- 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
- あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
- 春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
- はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま
- あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
- あしびきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ
- 田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士のたかねに 雪は降りつつ
- たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ