Ubuntu Weekly Recipe

第573回Ubuntu 19.04リリース記念オフラインミーティング フォトレポート

6月1日、グリー株式会社主催のもと、六本木にてUbuntu 19.04リリース記念オフラインミーティング19.06が開催されました。今回はいつもと趣向を変えて、フォトレポートという形でイベントレポートをお届けします。

Ubuntuオフラインミーティングとは

からあげです。

図1 Ubuntuオフラインミーティングの様子
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すみません、間違えました。からあげではありません。

Ubuntu Japanese Teamは主にグリー株式会社主催のもと、半年に一度「オフラインミーティング」を開催しています。

これはUbuntuが半年に一度4月と10月にリリースされるので、それにあわせてリリースパーティやりたいよねというのが、主な目的です。⁠パーティ」なので食べ物も出ますしお酒も出ます[1]⁠。せっかくUbuntuユーザーが集まるのだからと前でセミナーをおこなったりしますが、別に後ろでセミナーの邪魔にならない程度の酒盛りをしていてもかまいませんし、なんなら手持ちのデバイスを広げて黙々とハッカソンを行っていてもかまいません。そういう「ゆるめ」のイベントです。

たまに勘違いされるのですがいわゆる「勉強会」ではありません。ただの「パーティ」です。リリースパーティでUbuntuについて勉強したり、日々の疑問を解消したいのであれば、積極的に詳しそうな人に話しかけたり、自分からセミナー発表に立候補してください。特に後者は主体性をもって調べなくてはならないため、⁠こうかはばつぐん」です[2]⁠。

なお、これまでのオフラインミーティングの様子は、次の記事を参照してください。

今回はほぼ写真だけのレポートです[3]⁠。きっとイベントの詳細は参加者の方々のブログに満ち溢れているでしょうから。

ちなみにセミナーの雰囲気はYouTubeにアップロードされています[4]⁠。またTwitterのイベント当時の#ubuntujpのツイートをtogetterにまとめてあります。

平穏なリリース

Ubuntu 19.04は比較的平穏なリリースでした。諸々アップデートされているため異なる部分はあるものの、そのほとんどが順当なアップデートの様相を呈しています。結果的に、あまり特徴のないリリースでもありました。ドキドキワクワク感はないものの、半年のリリースのたびにがらっと変わりすぎてもユーザーと開発者の双方が疲弊するため、たまにはこういうリリースがあっても良いかもしれません。

そんなリリースを反映してか、今回の参加者は若干少なめでした。さらにセミナーの事前申し込み者がゼロという事態に。ここ数回やって好評をいただいている「リリースノート全部読む」発表と、チームメンバーの発表申込はあったので、セミナーがまったくないわけではないのですが、それでも少しさびしいですね。

というわけで、次回19.10のリリースパーティにはふるって発表を申し込みください。なんなら今から申し込んでいただいてもかまいません[5]⁠。実際に参加できるかどうかは当日付近になってから判断する形で大丈夫です。その代わり、発表枠を用意できるかどうかもイベントに近くなってきてからの相談となります。

発表内容はUbuntuに関連していたらなんでもかまいません。⁠Ubuntuユーザーのためのxxx入門」みたいな体裁を取れば、世の中のありとあらゆることがUbuntuに関連していると主張できます。ただし炎上しそうなネタは避けておくのがお互いのためでしょう。時間は5分から3時間まで相談に応じます。顔出しやYouTubeで配信される件についても、調整可能です。

今回のリリースノート!

Ubuntuのオフラインミーティングはおおよそウェルカム糖分で小腹を満たしつつ、イベント開始直後にからあげとオードブルで殴るというスタイルをとっています(参考画像は後ほど⁠⁠。つまりイベントが始まった段階では、みんな口に何か入っているのです。

図2 リリースノートの紹介(1⁠⁠。ドキュメントを読む長南さん
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図3 リリースノートの紹介(2⁠⁠。解説する吉田さんら
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その状態でセミナーやっても皆さん食べるのに夢中なので誰も聞いてくれません。そこで今回は開始直後は特にセミナーを行わないことにしました。YouTubeの配信を見ていた人は、Dingoのぬいぐるみが映った画面の後ろでひたすら咀嚼音が流れているのを聞くことになります。

食べ終わったあとの一回目のセミナーは恒例になりつつあるリリースノート一気読みです。生ハムがデプロイされるまでの時間稼ぎです。

GW前にリリースノートを翻訳し終わったあと、そこで満足してリリースノートをリリースするのを5月末まで忘れてたという、うっかりイベントはあったものの、今回もなんとか日本語版リリースノートをリリースできました。

Ubuntu 19.04のリリースノートをよく読むと、個々のコンポーネントのバージョンアップのおかげで、細かい改善は数多く行われていることがわかります。セミナーでは、その場でリリースノートの翻訳ミス・タグミスなども指摘しながら、その内容を紹介しました。

例のごとくs390xアーキテクチャー(IBM Z/Linux ONE)については大量の情報が書かれています。開発期間に実装した機能、修正した不具合を全部書いたのではないかってレベルで。実際定型文を除くと、リリースノートの三分の一ぐらいがs390x関連です。おそらくCanonicalにs390xを使っている重要な顧客がいるんでしょう。ただし該当部分の執筆者[6]の趣味なだけかもしれません。

「Ubuntuの同人誌をUbuntuで書く 令和元年版」

大阪から来た、あわしろいくやさんは「Ubuntuの同人誌をUbuntuで書く 令和元年版」を発表しました。18.04のリリースパーティのときのセミナーのアップデート版ですね。

図4 30年振りに東京タワーに登ったという、あわしろいくやさん
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team zpnが発行する、⁠うぶんちゅ! まがじん ざっぱ~ん♪』『ざっクリわかるUbuntu 18.04 LTS Server』の制作舞台裏を紹介する発表です。

なお、ざっクリわかるUbuntu 18.04 LTS Server『うぶんちゅ! まがじん ざっぱ~ん♪』の最新号であるvol.9は絶賛発売中です。また、技術書典6から販売を開始しました。vol.9の内容は次のとおりです。ぜひお買い求めください。

  • 続々OpenNebulaでPCI passthrough
  • KDE ConnectでらくらくAndroid連携
  • 自転車ライフログを更に便利に
  • NVMe SSD-USB変換ケースでSSDを入れ替えてベンチマークしてみた
  • Ubuntuで天災に備える
  • Jenkinsの構築からジョブ作成までをWebUIなしでやってみた奮闘記
  • で、結局のところSnapってどうなのよ?
図5 会場では頒布も行われていました
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ちなみに7月21日に大阪府の箕面市で「Ubuntuセミナー in 箕面(仮⁠⁠」が開催されるようです。詳細については、きっと近いうちに本連載かUbuntu Weekly Topicsに掲載されるはずです。

「グリーの人です」

主催・会場提供のグリー株式会社の松澤さんは、グリーでのUbuntuの話とせっかくなので最近のグリーの取り組みや採用に関する話を紹介しました。

例の「100億円投資規模する」ってニュースになった誰でもVTuberになれるアプリのREALITYも、バックエンドの一部でUbuntuががんばっているようです。

図6 グリーでのUbuntu事例を紹介する松澤さん
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「GPD on Ubuntu Latest report」

最後はJapanese Raspberry Pi Users Groupのおおたさんによる、⁠GPD on Ubuntu Latest report」です。

図7 GPDの最新情報を話す、おおたさん
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GPDと言えば、GPD Pocketを始めとする小型デバイスをリリースしている会社です。おおたさんはGPDや日本の販売代理店とも協力して技術的なアドバイスはもちろん、はやくUbuntu MATEが動くようになるようにプッシュもしてくれているようです。

直近だと、技術者向けの工具をイメージしたGPD MicroPCや先日発表されたGPD Pocket 2 MAXのリリースが控えています。これらのデバイスでUbuntuを試したところ、MicroPCだと画面が横転してしまっており、Pocket 2 MAXのほうはカメラ以外問題は見受けられなかったとのこと。

ちなみにMicroPCについては、その後Ubuntu MATEのグラフィック問題が修正されたとのアナウンスが出ているので、届く頃には横転問題は解消してそうです。

じゃんけんの儀式に供される差し入れ

今回もさまざまな人から、いろいろな差し入れをいただきました。

さらに日経Linux編集部からは、6月8日に発売された日経Linux 2019年7月号の特別付録である「microSDカードアダプター」もご提供いただきました。なお、同号ではUbuntu Japanese Teamのメンバーも、Ubuntu 19.04の記事に参加しています。ちなみに水野さんや長南さんの連載も掲載されています。

図8 日経Linux編集部からの差し入れ
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本連載を掲載している技術評論社からは、直近の雑誌も含むさまざまな本(⁠良いウェブサービスを支える「利用規約」の作り方業務デザインの発想法⁠)をご提供いただきました。

図9 技術評論社からの差し入れ
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じゃんけん大会でこれらの景品をゲットされた方や参加者全員プレゼントを受け取った方は、ぜひSNSやブログなどで感想・アピールをしていただけると助かります。

これらの景品以外にも、一般参加者からお酒・食べ物の差し入れをいただきました。全部は把握できていないので個別の紹介はできませんが、この場を借りてお礼申し上げます。

左:図10 レアなDiscoシャツ
右:図11 日本酒「屋守」「一白水成」

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Ubuntuユーザーの食糧事情

注意:ここからは基本的に食べ物の写真しかありません。

今回もからあげを用意しました。今回想定外だったのが、オリジンのご厚意によりコールスローがー大量に投入されたことです。その結果、からあげを配給する際は、「まずコールスローを取ること」というルールがアナウンスされました。そして皆が真面目にコールスローを取ろうとした結果、不幸なことに配給の際に「コールスローがボトルネックになる」という文字だけだとよくわからない現象が発生しました。

左:図12 いつもの唐揚げ待ち行列
右:図13 いつものオードブル

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左:図14 新顔のコールスロー(の配給開始後の様子)
右:図15 こんな感じでお皿に乗せていきます

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また、ここ数回投入された「生ハムをデプロイ職人」も健在です。

左:図16 生ハムはこのように小分けにして
中央:図17 オードブルの皿に積んでいきます。少し撚るのがポイントだそう
右:図18 アルコールも添えて完成です

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次はUbuntu 19.10「Eoan Ermine」です

というわけで平成最後のUbuntuリリースに対する、令和最初のオフラインミーティングの様子をお届けしました[7]⁠。

まず最初に、いつものように会場まで参加してくださった皆様ありがとうございました。SNSやブログなどに感想を書いて、Ubuntuや差し入れの品を宣伝していただけると助かります。次回に向けての要望がある場合は、ぜひUbuntu Japanese Teamに届く形でご連絡ください。できる範囲で応えていきたいと考えています。からあげとコールスロー以外で。もちろん次回があるなら発表したいという要望も随時受け付けています。

最後になりましたが、今回もたくさんの方がこのイベントを裏や表で支えてくれています。毎回六本木ヒルズにある広い会場を提供してもらえている主催のグリー株式会社には頭があがりません。

毎度のことながらCanonical、日経Linux編集部、技術評論社の皆様には「じゃんけん用に」とさまざま景品をご提供いただいています。ここ数回は参加者からの(なぜか主に日本酒の)差し入れも増えてきましたね。準備中はてんやわんやで、ろくに差し入れしてくれた人へのお礼や差し入れの品の紹介もできず申し訳ありません。

会場スタッフには早めに会場入りしていただき、買い出しから設営、受付に給仕っぽいことまでいろいろ手伝っていただきました。最近はいろんな人が忖度しながらがんばってくれるため、当日はだいぶ楽させてもらっています。⁠この日にイベントやるんでよろしくおねがいします」「今日はうまいことがんばってください」って発言を引き継ぐ人が出てくれば、そろそろ筆者は用済みになるんじゃないかと怯える日々です。

最後にJapanese Teamの身内ではありますが、司会の長南さんには毎度毎度じゃんけんやアナウンス、セミナーの前フリなどいろいろなマイク関連のお仕事をこなしてもらいました。また吉田さんには「からあげ(とついでに食料⁠⁠」の調達という重要かつ一番精神と頭と予知能力を使うミッションをこなしてもらいました。ちなみに今回のからあげ、オードブル、生ハム、飲み物は、すべて吉田さんのポケットマネーです。この2人がいるからオフラインミーティングが成り立っているので、この記事を読んだ方はぜひねぎらいの言葉をお願いします。

図19 最近占い師として名を馳せている長南さん
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次はEoan ErmineであるUbuntu 19.10です。もちろんリリースされたらなんらかのイベントを行うつもりです。その前に、まずこれなんて読むのってところから調べないといけません。今回参加できなかった方も、ぜひ次回は参加していただけたらと思います。

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