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Red Hat Enterprise Linux 9.1がリリース

Red Hatは11月16日(米国時間⁠⁠、2022年5月にリリースされた「Red Hat Enterprise Linux 9」の最新アップデートとなる「Red Hat Enterprise Linux 9.1」の一般提供(GA)を開始した。複雑化するハイブリッドクラウド/マルチクラウドに対してシンプルでセキュアなアクセスを提供し、スケールしやすい環境を提供することを謳っている。

Red Hat Introduces Latest Versions of Red Hat Enterprise Linux -redhat.com
Red Hat Enterprise Linux 9.1 is now available -RED HAT BLOG

RHEL 9.1で追加された主なアップデートは以下の通り。

  • イメージビルダ(オンプレミス)のサポート拡張 … GCPへのアップロード、/bootパーティションのカスタマイズ、コンテナイメージをレジストリに直接プッシュ、イメージ作成中にプループリントをカスタマイズ可能など
  • TPM(Trusted Platform Module)をベースにしたリモートマシン構成証明ツールKeylimeの導入
  • SELinuxのユーザ空間パッケージ(libsepol/libselinux/libsemanage/policycoreutils/checkpolicy/mcstrans)がバージョン3.4にアップデート … 並列再ラベル付による再ラベル付けのパフォーマンス向上、semoduleツールでのSHA-256サポートなど
  • 暗号化クライアント「Clevis」によるLUKS暗号化ボリュームのロック解除
  • コマンドラインからXMLドキュメントを扱えるツールキット「XMLStarlet」の導入
  • App StreamからPHP 8.1/Ruby 3.1/Node.js 18が利用可能に
  • ツールチェーンコンポーネントのアップデート … GCC 11.2.1/glibc 2.34/binutils 2.35.2
  • パフォーマンスツール/デバッガのアップデート … GDB 10.2/Valgrind 3.19/SystemTap 4.7/Dyninst 12.1.0/elfutils 0.187
  • パフォーマンスモニタリングツールのアップデート … PCP 5.3.7/Grafana 7.5.13
  • コンパイラツールセットのアップデート … GCC Toolest 12/LLVM Toolset 14.0.6/Rust Toolset 1.62/Go Toolset 1.18
  • Java実装としてjava-17-openjdk/java11-openjdk/java-1.8.0-openjdkの3つのパッケージを含む。また、新しいモジュールストリームとしてMaven 3.8を導入
  • テクノロジプレビューとしてID管理(RHEL IdM)「OAuth 2 Device Authorization Grant」をサポートする外部IDプロバイダへの委任が可能に
  • Ansibleファクト収集が無効になっているPlaybookでもシステムロールが利用可能に
  • Podman 4.2へのアップグレードを含むContainer Toolsパッケージ
  • コンテナ用ネットワーク構成ツール「Netavark」がデフォルトで有効に
  • ワークステーション版において、GNOME WaylandセッションでMozilla Firefoxをネイティブサポート

なお、RHEL 9.1ユーザおよびRHEL 8.7ユーザは、Red Hatが提供する予測分析のマネージドサービス「Red Hat Insights」にアクセスすることが可能で、今回のアップデートにともない、マルウェア検出サービスやHCC(Hybrid Cloud Console)でのアクティベーションキーの利用、パブリッククラウドのインスタンスの自動登録などが可能になっている。

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