知りたい!サイエンスシリーズ動物はいつから眠るようになったのか?
―線虫、ハエからヒトに至る睡眠の進化

四六判/168ページ

定価(本体1,680円+税)

ISBN 978-4-7741-9556-8

電子版
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書籍の概要

この本の概要

私たちヒトは,人生の3 分の1 を寝て過ごす。
それほどの時間を費やさねばならないくらい睡眠は重要。

では,ヒトに至るまでの動物ではどうなのだろう?
ヒトに近い哺乳類は毎日眠っているっぽいので,ヒトと変わらないくらい重要なのだろう。
となると,ヒトからさらに遠い爬虫類や両生類はどうだろう?
もっと遠い昆虫などは,そもそも眠るのか?
昆虫が眠るとすると,その眠りはいったいいつから発生したのだろう?

本書は,そんな「動物はいつから眠るようになったのか?」という疑問に着目。
最近になってわかってきた,無脊椎動物の昆虫や線虫で発見された“眠りの原型”をひもときながら,ヒトから線虫へと進化をさかのぼり睡眠を考察。

我々が日々眠いのは,怠惰なのではなく,動物の宿命だったのか!?

こんな方におすすめ

  • 動物の眠りについて興味のある方
  • 眠りがどのように進化してきたのか関心のある方
  • ※「えっ,こんな生き物も寝るの?」とびっくりされたい方にもオススメです。

目次

第1章 ヒトの眠り

  • 1-1 睡眠の役割とは何か?
    • ヒトは眠らないとどうなるのか?
    • ヒトの睡眠時間と死亡のリスクの関係
  • 1-2 ヒトの睡眠パターン
    • レム睡眠とノンレム睡眠
    • 睡眠のパターンと脳波
  • 1-3 睡眠と覚醒のしくみの現在
    • 睡眠のリズム
    • 睡眠をコントロールするニューロン
  • 1-4 睡眠の異常とその治療
    • 睡眠に関わる病
    • 眠れない病気
    • 睡眠の薬
    • 高齢者の睡眠
  • 1-5 脳の活動における睡眠の役割
    • 睡眠が脳を育てる

第2章 哺乳類の眠り

  • 2-1 哺乳類の分類
    • 哺乳類の分類と進化
  • 2-2 動物の寝姿
    • 哺乳類のさまざまな寝姿
  • 2-3 いろいろな睡眠パターン
    • 小型哺乳類の睡眠パターン
    • クジラ類の睡眠パターン
    • 海獣類の睡眠パターン
    • イヌの睡眠パターン
    • 大型哺乳類の睡眠パターン
    • 霊長類の睡眠パターン
  • 2-4 睡眠時間の違いとその要因
    • 哺乳類の系統と睡眠の関係
    • 食べものと睡眠の関係
    • 食べる量と睡眠の関係
  • 2-5 冬眠―普通の眠りと違う深い眠り
    • 冬眠とは
    • シマリスの冬眠
    • 冬眠を起こすメカニズム
    • 植物の休眠
  • 2-6 哺乳類の眠りの進化
    • 哺乳類の睡眠パターンの特徴
    • 哺乳類の睡眠パターンの進化

第3章 鳥類の眠り

  • 3-1 鳥類の分類
    • 鳥類の分類と特徴
  • 3-2 鳥の眠りの姿
    • レム睡眠とノンレム睡眠
  • 3-3 睡眠パターンの例
    • レム睡眠とノンレム睡眠
    • 渡り鳥の眠り
    • 渡りのきっかけ
  • 3-4 鳥の眠りの特徴
    • レム睡眠とノンレム睡眠

第4章 爬虫類・両生類の眠り

  • 4-1 爬虫類・両生類について
    • 爬虫類の分類と進化
    • 両生類の分類と進化
  • 4-2 眠りの姿―変温動物も眠る
    • どのような姿で眠るのか
  • 4-3 睡眠のパターンとその特徴
    • グリーンイグアナの睡眠
    • サバクイグアナの場合
    • 爬虫類の眠り
    • 両生類の眠り

第5章 魚類の眠り

  • 5-1 魚類について
    • 魚類の分類
    • 魚類の進化
  • 5-2 断片的な魚の眠り
    • 魚の寝姿?
    • 睡眠の割合
    • ゼブラフィッシュの睡眠

第6章 軟体動物の眠り

  • 6-1 軟体動物について
    • 軟体動物の分類
    • コウイカの研究

第7章 昆虫など節足動物の眠り

  • 7-1 節足動物の分類と概要
    • 節足動物の分類
    • 節足動物の体のつくり
  • 7-2 ザリガニの眠り
    • アメリカザリガニの睡眠の姿勢
    • 眠りの特性
  • 7-3 ショウジョウバエの眠り
    • ショウジョウバエとは
    • ショウジョウバエは眠るのか
    • 行動学的な眠り

第8章 線虫の眠り

  • 8-1 線虫とは
    • 線虫の概要
    • 線虫の分類
  • 8-2 線虫シーエレガンス
    • シーエレガンスの体
    • シーエレガンスの生活史と特徴
    • シーエレガンスの研究上の利点
  • 8-3 線虫の眠りの研究
    • シーエレガンスの休止期
    • シーエレガンスの睡眠

第9章 眠りの進化と機能

  • 9-1 動物界での睡眠研究の枠組み
    • 発展する睡眠の研究
  • 9-2 眠りの進化の概要
    • いろいろな動物の睡眠の比較
  • 9-3 睡眠に関与する遺伝子と機構の共通性
    • 哺乳類の睡眠に関わる遺伝子
    • 哺乳類以外の睡眠に関わる遺伝子
  • 9-4 睡眠の機能と起源
    • 睡眠の機能

著者プロフィール

大島靖美(おおしまやすみ)

1940年,神奈川県生まれ。
東京大学理学部生物化学科卒業,同大学院理学系研究科博士課程修了,理学博士。
九州大学薬学部助手,米国カーネギー発生学研究所博士研究員,筑波大学生物科学系助教授,九州大学理学部教授,崇城大学生物生命学部教授を経て,現在九州大学名誉教授。
専門は分子生物学,分子遺伝学。
1975年,日本薬学会宮田賞及び日本生化学会奨励賞受賞。
主な著書:『遺伝子操作実験法』(共著,講談社,1980年),『ネオ生物学シリーズ⑤ 線虫』(共著,共立出版,1997年),『生物の大きさはどのようにして決まるのか』(単著,化学同人,2013年),『線虫の研究とノーベル賞への道』(単著,裳華房,2015年)。