Ubuntu Weekly Recipe

第600回 【連載600回記念特別企画】第500回から現在までのアクセスランキング

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2008年1月から開始した連載も,今回で第600回を迎えることとなりました。これもひとえに常日頃から本連載をご贔屓にしていただいている読者の皆さまのおかげです。そこで前回に引き続き今回もいつもと趣向を変えて,本連載のアクセスランキングを発表します。

なぜ第500回からなのか

実はこれまでにも折りにふれてアクセスランキングを発表することはありました。直近だと第501回「Ubuntu 17.10リリース記念オフラインミーティング フォトレポート」でも紹介している2017年の12月に開催したオフラインミーティングでは,本連載の編集担当である高橋さんがUbuntu Weekly Recipe 500回記念 記事ランキングを発表しています。

この手のランキングのポイントは使えるデータが「アクセス数ベース」であることです※1⁠。つまり古い記事のほうが有利な値です。例を挙げると,累計のランキングでは第500回以降でもっともアクセスされた記事でさえ,全体の50位以内に入っていない状況でした※2⁠。そこで今回は前回のランキング発表以降に公開された記事に限定して紹介します。

※1
今回の「アクセスランキング」はあくまで本記事の執筆にあたって特別に提供してもらった「アクセス数」の値を元にした話であり,厳密なアクセス数とは異なることにご注意ください。
※2
トップ10に入らないのはともかく,50位以内にもないのは解釈が難しい結果ではあります。上位の記事は恒常的にアクセスされていると判断すべきか,それとも最近の記事の賞味期限が短くなっているのか。別データを見る限り,短いスパンでのアクセス数が減っているという,一番懸念すべき傾向ではなさそうでした。

本記事を読む上で,もうひとつ注意して欲しい点は,「アクセスランキング≠人気記事ランキング」であることです。たしかにアクセス数が多い記事は,ある種の人気がある記事とも言えるのですが,アクセス数だけが人気の指標ではありません。ましてや良質な記事・役に立つ記事かどうかとは関係がありません。さらにアクセス数そのものもかなり運の要素が絡んできます。単にタイトルがキャッチーだったとか,たまたまアーリーアダプターな人に刺さってURLがツイートされたとか,そういうものの積み重ねでアクセス数は変動します。

本記事はあくまで忘年会の酒のツマミ,家族団欒の際の会話のネタ,女子高生がマックでしゃべる内容のたたき台だと考えください。

初週アクセスランキング

本連載は週刊であることからも,記事の多くは公開初週のアクセス数がメインになるのではと予想しています。また,初週に限れば,公開時期の新旧に関係なく比較可能です。ということで,初週のアクセスランキングを見ていきましょう。

初週アクセスランキング:第7位から第10位

順位 タイトル
第7位 第560回「microk8sでお手軽Kubernetes環境構築」⁠柴田充也)
第8位 第528回「AMD Ryzen GでパワフルPCを構築する[GPUのベンチマーク編⁠⁠あわしろいくや)
第9位 第580回「AMD Ryzen 5 3400Gと2400Gを比較する」⁠あわしろいくや)
第10位 第563回「NVIDIA Jetson Nano Developer KitにUbuntuをインストールしよう!」⁠柴田充也)

第10位の第563回は発売されたばかりのJetson NanoにUbuntuをインストールする記事でした。日本の購入者の手元に届きだしてきたころに公開できたので,それなりにアクセスされたのではないかと予想しています。

ちなみにJetson Nanoの公式サポートOSがUbuntuであるため,実際にはNVIDIAが提供するイメージをダウンロードしてきてSDカードに書くだけです。そこで記事の中では,Ubuntu 18.04 LTSベースであるにも関わらずなぜかUnityが標準のデスクトップ環境になっていたため,それをGNOME Shellに切り替える方法などを中心に紹介しました。

Jetson Nanoは,パワフルな性能にも関わらず低消費電力でコンパクトな筐体とその価格の安さも相まって,エッジAIにおけるプロトタイピングのデファクトスタンダード的位置を確立していますね。

第8位と第9位は,まいどおなじみAMD大好きあわしろいくやさんのベンチマーク記事です。ここ数年まさに「Ryzenの年」だったので,Ryzenに関する記事はそれなりに需要があるのだろうと予想できます。特にこの手のベンチマーク系の記事は,Linuxにおける新しいCPUやその他の周辺機器の動作確認,スペックが期待通り出ているかの比較方法のリファレンスとしても使えるため,Ryzenに関係なく新しいPCを調達したときの参考となるでしょう。

第7位はmicrok8を使ってKubernetesのテスト環境を作ろうという記事です。同様の機能としてはMinikubeが存在しますが,そちらと比べても事前準備が「Ubuntuインストール済みのマシンを1台用意しておく」だけなので,よりお手軽だと言えます。本記事は単なるmicrok8sの紹介だけの内容だったのですが,⁠Kubernetesと言えばDockerの運用に疲れた人をさらに地獄の谷に突き落とすツール」という表現が,特定の読者に刺さったらしく,やたらとリツイートされる記事になっていました。

初週アクセスランキング:第4位から第6位

順位 タイトル
第4位 第512回「AndroidのGemini PDAをUbuntu端末っぽく使う」⁠柴田充也)
第5位 第564回「Raspberry Pi 3 Model B+にUbuntu 18.04 LTSをインストールする」⁠あわしろいくや)
第6位 第515回「Ubuntu 18.04 LTSとSnapパッケージ」⁠あわしろいくや)

第6位は18.04から導入されることになった「最初からインストールされているsnapパッケージ」の使用方法の紹介です。その後もリリースごとにsnapパッケージの取捨選択は行われているものの,20.04以降は増える方向に移行していく予定です。また第596回「snapパッケージ版Chromiumを使用する」のようにsnapパッケージのみ提供するソフトウェアも増えています。ただし従来のDebianパッケージ版と比べて,十分に使いやすくなっているかというとそういうわけでもないため,影響するユーザーは不具合を見つけたら積極的に報告してください。

第5位はRaspberry PiにUbuntuをインストールする記事でした。Raspberry Piと言えばとりあえずRaspbianという状況ではありますが,Ubuntuもそれなりに力を入れようとしているハードウェアです。特に組み込み向けのUbuntu Coreは,Raspberry Piがリファレンスターゲットのひとつになっています。しかしながら開発者が足りないためか,どうしても後手後手に回っている印象があります。

この記事では比較的簡単になったところで,あらためてインストール方法をまとめていますので,今から18.04をRaspberry Piで使いたいなら参考になることでしょう。最近だとRaspberry Pi 4の対応版を別途リリースしています(Ubuntu Weekly Topics 2019年12月13日号⁠。新しいイメージを試す場合もこの記事が参考になるはずです。

第4位はキーボード付きのAndroidデバイスである「Gemini PDA」の紹介記事ですね。この端末,実はLinuxのインストールにも対応しているのですが,結局紹介する機会を逸してしまいました。そんな中,同じ開発元から後継機であるCosmo Communicatorが発売されています。こちらもLinuxのデュアルブートに対応しているようです。

初週アクセスランキング:第1位から第3位

順位 タイトル
第1位 第517回「Ubuntu 18.04 LTSの変更点」⁠あわしろいくや)
第2位 第599回「Ubuntu 19.10リリース記念オフラインミーティング フォトレポート」⁠柴田充也)
第3位 第566回「Ubuntu 19.04の新機能」⁠あわしろいくや)

先に第2位から。正直な話,なんでこの記事がトップ10の,しかも上位に入っているのかさっぱりわかりません。たまたま,他に読む記事がなかったのでしょうか。アドベントカレンダーのシーズン中なので他に記事がなかったってことはそうそうないと思うのですが。もちろん,それなりに楽しんでもらえるように執筆してはいるのですが,どうしても内容が非技術的な方向に偏ってしまいます。結果的に,読者がこの連載に期待することとずれる内容になってしまうのではないかと思うのです。

気を取り直して第1位と第3位にいきましょう。どちらも恒例の,リリース前後にその新機能・変更点を紹介する記事ですね。もともとUbuntu GNOME向けにずっと書かれていたシリーズが,Ubuntu GNOMEがUbuntuにマージされたあともUbuntuのリリース向けとして続いています。この手の記事はUbuntu向けの連載とあって,恒常的にアクセス数が多くなるようです。

たとえば全記事を対象にしても,トップ10のうち半分はこの手の記事になります。ちなみに他のリリースだと19.10を紹介する第591回「Ubuntu 19.10の新機能」が20位に入っています。18.10は『Software Design 2018年12月号』に掲載されたため,代わりに第542回「生まれ変わったLubuntu 18.10を使用する」となりました。これも24位に入っています。

リリースごとに「何があったっけ」というのはリリースノートを見ると大きなことは記載されてあります。ただしデスクトップ寄りの細かい話や経緯,当時のスクリーンショットなどを振り返りたい場合は,この手の記事が大変役立ちます。

さて,⁠アクセス数」を元にした初週アクセスランキングはこのような形となりました。なんかいくやさんと筆者が交互に出てくるだけでいしたね。いや,違うんですよ。今回ランキングの対象となっている100件の記事のうち,いくやさんが書いたのが33件,筆者が書いたのが49件になるため,全体の8割以上をこの2人でまかなっています。結果としてランダムに10件の記事を選んだとしても8件ぐらいはこの2人になるような状態なんです。

言い方を選ばずに言うと「数撃ちゃ当たる」という考え方もあるわけでして。たとえば第500回からの執筆者ごとの平均アクセス数,つまり担当記事の総アクセス数を回数で割ってみると,1位が第570回「セキュリティキーを使って,Ubuntuで多要素認証をしてみよう」を担当したかずはまさん,3位には第581回「Debian 10 ⁠Buster⁠の紹介」を担当した佐々木さんが入るなど,上記の順位とは印象が変わります※3⁠。

※3
なんか平均アクセス数のランキングでもいくやさんが2位に入っているのですが。どういうことなの。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。