Ubuntu Weekly Recipe

第572回 GNOME Boxesを使用する

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

今回は仮想マシンのフロントエンドであるGNOME Boxesを紹介します。シンプルさが売りですが,必要な機能は備えています。

GNOME Boxesとは

GNOME BoxesはQEMU/KVM/libvirtを組み合わせた仮想環境のフロントエンドです。GNOMEアプリケーションの一つとして,原則としてGNOMEと同時にリリースされており,本記事の公開時点で最新の安定版は3.32.2です。すなわちバージョンもGNOMEと同じです。

QEMU/KVM/libvirtのフロントエンドといえばVirt Managerが有名ですが,GNOME Boxesはただひたすらにシンプルなのが特徴です。さまざまな仮想マシン環境(ハイパーバイザー)がありますが,いろんなLinuxディストリビューションを気軽に試したいのであれば,GNOME Boxesがベストでしょう。今回は試しませんが,バックエンドがQEMU/KVM/libvirtなのでWindowsを動作させることもできます。

ちなみに3.30までは一部のキーが入力できませんでしたが,3.32ではこの不具合が修正されています※1)⁠

※1
GNOME Boxes自体のバージョンアップによるものではなく,何らかのライブラリのバージョンが上がったことにより修正されたものと思われます。あくまで筆者が少し調べただけなので正確さには自信はありませんが,GNOME Boxesにはキーコードをどうにかするコードは見つかりませんでした。

使用するパッケージ

GNOME BoxesのパッケージはUbuntuのリポジトリにもありますし,Flatpakのリポジトリ(Flathub)にもあります。後者はUbuntuのバージョンによらす最新版が使用できるため,こちらのほうがおすすめで,それを前提として解説します。

インストール

それではインストールを行います。Flatpakパッケージを使用する場合,Ubuntu 18.04 LTSとそれ以降で一部設定の方法が異なります。気をつけください。

18.04 LTSではPPAを追加します。

$ sudo add-apt-repository ppa:alexlarsson/flatpak

続けて必要なパッケージをインストールします。18.10以降の場合はここから実行します。

$ sudo apt install flatpak gnome-software-plugin-flatpak

さらにFlathubのパッケージがあるリポジトリを追加します。

$ flatpak remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo

ここまでできたら一度再起動してください。

再ログイン後,Ubuntuソフトウェアを起動して「gnome boxes」で検索すると,2つ表示されます。⁠ソース: dl.flathub.org」がついている方をクリックし図1)⁠GNOME Boxesの個別ページにある「インストール」をクリックします。インストールが完了するとボタンが「起動」になるので,ここをクリックするとGNOME Boxesが起動します。もちろんアクティビティからも起動できます。

図1 ⁠ソース: dl.flathub.org」を参考に「GNOME Boxes」を探す

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仮想マシン環境(ボックス)の作成

GNOME Boxesを起動すると左上に「新規」ボタンがあるので,ここをクリックします図2)⁠すると「ボックスを作成」画面に遷移します図3)⁠この「ボックス」は仮想マシンのことです。ここでは例としてUbuntu 18.04 LTSを簡単にセットアップしてみることにします。ここにはUbuntuはないため,⁠Download an OS」をクリックします図4)⁠

図2 GNOME Boxesの起動直後の画面。仮想マシンを追加する場合は「新規」を追加する

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図3 仮想マシンのリストが表示される。目的のものがない場合は「Download an OS」をクリックする

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仮想マシン選択画面に遷移します図4)⁠Ubuntu 19.04 Serverはあるものの18.04 LTSはないので「Show more」をクリックします。スクロールしていくと「Ubuntu 18.04 LTS x86_64(ライブ)」があるので,これをクリックします図5)⁠

図4 いくつかの候補が表示される。ここにもない場合は「Show more」をクリックする

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図5 たくさんの候補の中から目的のものを見つける

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「かんたんインストールを選ぶと事前設定に従い自動的に最適な設定を持つボックスを構成します」という説明があります。せっかくなので使ってみましょう図6)⁠⁠かんたんインストール」を有効にするとユーザー名とパスワードを入力できるようになるため,それぞれ入力します。これがログインの際に使用するユーザー名とパスワードになります。設定が終わったら「続行」をクリックします。

図6 ⁠かんたんインストール」を有効にし,ユーザー名とパスワードを入力する

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次は作成するボックスの基本設定を確認します図7)⁠⁠カスタマイズ」をクリックするとメモリーとディスクの容量を変更することができますが,お試しで使用するくらいなら特にカスタマイズは不要でしょう。メモリーが16GB以上あるなど,潤沢な場合はもっと増やしてもいいかもしれません。

図7 プロパティ(スペック)を確認する

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「作成」をクリックすると実際に作成が始まります。Ubuntuの場合はインストールイメージをダウンロードし,インストールを行います。しばらく待つとログイン画面のサムネイルが表示されるので図8)⁠ここをクリックして拡大してください。あとは通常のUbuntuとほぼ同じです。

図8 仮想マシンが追加され,起動したところ

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著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese TeamとLibreOffice日本語チームのメンバー。LibreOffice,VirtualBox,Joplin,Budgieデスクトップなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。