たないでしょう。

LibreOffice Asia Conference 2019 Tokyo 開催

来る5月25日と26日にLibreOffice Asia Conference 2019 Tokyoがサイボウズ株式会社東京オフィスにて開催されます。1日目はカンファレンスデー2日目はビジネスワークショップ/CJK HackFestとなっています。1日目は豪華3トラックで,アジア各地やThe Document Foundationから来場者がある国際カンファレンスです。皆様も奮ってご参加ください。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese TeamとLibreOffice日本語チームのメンバー。LibreOffice,VirtualBox,Joplin,Budgieデスクトップなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。